見出し画像

冬大佐詩集

雷か
雪を孕んだ
不穏な
雲の下
市街に出た

図書館で
ある霊能者の
本を借りた

老人たちも
若者たちも
子供と親たちも
迫りくるクリスマスの気配に
満ち足りている

曇りの日の街歩きも
沈黙の記憶を
鈴のように
鳴り響かせていて
いいものだ

夜から
雨だ
あっという間に暗くなってきた

ベージュ色の
村に帰ろう

日本文明としての最期の冬


■画像はヤフー曇天の都市画像より。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?