夏伯爵詩集
扉を叩いているのは
どなたですか
窓の向こうに
覗き込むのは
誰ですか
私には見えない
私には聞こえない
気配のみ
偶然の
光の重なりの姿で
何ものかが
私たちを
訪っています
私たちの
身体の血のざわめきが
引き潮のように
退いてゆくにつれ
彼らは
すぐそばに
やって来ます
私たちの目的は
いったい
何だったのでしょう
私たちは
いったい
何を
置き忘れて
いるのでしょうか
おそらく
私たちの血の奥深く
私たちの霊的記憶のどこかに
取り残されている
子どもたちが
ずっと私たちを
見つめている
のかもしれません
■ドビュッシー“前奏曲集、第1集4、音と香りは夕暮れの大気に漂う”、金子一朗を聞きながら。
■画像はヤフー、文字画像より。
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