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ツイッターで見た霧島山新燃岳2011年1月26日噴火
新燃岳2011年1月噴火ツイートはすでにいくつかまとめていますが、noteだとツイートを貼り付けたあとに写真を挿入したりコメントを書き足すのが簡単にできるので、新しくつくってみました。臨場感を味わってください。ツイッターを使って、めったにない大きな噴火の把握と広報がうまくできた初めての事例でした。
その日、新燃岳は7時30分頃から噴火していました。風下に少量の火山灰が降っていました。14時58分、突然それが暗転しました。異変に最初に気付いたのは、大浪池カメラを見ていたてるみつさんでした。
おおー噴火。 http://twitpic.com/3thdw3
— てるみつ (@terumitsubeya) January 26, 2011
コックステイルジェットだ。まずい方向に進んでいる。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
いままでは火山灰が降るだけでしたが、石が飛んでくる危険が高まりました。火口から3キロ程度までは直径1メートルの石が飛んできてもしかたがないと思ってください。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
あー、ちょっとこれは。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
東に向かって火砕流出た?2キロくらい。1514と1530の2回。 気象庁カメラで再生してみて。http://ht.ly/3Kl44
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
こりゃ、だめかもしれんね。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
1608画像。噴煙が風上側にも拡大している。これはすごいことだよ。めったに見られない。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
噴煙が風上側にも拡大しているは、誤認でした。風下に長く伸びた火山灰雲の先端が風上に回っているように見えたのでした。1地点からの観察による限界でした。このとき高千穂牧場にいた井村隆介さんは、噴煙柱が風で押されて傾いているのを冷静に観察していました。
都城市立御池小学校、警戒せよ。さっき井村さんがいた小学校だ。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
都城市立御池小学校は、火口から8キロしか離れていない。運悪く、ちょうど風下にあたる。井村、いまどこ?
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
新燃岳の火口上1500m(海抜3000m付近)まで噴煙が上がったため、広範囲に火山灰が広がっています。宮崎市の南側も火山灰の影響もあって曇っています。 http://p.twipple.jp/GtYh2
— 宮崎の鯉人なノダ (@miyakoi01) January 26, 2011
噴煙は1000m以上だがまっすぐではない。
— Ryusuke IMURA (@tigers_1964) January 26, 2011
火口から8キロの都城市立御池小学校。現状で火砕流が届くとは思えない。これまで灰だけ降っていたが、小石もふるだろう。そうですね1センチくらいまで。火山弾が届くことはけっしてない。火山弾の射程距離は、霧島の場合、どんなにがんばっても4キロ。さて、火山灰がどれだけつもるか。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
@tigers_1964 なるほど。それは安心情報だ。噴火の勢いが強ければ、風を無視して直立するが、風に流されているということだ。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
RT @kazpurio: 霧島が噴火して都城が暗くなったよ。 http://twitpic.com/3thpvo
— KEIJI IIJIMA/飯島圭二 (@cargo2009) January 26, 2011
霧島山で1608から始まった発作的噴火は、30分たった現在も継続中。けっして弱まってはいない。火口周辺と風下で厳重な警戒が必要である。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
新燃岳より北西約40kmより。風は北東へ?今だ噴煙が噴き上がるのが見える。 http://twitpic.com/3ti1y3
— あら木 (@ara_ki) January 26, 2011
1718 あいかわらずスゴイ状態が続いている。 http://twitpic.com/3ti394
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
(まだいる)それにしても、霧島噴火に対する報道メジャーの無視っぷりはすごい。テレビがないので、テレビはどうだか知らないけど。
— はぎわら ふぐ (@hugujo) January 26, 2011
@hugujo 大浪池カメラなんて、ドアップだからすごく印象付けられているが、いまのところはまあたいしたことないと言ってもよいかもしれない。しかし、今晩どこまでいくか、見当つかない。軽石が出るかどうかがポイント。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
1735 なんだろうこれ。火山弾を撒き散らしてるんだろか。 http://twitpic.com/3ti6nn
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
1608から霧島山新燃岳で始まった発作的噴火は、90分たったいまも衰えることなく継続中。わが国唯一の火山監視機関である気象庁は、何か情報出したですか?
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
1809 赤い http://twitpic.com/3tid96
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
霧島:レベル3に引き上げ http://www.jma.go.jp/jp/volcano/551-20110126180000-40.html
— Yusuke Suzuki (@Y_Suzuki) January 26, 2011
ようやく1800にレベル3か。誰も死んでないか?@y_suzuki
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
気象庁は18時ちょうどに噴火警報を出して、新燃岳の噴火警戒レベルを3に上げました。14時58分の暗転から3時間後でした。16時08分の準プリニー式噴火開始から測っても2時間たっていました。噴煙の高さは、火口縁上1500メートルすなわち海抜2900メートルと、過小に報告しました。実際には、海抜7500メートルでした。
噴火警報の1時間25分前、16時35分に出した解説情報は、以下のようにたいへんのんびり伝えています。危機感がまったく認められません。鹿児島地台も、福岡管区も、そして本庁も、危機感を持っていなかったのでしょう。
1608開始だったから、3時間たつ。ひと段落かな?
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
「15時以降の最高噴煙高度:火口上2000m(海抜11300FT)」 http://ht.ly/3KsL7 鍵括弧でくくって引用したことに注意。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
新燃岳噴火、ここまで来ればもう全国レベルのニュースなのに。どうした……
— はぎわら ふぐ (@hugujo) January 26, 2011
@hugujo ひとびとはそんなに早く気がつかないって!明日の朝、ヘリ飛ばして、現地調査して、それからだ。あわてるな。それまで知ってるのは私たちだけ。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
把握とほぼ同時に広報もしました。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
Tokyo VAAC 1100Z 250FL http://ht.ly/3KtrV 1FL はたしか30mだったから、20時の噴煙高度は7500mだ。大手町の階がちがうと、こうも違うものか。たしかさっき、7階は最高高度2000mだと書いてたよなあ。
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) January 26, 2011
翌日、降ったのは軽石れきだったことがわかって、噴火様式が灰噴火でもブルカノ式でもなく(めずらしくて大きな)プリニー式だったことが確認できました。プリニー式でも弱い部類でしたから、準プリニー式と呼ぶのがよいです。
プリニー式噴火はめったに起こりません。気象庁職員は誰も経験したことがありませんから、それを即座に認識して山麓住民に取るべき防災行動を迅速に指図する能力を持っていません。残念ながら、彼らは見ても理解できないということです。気象庁が出す情報を待っていると火山に殺されます。実際に、この3年8ヵ月後、2014年9月27日に御嶽山で63人が死亡しました。火山噴火予知連も、ずっと機器観測偏重ですから、これまで観測したことがないプリニー式噴火にうまく対応できるとは思えません。
プリニー式噴火が始まったとき、火山麓の住民は自分で火山に立ち向かうしか方法がありません。そのとき、最新情報が入手できるツイッターは情報収集手段として有効でしょう。大きな噴火は遠くから観察する必要があります。いまは、最新の気象レーダーエコーや気象衛星で宇宙から見た画像をインターネットで誰もが閲覧できますから、それを見て、気象庁に頼らず、自分で判断することが肝要です。
この記事は、下のまとめからツイートを抜粋して作成しました。
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