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冬大佐詩集

これから
何年か後に

私はこの家を捨てて
着の身着のまま
歩いて旅に出るかもしれないと
思うともなく想っています

そして
道道で同じような人々と出会い
旅を共にしているかもしれない
その頃には街からも人影が消えて
十人くらいの仲間とともに
街から街へと
歩き旅を続けてゆく

それもまた
最高にいいなと
思えるんです

きっと
そのような日々が
日本中で
始まると
思うんですよ

いや、もう
始まっているかもしれない

死んだことにも
気づかないで
青空に溶けてしまった
人々の群れが
まるで疎開列車のように
あの瑞風に
山のようにすがりついて
自分を尋ねる旅が
始まっているに
ちがいない
いつもの初冬じゃない
感じです

これから
何年か後に
いや明日にでも
いっしょに
でかけませんか


■画像はヤフーセピア色旅画像より。

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