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ツイッターで見た霧島山新燃岳2011年1月26日噴火

新燃岳2011年1月噴火ツイートはすでにいくつかまとめていますが、noteだとツイートを貼り付けたあとに写真を挿入したりコメントを書き足すのが簡単にできるので、新しくつくってみました。臨場感を味わってください。ツイッターを使って、めったにない大きな噴火の把握と広報がうまくできた初めての事例でした。

その日、新燃岳は7時30分頃から噴火していました。風下に少量の火山灰が降っていました。14時58分、突然それが暗転しました。異変に最初に気付いたのは、大浪池カメラを見ていたてるみつさんでした。

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噴煙が風上側にも拡大しているは、誤認でした。風下に長く伸びた火山灰雲の先端が風上に回っているように見えたのでした。1地点からの観察による限界でした。このとき高千穂牧場にいた井村隆介さんは、噴煙柱が風で押されて傾いているのを冷静に観察していました。

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気象庁は18時ちょうどに噴火警報を出して、新燃岳の噴火警戒レベルを3に上げました。14時58分の暗転から3時間後でした。16時08分の準プリニー式噴火開始から測っても2時間たっていました。噴煙の高さは、火口縁上1500メートルすなわち海抜2900メートルと、過小に報告しました。実際には、海抜7500メートルでした。

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噴火警報の1時間25分前、16時35分に出した解説情報は、以下のようにたいへんのんびり伝えています。危機感がまったく認められません。鹿児島地台も、福岡管区も、そして本庁も、危機感を持っていなかったのでしょう。

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翌日、降ったのは軽石れきだったことがわかって、噴火様式が灰噴火でもブルカノ式でもなく(めずらしくて大きな)プリニー式だったことが確認できました。プリニー式でも弱い部類でしたから、準プリニー式と呼ぶのがよいです。

プリニー式噴火はめったに起こりません。気象庁職員は誰も経験したことがありませんから、それを即座に認識して山麓住民に取るべき防災行動を迅速に指図する能力を持っていません。残念ながら、彼らは見ても理解できないということです。気象庁が出す情報を待っていると火山に殺されます。実際に、この3年8ヵ月後、2014年9月27日に御嶽山で63人が死亡しました。火山噴火予知連も、ずっと機器観測偏重ですから、これまで観測したことがないプリニー式噴火にうまく対応できるとは思えません。

プリニー式噴火が始まったとき、火山麓の住民は自分で火山に立ち向かうしか方法がありません。そのとき、最新情報が入手できるツイッターは情報収集手段として有効でしょう。大きな噴火は遠くから観察する必要があります。いまは、最新の気象レーダーエコーや気象衛星で宇宙から見た画像をインターネットで誰もが閲覧できますから、それを見て、気象庁に頼らず、自分で判断することが肝要です。


この記事は、下のまとめからツイートを抜粋して作成しました。



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