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「傷つきたくない文化圏」について。


こんにちは、ハヤカワ五味です。

今週の半ば、インターン時代の先輩に「某大手メーカーで若者について話してくれない?」と言われたので、何を話すのか考えていたのですが、簡単そうに見えてめちゃ難しいテーマなんですよね。

なぜなら、私は東京でガシガシ働いてるガールなので、年収的にも同世代のトップ1%には入るだろうし(というか統計を見ている限り入っている)、私が私の知っている範囲で話したらその1%の限定的な話しかできないわけです。

女性とか若者とかの肩書きがあると「女性らしい企画を〜」とか「若者の思っていることを〜」と言われがちですが、相当な努力とリサーチをしないと、大抵の人はごく一部の女性や若者の話しかできないと思います。なのでこの半月くらいは、仕事の合間合間で「今の若者達は何を考えているのだろう…」ということに思いを馳せていました。

その結果、プレゼンの数日前に「これだ!」と思ったのが”傷つきたくない文化圏”というキーワード。私が初出の造語なので、まだ言葉の定義も曖昧ですがここから考えられることは多くあると思っています。なので備忘録も兼ねて、noteにまとめておきます。

かなり走り書きなのと、まだまだ仮説ベースなので議論歓迎です。詳細なプレゼンを聞きたい人がいたら講演会として呼んでください🤑



・国外のGZ論と国内で乖離を感じるのは何故?

まず、1995年生まれの私は日本の定義だとギリギリ”ジェネレーションZ”と呼ばれるクラスタになります。”ジェネレーションZ(以下GZ)”とは”ミレニアム世代”みたいなある世代の総称なのですが、GZは1990年代半ば以降に生まれた「生まれた時からのデジタルネイティブ」の世代を指すそうです。

特に世界では2027年には全世界でGZの比率が1/3を超えるだかでこれから考えていく必要があるよねと、特に中長期スパンの議論でよく使われるマーケティング用語です。

ただ、よくあるGZの教科書的なものを呼んでいて、GZの当事者としては違和感を感じる部分が多いです。というより私個人としてはGZ教科書に共感する部分が多いのですが、ではそれが周りの友人や、自分の妹、SNSの若者となると現実との乖離を感じます。

ジェネレーションZについてのJETROのレポート

・「意識高い」のを見てるのがキツイ

具体的には、例えばローラさんのやっていることって英語圏のインフルエンサーとしてはかなりメジャーで支持されやすい事柄だと思います。ただ、それが日本となると「意識高いw」とか「CMモデルは黙ってろよ」みたいな感じになりやすいです。支持している層も勿論ありますが、メディアの取り上げ方はネガティブなものや揚げ足を取るようなものばかりです。

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GZの教科書的には、ローラさんのやっていることは王道で間違いなく支持されていいのに、実際にはそうはいかない。それが世界規模のGZと国内のGZとの乖離と感じている部分です。

では、何がそこまで「気に障る」のでしょうか。

ここからは自分の仮説になるのですが「GZの教科書的なことは、余裕がある人でないとできないことだからイラっとする」と考えてみるのはどうでしょうか?

環境問題とか、動物愛護とか、そういったことを余裕の中で取り組む態度を見せられることによって、自分の現状に気づいてしまうことになり反発せざるをえないのではないでしょうか?

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・マシュマロテストと貧困についての仮説

ここで、実際頭を抱えている中で面白かった記事を紹介します。

「Why Rich Kids Are So Good at the Marshmallow Test」

これは、本人の能力や意欲ではなく、家庭の裕福度によってマシュマロテストの結果が大きく変わるよという話です。

まずマシュマロテストについてですが、
「机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。実験者は『私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ』と言って部屋を出ていく。」といった内容で、この時に待てた人の方が大学入試の点数が高かったよ!といったような感じです。面倒なのでwikiから転載です。

そして先ほどの記事ですが、これらの実験が実は再現性がないといったような話です。さらにいえば、大学入試で良い点数が取れるかどうかは、マシュマロテストで良い結果を出すかどうかよりもお金を持っている家庭環境か否かが関係しているという話です。

つまり、金銭的な余裕がないと中長期的な合理性よりも、短期的な合理性が先行するということだと、私は理解しました。それはつまり、エコとか政治とか中長期的(に見える)ことは余裕がある人しかできないからこそ、自分にはできないことだからこそ「イラっと」する、つまり「傷つく」のではないでしょうか?

社会全体で貧困に向かっているかどうかという話は難しいところですが、若者限定の話で言うと「生活が厳しい人、余裕がない人が増えている」と思います。つまり、中長期的な良さや魅力というよりも「今、私に良いことか」ということが特に強く重要視されていて、それが国外のGZ論との乖離を生み出しているのではないかと思います。

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・傷つきたくない文化圏とは?

では少し話は変わりますが、”傷つきたくない文化圏”とは何でしょうか?

それは全ての人が多かれ少なかれ感じているであろう「傷つきたくない」という気持ちを最優先にしている文化圏ということです。これまでの世代も「傷つきたくない」という気持ちはあっただろうけど、それは中々実現せず、何かしらの傷を受けながらも生きてきた人が多かったと思います。それがインターネットや各種サービスの普及によって「傷つかなくても生きていける」ことが実現されつつある。

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しかも、今まで交わらなかったはずのコミュニティ同士がインターネットで垣間見えるようになってしまったからこそ「自分よりも傷つかずに生きている人がいる」といった嫉妬の感情も生まれますし、自分から情報を得に行き自ら傷つくといったように傷つく機会も増えてきたと思います。

さらには「#metoo」などのムーブメントの解釈もあらぬ方向に向かい「自分が傷つけられたら、相手を人生から退場させることもアリなんだ!」と正義(?)の炎を燃やす人も増えたように思います。最近のtwitter上では、毎週のように違ったテーマで議論の皮を被ったネットリンチが許容されているように見えるのですが、これでよかったんでしたっけ?

ここで先ほどの話に戻りますが、つまり私のここでの仮説は

「経済的・精神的に余裕がなくなる」

「自分にはできないことをしている人を見ると、自分への劣等感で傷つく」

「傷つきたくない文化圏では、傷つけられた場合ぶん殴って良いっぽい」

「めちゃくちゃぶん殴る」

みたいな流れが、昨今のtwitter上での苦手な空気感の正体かもなあということです。

・なぜフェミニストはここまで嫌われるのか

数日前に、こんな記事がありました。

めちゃくちゃ悔しいですが、確かに!と思いました。

あえて、私はフェミニストだと断言しますが、私にとってのフェミニズムは文中に表現されている"元の定義"そのものです。

そんなジェンダーからの解放を謳っているのがフェミニズムなのかもしれない。男女はとにかく平等で、男も女も思うように生きたらいい。お互いの立場を尊重し、他者の生き方を身勝手に規定するものであってはならない。(引用)

私は、あくまでも男女共にジェンダーバイアスに囚われず、個人が個人として尊重される世の中になったらいいなと思いフェミニストと名乗っています。私は女性というジェンダーから外れてる人生を送ってるかもしれませんし、今後結婚する時も私の姓で私が世帯主になることは私とパートナーの中で確定事項ですが、そういうのもあって良いじゃんってことです。

そんな感じのフェミニズムしか知らなかったので、昨今、国内でのフェミニストの嫌われ方は理由もわかってなかったし、なんか大変だなあと思っていました。理由が知りたいので、白饅頭さんのnoteをよくよく読み込んだりもしました(彼の発言や結論は一部飛躍していると感じる時もありますが、基本的にいつも理論だった展開でとても参考になるのです)。

そこで上のブログを読み、以下の文章に答えを見つけた気がします。

本来、自由な生き方を認め合うことが目的だったはずのフェミニズムが、共通の敵を作り、仲間と連帯して敵を倒すことが目的となってしまっているのだ。気に食わない対象に怒りをぶつけること。腹立たしい対象を見つけて仲間に知らせて攻撃し、自分たちの正しさを再確認することが目的となっている。

ここで語られていたり、SNS上で嫌われているフェミニズムは、私の認識だとフェミニズムではなく「フェミニズム」(括弧付き)なのだなあと思いました。

傷つけられたこと自体は悲しむべきことですし、そこに声を挙げていくことには賛成です。ただ、それをボコして徹底的に排除することはまた別のマイノリティを作ることに違いありません。

自分と意見と異なる相手は「敵」ではありません。
自分の主張を通すために、異なる意見全てを叩き潰す必要はないのです。(引用)

そうそう。「私はそうじゃないと思う」と発言する、それで良いのだと思います。黄色いクマの本にも「全ての人に説明し説得する必要はない」と書いてありましたが、そういうことだと思っています。

そして、今回このプレゼンをまとめていて、これはフェミニズム以外にも同じような構図の集まりが沢山ありそうだし、今後も出てきそうだなと思いました。

私にはどのようなことをしたらこの流れを断ち切れるのかわからないのですが、もう少し平和なツイッターライフに戻れたら良いなとも思います。

おしまい

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キュ〜トでクレバ〜な経営者。ランジェリーブランド feast/ワンピースブランド ダブルチャカ/ラフォーレ原宿 LAVISHOP等を運営している株式会社ウツワの代表取締役です。服という”纏う哲学”についてと、”透明な売上を立てる経営”を日々考えています。

コメント8件

2018年に発表された、日本のGZについての調査報告貼っておきます。P13の世代比較とか面白いです。
https://speakerdeck.com/zkaigi/genz-report-2018

私もハヤカワさんと同世代で「フェミニスト」であると自覚していますが、公言はしていないです。リスクが大きすぎるので……
違う考えや思想を持っている人間、コミュニティから排除されがち。
文章めちゃくちゃ上手いですね。テクニックという意味ではなくて読みやすさという意味で。長いのにとても読みやすく理解しやすいので内容以上にそこに感動しました。
とにかく論理の飛躍をご指摘される白饅頭師匠をコンゴトモヨロシク……
今更ですが一言…
>自分よりも傷つかずに生きている人がいる

これは当事者の決めつけかも知れない?と一歩踏みとどまれない
そういう所が貧困なのだと…
ローラだって我々の眼に見えないところで傷つき泣いてるかもしれない...
そういう想像力が働かない。

結局はそういう心根の貧しさが経済的貧困にもリンクしてるというのが私の見方です。
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