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【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第33回「修善寺」

2022年8月28日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第33回「修善寺」を視聴しました。

<始まる前に>

今回は頼家への陰謀や、次のターゲット和田義盛の話ですかね。
そして、クライマックスの承久の乱へと突入する前に実朝の話も面白そうです。
いや、悲しそうです。

<NHKのあらすじ>

鎌倉では政子(小池栄子)の次男・源実朝(嶺岸煌桜)を鎌倉殿とする新体制が始まり、北条時政(坂東彌十郎)が執権別当に就任。
時政を裏で支えるりく(宮沢りえ)は実朝の正室を京から迎えることを進言し、娘婿である平賀朝雅(山中崇)を通じて後鳥羽上皇(尾上松也)に願い出る。
しかし、御家人たちは派手に権力をふるう北条を敬遠。
三浦義村(山本耕史)の忠告に義時(小栗旬)も苦笑する。
一方、失意の源頼家(金子大地)は……

■プロローグ

実朝に頼朝ゆかりの髑髏が引き継がれました。
伊豆修善寺では、もう一人の鎌倉殿、頼家が酒に溺れながらも生きていました。

---曲---
エバン・コール

■ナレーション(長澤まさみ)

源実朝が三代鎌倉殿となった。
あまりに歪な代替わり。
源氏の棟梁を巡る駆け引きが、再び始まろうとしている。

■実朝の政治開始

建仁三年(1203年)10月9日、実朝の政務開始の儀式、政所始めが行われました。
執権別当は、時政が実質的な政治的指導者になったことを示しています。
起請文を出させ西国の御家人たちに忠誠を形で示してもらうことに。
武蔵守も時政がやることにしましたが、三浦義村は北条に不満を持つものが増えているといいます。

■りくと時政

時政の実権掌握に、りくは思い通り進んでいてご満悦です。
次のターゲットとして武蔵守であること、そして次は実朝の御台所を京都から迎えようと企みます。

■京都

上皇は平賀朝雅に実朝の嫁取りの話を聞き、時政が仕組んでいることを知りますが、上皇は嫁選びを引き受けました。
慈円(山寺宏一)は、信清のご息女がいいのではと推薦します。
実朝を坂東の田舎侍の手中に納めるのは危険であると、源仲章(生田斗真)を鎌倉に派遣します。

■頼家の考え

安達景盛の身柄を引き渡せと頼家は命じるなど、自分はまだ鎌倉殿であると思っているようです。
三浦義村が頼家のところに参上し、善哉の安否を心配します。
必ず鎌倉殿に戻り首を刎ねる、覚悟して待っているよう義村に伝えるよう言います。
義村は華々しく散るのも悪くないが、力は貸せないと断りました。

■北条家

大江広元(栗原英雄)は早めに動くのが寛容、2人の鎌倉殿は不要だという話をします。
八田知家(市原隼人)に様子を探らせるため警護をつけました。

■政子

三善康信(小林隆)に政子は、実朝が争いに巻き込まれること、早いうちに鎌倉殿の手を離すのがいいと思っています。
実朝に和歌をやらせたいので、三善康信が教えてあげてほしいと頼みました。
実衣は、実朝について、正しい政をさせるので余計は口出しするな、と突っぱねます。

■建仁四年(1204年)正月

読書始めの儀式が行われ、実朝に儒学の講義を行ったのが源仲章。
三善康信が実朝に和歌について伝授していますが、実衣はそこに源仲章を連れて来て妨害します。
和歌は気が向くままに読むものではなく、帝が望む世の姿を知らねばならぬと実朝に説きます。
源仲章は、和歌を制したものが国を制すると教えます。

■政子

干し鮑を頼家に届けようと修善寺を訪ねました。
足立遠元(大野泰広)が頼家に会いますが、政子には会いたくないそうです。
頼家は畠山重忠に対し、時政が本領・武蔵守を狙っているぞ、味方になれと誘います。

■北条家

鎌倉に戻った畠山重忠は時政に武蔵守のことを尋ねますが、独り占めしようとは考えていないと話します。
八田知家が猿楽の一人を捕えると、頼家が北条追討の院宣を要請しようとしていたことが発覚しました。
これで、頼家追討が決定しました。
泰時(坂口健太郎)は義時の決意に承服できないと断言しました。

■善児の家

時房(瀬戸康史)と義時は善児の家を訪ねますが、留守のようです。
義時は兄・宗時(片岡愛之助)の形見を見つけてしまいました。
「私に善児が責められようか」(義時)
一幡を埋めたとみられる土を見ながら一幡を思い出す善児(梶原善)は、義時に呼び出されます。

■頼家の説得

泰時は頼家を逃げるよう説得しますが、もう気持ちは変わらないようです。
和田義盛(横田栄司)の家に義時が訪れると、そこには運慶(相島一之)がいました。
和田義盛と運慶と知り合いでした。
義時と運慶は10年ぶりの再会です。
「おまえは悪い顔になったが悩んでいる顔だ、迷いのある顔が救いなのだ」
「お前のために仏を彫ってやりたいなあ」(運慶)

■猿楽舞

頼家の前で猿楽舞が披露され、その舞の一人に善児が紛れていました。
善児等と切合になり義時は追い詰められ、一幡の名札を見た善児は一瞬混乱し、そこにトウが現れ頼家を斬り倒しました。
泰時が目覚めると、頼家はなくなっていました
頼家、偉大なる頼朝の子・享年23歳
善児はトウに「ずっとこの時を待っていた、父の仇」と言いながら、斬り殺されました。

----つづく----

次回は第34回「理想の結婚」9月4日放送です。

■感想

まさかの善児ロスト。
これはショックですね。
前回、一幡のときに涙を見せたのは、この伏線だったのか!
この高低の落差がショックを引き立てますね。
まだまだ続くと思っていただけに、少し寂しい。。。

■勝手に解説

頼家は伊豆の修禅寺に幽閉され、元久元年(1204年)7月、23歳で亡くなりました。
『愚管抄』によれば、入浴中を襲撃され、激しく抵抗した頼家の首に紐を巻き付け、急所を押さえてようやく刺し殺したと書かれています。
『吾妻鏡』は、その死因について語ることはありません。
ということは、ドラマ内の頼家暗殺場面は完全な創作であることがわかります。
『吾妻鏡』が語らないということは、逆説的に、北条の陰謀である可能性が高いことが読み取れるのではないでしょうか。

自分のサイト「日本史アップデート」:鎌倉殿の13人と承久の乱から抜粋しています。


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