見出し画像

【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第39回「穏やかな一日」

2022年10月16日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第39回「穏やかな一日」を視聴しました。

<始まる前に>

一回お休みだったのですこし忘れていますが、今度のターゲットは和田でしょうか。
和田義盛が実朝を「武衛」と呼んだのが和田討伐の前兆でしょうね。

<NHKのあらすじ>
いまだ源実朝(柿澤勇人)と千世(加藤小夏)との間に世継ぎの誕生がなく、気にかける政子(小池栄子)と実衣(宮澤エマ)。
義時(小栗旬)は、御家人たちが謀反を起こさぬように政まつりごとの仕組みを改める。
しかし、傲慢なやり方に三浦義村(山本耕史)、和田義盛(横田栄司)らが不満を募らせていた。
一方、泰時(坂口健太郎)は慣れない和歌に悪戦苦闘し、源仲章(生田斗真)に相談を持ち掛ける。
そんな中、成長した公暁(寛一郎)が……

■プロローグ

のえが子を抱いています。
義時とすれ違った侍女が・・・振り返ると、長澤まさみ。
「承元二年(1208年)から建暦元年(1211年)、様々な出来事を一日に凝縮してお送りいたします」

---曲---
エバン・コール

■ナレーション(長澤まさみ)
大海の磯もとどろに寄する浪破れて砕けて裂けて散るかも 源実朝

■時政失脚その後

「天然痘を患っていた実朝が政務に復帰する」(長澤まさみ)
実朝が亡くなったら善哉が後を継ぎます。
「守護、地頭が置かれています。それらに任じていただいた御恩で鎌倉殿に奉公する、しっかりお役目をお守りください」(政子)
「姉上は政務をしっかり学んでおられる」(義時)
「兄上は坂東武者の頂きに北条が立つことを望んでおられた」(義時)
政務で意見を言っても最後は義時の意見が採用されることで、実朝は存在価値がないと思っています。
泰時は、実朝から和歌を渡され返歌を要求されました。

■のえと初
義時も泰時も辛気臭いと、のえ(菊地凛子)が初(福地桃子)と会話しています。
義時の次男・北条朝時(西本たける)がそこに現れました。

■泰時
返歌を作ろうとして、前に進まない状況の泰時です。
実衣は政子に次のように話します。
侍女から、実朝と千世が寝床が別々だと聞き、子ができない実朝に側室を検討するべき。

■源仲章

源仲章(生田斗真)が、実朝の側で政を指南するよう後鳥羽上皇より命じられて鎌倉にやってきました。
義時に対し、「わたくしはあなたのお味方」(源仲章)

■和歌

「今朝みれば山もかすみて久かたの天の原より春は来にけり」
この実朝が作った和歌に対し、三善康信(小林隆)は、久かたと今朝を逆にしてみてはと指導します。
「お前はいつも逆にしてみろという」(実朝)
大歌人・藤原定家から、文が届きました。
そこには、実朝が詠んだ和歌に対し、最後を逆にしたほうが良いとアドバイスが書かれていました。
源仲章に三善康信は「これよりは定家が和歌の師匠、余計な口出しはするな」と言われてしまいました。
実朝は「前のほうが好きだ」といわれますが、「もう鎌倉殿に教えることはない」とガックリ。
これからも私を助けてくれと三善を慰めます。

■実朝と千世の間では
貝合せをする千世(加藤小夏)と実朝ですが、そこに和田義盛(横田栄司)がやってきて、貝合せが中断してしまいました。
八田知家(市原隼人)が政子に頼まれて、何かを作っています。
そこに千世の悲しそうな姿が目に止まりました。
そして、和田義盛は実朝に上総介への叙任をお願いします。
さて、実衣が、女房を決めたいと実朝の元へやってきました。
和田義盛が声の大きい人がいいと言うがまま、「では、声の大きい女を」(実朝)

■和田義盛の不満

和田義盛は、上総の国司にしてほしいと政子に頼みに来ますが断られてしまいました。
八田知家が完成した棚を持ってきて政子にこう話します。
「北条のことを御家人たちは苦々しく思っている、相模守、武蔵守、北条でなければ国司になれぬと」

■朝時と鶴丸

ある女房候補が、「ひどい男に引っかかって捨てられてしまいました、別のおなごを作って捨てられてしまいました」
とんでもない女に引っかかってしまったという北条朝時。
鶴丸(きづき)は朝時が苦手のようです。
そこに義時がやってきます。
鶴丸に諱(イミナ)をつけることになり、太郎の命綱、平盛綱と名乗ることになりました。

■北条への不満増加

義時は、武衛はやめろと強くいい、和田は「変わっちまったよな!鎌倉殿もお前も」
大江広元は慎重にかからねばならない、三浦がついているから、と進言。
そこに三浦義村が、つつじ(北香那)と善哉(高平凛人)を連れてきました。
政子は蹴鞠を実朝と一緒にやるため、父頼家の蹴鞠の跡を見せます。
「二年ごとに守護を入れ替え、御家人の力を削ぐ」(義時)
「言っておくが俺も相模の守護だぜ」(義村)
実朝は善哉と蹴鞠を一緒にやります。

■弓矢の試合
八田知家が板を打ち抜きます。
泰時も負けていません。
平盛綱が矢を放つと、みごと板を射抜きました。
平盛綱を御家人にしてやりたいと義時は実朝に相談しますが、実朝は拒否します。
「鎌倉殿の言う通り、忘れてください」(義時)
もう自分は必要がないようなので、伊豆に引き下がると脅します。
すると、「私が間違えていた、その者を御家人に」(実朝)
「私の言うことに口を挟まれぬこと」(義時)
どうすればいいのか尋ねる実朝に、「私に褒美をください、それを平盛綱に譲ります」(義時)
時房は頼家のことを思い出していました。
「寂しいお方でした、なんの支えもできなかった。おられますか?心を開くお方が」(時房)

■心境を吐露

千世は側室を持つよう勧めますが、上皇に申し訳が立たないと反対です。
「どうして私からお逃げに成るのですか?どうして私が気に入らないのですか?」(千世)
「私には世継ぎをつくることができないのだ。どうしてもそういう気持ちになれない、もっと早く言うべきだった」(実朝)
「ずっとお一人で悩んでいらっしゃったのですね」(千世)

■返歌できない理由

源仲章は実朝の和歌を解説し泰時に教えます。
実朝にこれは恋愛の和歌であり間違えだと、返歌を差し戻します。
「間違えて渡したようだった」
再度、実朝は和歌を渡します。
「大海の磯もとどろに寄する浪破れて砕けて裂けて散るかも」
北条朝時が御所の女性に手を出したことが義時にバレます。
義時のことが気に入らない、和田義盛は義村に話しますが、義村は冷徹な表情で見つめます。

■善哉から公卿へ

「建暦元年(1211年)9月22日出家して公暁(寛一郎)に名前を変えた善哉が京都へ上る」(長澤まさみ)
「公暁が戻ってきた時、鎌倉最大の悲劇が幕を開けることになる。それはこの時から6年後」

----つづく----

次回は第40回「罠と罠」10月23日放送です。

■感想

ナレーションの長澤まさみさんが遂に登場、何事もなかったかのように義時とすれ違います。
今回は、残りの事件に向けて、いろいろな前フリを仕掛けています。
和田の北条への不満が高まり、実朝が重大な真実を吐露し、善哉が公卿に変身し京都へ向かいます。
そして最大の出来事が、実朝の吐露。
直接言わず暗喩で表現していますが、完全に男色。
そんなのあり?の世界ですね。
さすがに、そんな人を将軍にしないでしょ!と言ったら言い過ぎ?
それに気がついて討伐されるのかな、それだとちょっとレベルが低いような。。。

■勝手に解説

NHK鎌倉殿サミット2022「源頼朝 死をめぐるミステリー 日本史上の大転換点」から引用します。

  • 解説:東京大学教授・本郷和人

  • 放送大学教授・近藤成一

  • 国際日本文化研究センター所長・井上章一

  • 創価大学教授・坂井孝一

  • 帝京大学准教授・佐伯智広

  • 女子美術大学付属高校教諭・野村育世

■北条政子は源氏側?北条側?
野村「女性の地位は高かったと思われる。お母様の力には逆らえない。吾妻鏡の目録には実朝の後に政子の名前が出ている。実質的な四代目として政子が幕府を動かしていた」
坂井「源家の家長。未亡人が取り仕切るのが一般的な時代だった。相撲部屋の女将さん」
野村「政子は政子。承久の乱で御家人を奮い立たせた演説は頼朝が生きていたらできない」
本郷「北条政子は実朝亡き後、源氏の一族を皆殺しにしている」
近藤「3代将軍の遺跡をまもる。血筋がつながっていなくてもよかった」

政子にとって一幡は可愛い孫で、政子の思いはどうだった?
野村「頼朝の血というより政子以外の子供は関係ない」
井上「極道の妻。頼朝の妻の人生をまっとうした」

この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

21,997件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?