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【感想】NHK 歴史探偵「桃太郎」を視聴しました

2022年9月14日(水)22:00~22:44、NHK 歴史探偵「桃太郎」を視聴しました。

<始まる前に>

桃太郎といえば、吉備津彦命の鬼退治ですかね。
温羅という鬼をやっつけた四道将軍です。
中学生の探偵登場??ちょっと嫌な予感が。

<NHKのあらすじ>
桃太郎を徹底調査!岡山の桃太郎伝説を調べると古代日本の歴史が見えてきた。
さらに中学生の特別探偵が登場。
佐藤所長も仰天の「桃から生まれない」桃太郎について報告。

■スタジオで
桃太郎の話しご存知ですよね?
佐藤所長「お腰につけたきび団子・・・」
物語の舞台と言われる地域が各地にあります。
犬目・猿橋・鳥沢(大月市)、桃太郎神社(犬山市)、桃太郎生誕の地(奈良)など。
岡山の桃太郎が一番有名です。

■なぜ岡山が有名?

・バスガイド奥野広美さん
鬼の住み家と伝わる場所へ
山の上に鬼の住み家と伝わる場所があります。
鬼ノ城(岡山県総社市)へ
城門は立派な作りで、敵の侵入を防ぐ城壁が築かれていました。
強大な力を持っていた鬼をどのように退治したのでしょうか?
10km先にある桃太郎の拠点・楯築遺跡へ
何枚もの大きな石の板は、桃太郎が矢を防いだ盾だといわれています。
2本の矢を同時に放つというアイデアで鬼を退治、鬼は鯉に化けました。
鯉喰神社とい社が鬼を退治した場所になっていました。
これが岡山に伝わる桃太郎伝説でした。

■モデルになった人物

吉備津神社へ
拝殿に、吉備津宮と書かれています。
ご祭神・吉備津彦命がモデルになりました。
「鬼城縁起写」室町時代推定
民の妻子を殺し、家畜を食べた
みかどは驚かれ第一の皇子を戦いに差し向けた
帝の皇子こそ吉備津彦命、奈良から吉備にやってきた将軍でした。

■吉備津彦命

家来にも共通点が。
楽々彦、犬養武、桃との深いつながりがありました。
孝霊神社(田原本町)に桃があります。
先の尖った古代桃です。

■桃のつながり
片岡慎二さん
古代桃(黒田古代桃)
現代の桃と比べて見ると大きさも形も大きく違います。
纒向遺跡からその証拠が発見されました。
2010年、3000個近い桃の種が見つかったのです。
邪気を払う特別な力があると考えられていました。

■地元の英雄伝説
桃太郎にそっくりな英雄伝説が長く語り継がれていたからでした。

■スタジオで
佐藤所長「桃太郎のモデルは皇子」
河合先生「ヤマトの彦五十狭芹彦命という名前でした」
佐藤所長「にわかに信じがたい話でどこまでが史実なんですか」
楯築遺跡は墳丘墓として日本最大級のお墓です。
伝承をうまく突き合わせて伝説が作られました。

■ナゾの山城・鬼ノ城

鬼ノ城、7世紀に作られた山城だとわかりました。
高さ6m、厚さ7mの2.8kmの城壁は土塁でした。
当時最先端の技術が使われた城壁、何千人もの人手がかかったそうです。
・平井典子さん
大和政権が中心となって国家的プロジェクトとして造られたと考えられています。
663年、大和政権が朝鮮半島に出兵、白村江の戦いです。
日本側は敗北、唐が攻めてくることを恐れた日本は全国に城壁を築きました。

■徹底した防衛力
斜面だから一気に攻められない、真っ直ぐ進めない容易に侵入できない作りでした。
不思議なことに気づいたといいます。
武器が出ていません。

■造られた別の目的
生活道具が殆どで武器が出土していません。
防衛以外に目的があった。
平井さんは、ヤマトが吉備の力を削ごうとしたのではないかと考えました。
仮想敵を作って恐怖感を植えて山城を作らせたという解釈をしています。

■ヤマトが恐れた吉備

吉備は、交易の要衝として栄えたからです。
その力を恐れたヤマトが吉備を追い落としを図ったという記述が日本書紀にあります。
5世紀に起きた田狭の反乱です。
朝鮮半島の新羅とつるみ反乱を起こしますが、すぐに鎮圧されました。
ヤマトから抑圧された吉備の歴史、ヤマトの皇子による鬼退治伝説にあらわれているといいます。
・松木武彦さん
鬼という怖さとリンクした。
吉備独特の地理的条件、その反映が伝説に生きているのかなと思います。

■スタジオで
佐藤所長「裏の史実が隠れている」
河合先生「トロイ戦争は伝承と思われていたのが発掘で出てくる」
昔話の桃太郎に話が移ります。
桃太郎の話いつできた?
佐藤所長「室町時代」
河合先生「倭寇、戦国時代も海外に進出した時代、宝を持ち帰る話が出来てきた」
いろいろなバリエーションが生まれました。
佐藤所長「桃から生まれた桃太郎でしょうよ」

■桃太郎研究家は中学生!

桃太郎の研究家に会いに千葉へ
倉持よつばさんは中学生です。
文部科学大臣賞を受賞したすごい人です。
福沢諭吉が桃太郎を盗人といっていました。
調べると、鬼ヶ島に行く理由が宝物を奪うためと書かれたものが多いということがわかりました。

■中学生の特別探偵 倉持よつば
佐藤所長「桃太郎ってそんなに種類があるの?」
「山行き型というのがあります。近くの山へ行って仕事をするという話です」
驚くような生まれ方がたくさんあるんだとか。
おばあさんが出産というのがあります。
「むかしむかしの桃太郎」(江戸時代)

■スタジオで
佐藤所長「なんでこんなストーリーになったの?」
河合先生「桃には食べると若返るという効果がありました」
箱から生まれた桃太郎というのがあります。
佐藤所長「箱太郎?」
青森県西津軽郡ではその箱をたんすにしまっておくと桃太郎が生まれました。
箱とか果物には空洞という共通点があるのがポイントです。
佐藤所長「どうしてバリエーション豊かになったの?」
「地元の民話と桃太郎が結びついて変わっていったのではないかと考えています」
よつば探偵、調べたりないことがあるといいます。
芥川龍之介の桃太郎についてです。
”桃太郎は山だの川だの仕事に出るのが嫌だったからである。
鬼ヶ島は楽土だった。平和を愛していた。桃太郎は罪のない鬼に恐ろしさを与えた”

■”悪人”桃太郎なぜ描かれた?

芥川はなぜこのような桃太郎を書いたのか?
・佐野明子さん
第一次世界大戦が関わっていることがわかりました。
南洋諸島の植民地統治に反論するため侵略者として桃太郎を描いたと思われます。
戦争の道を突き進んだ日本、戦争と結びつけて桃太郎を描く作品が多く生まれます。
芥川は悪人桃太郎を描くことで帝国主義日本を批判しました。
太平洋戦争末期、海軍省によるアニメーション「海の神兵」です。
犬・猿・キジは兵隊
山下・パージバル会議
アーサー・パーシバルに無条件降伏を迫る場面と同じような描き方がアニメにありました。
幅広い世代に訴えられるアニメが最適だったのです。
戦争の時代は敵に勝つ桃太郎を願っていた、生きた時代を知る手がかりになります。

■スタジオで
よつばさん、「このような戦意高揚に使われいたのが驚いたし悲しかった」
猿や犬が東南アジアの人々に日本語を教える兵隊のシーンです。
アニメとしての出来は傑作といわれています。
河合先生「人の心を動かすからプロパガンダになるのです」
佐藤所長「鬼とも仲良くしようという感じ、異形のものも恐れない」
河合先生「戦後、宝物はいらないという描き方に変わってきます」

ーーーおわりーーー

次回は「ヴェルサイユとマリ・アントワネット」9月21日(水)放送です。

■感想

前半と後半でまったく違った内容でした。
前半は、吉備津彦命と吉備津神社の話でしたので、歴史番組としては面白かったです。
鬼と言われた「温羅」が登場しなかったのは少し物足りなかったですが、まあいいでしょう。
しかし、白村江の戦いと吉備津彦命は時代が全然違うので、あまり関連性が無いということなんでしょうか。
つまり、山城・鬼ノ城と吉備津彦命は関係ないといいたかったようです。
そして後半がひどかった。。。
中学生を登場させ軍国主義は悲しいと、強制的に語らせる、いつもの自虐史観ネタをぶち込んできました。
さすがに、桃太郎に戦争を絡ませるとはおもっていなかっただけに、そこまでやるのNHKさん、という感覚ですね。
歴史番組ならもう少し学術的に取り上げてほしいですね。
まさにプロパガンダの代表です。

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