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コニャック短歌8.(exception、短歌のスピリットとしての今様)

後白河法皇(1127~1192)、第77代天皇。治世は保元・平治の乱、治承・寿永の乱と相次ぐ戦乱だった。二条天皇、平清盛、木曽義仲などと対立、幾度も幽閉される。壮絶なご生涯。和歌(短歌)を不得手とされ、白拍子、遊女、傀儡などの今様を愛好され、梁塵秘抄を編まれた。昼は一日中歌い暮らし、夜は一晩中歌い明かされたという。


『遊びをせんとや  生れけん

戯れ(たはぶれ)せんとや 生れけん

遊ぶ子供の声聞けば

我が身さえこそ ゆるがるれ』


政争相手の源頼朝をして、「日本一の大天狗」と呼ばしめた法皇だが、当時最下層の芸能民だった遊び女、白拍子、傀儡の民から直接、聴きとられ、習われたりされていた、破天荒なお方でもある。明日をも知れぬその日暮しの芸能民が、漂うような日々の暮らしや、風俗(性)、風流を無邪気な子どもたちの遊びに例え唄う心地に自らの生生流転の生き様を重ねられたのかもしれない。また今様はもともと地方神社の御神歌や俚謡であり、ご自分を“流竄の神々”と遊ばせておられたのかもしれない。また遊び女や傀儡などのなかには高い率で、巫女がいた。霊力あるシャーマンたちとの秘密の交流が法皇の卓越した政治力の秘鍵かもしれない。

後白河法皇、白拍子、遊び女、傀儡の民に献杯!



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