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族長の時代 6. 〜族長マーケティングで民族再統合〜

令和元年から数年、お茶の生産者全国団体のマッチング専門委員をさせて頂いた。様々な異業種と茶葉の組み合わせによって爆発的な需要拡大を狙う試みでバックにいる農水省には好評だったが、前のめりになる茶産地や自治体は見つからなかった。茶の業界は茶葉の生産者だけでなく製茶〜販売会社、茶道家元などとの多重構造であり、数百年に渡り茶商と呼ばれる後者が生産者を支配搾取するという前近代的な慣習と構造のため、世界的な日本茶ブームにも関わらず国内の茶生産者には陽がささないどころか、中国による偽装日本茶や国内大企業による海外茶畑生産により、急激な衰退にさらされている。そんな状況に風穴を開ける作戦として特に京都宇治の総理大臣賞など天皇3賞を総なめにした生産者チームの緑茶が、欧州に強力なブランドネットワークを持つ京都のミシュラン料理人によってサンプルがその筋に提供され、限定的ではあるが、本物の日本茶ショックを与えた。中でもイタリアでは早速その日本茶を輸入する会社が設立され、社長の日本人妻が京都に乗り込んできたほどだ。華道池坊ブランドのお茶、グッチのお茶、中国国家的陶磁器ブランドのお茶、人間国宝ブランドのお茶等々。目まぐるしく企画提案〜コーディネートを進めたが、団体側がついて来られず、私を採用してくれた当時の専務理事には様々な圧力がかかり、プロジェクト終了後には入院されて手術を受けられた。
そのような状況の中で、いわゆるアイドルブランド化による数十万から数百万人ものファン層そのものを巨大市場化する、特に農業産地〜名人生産者にアイドル、俳優、スター存在をマッチングする企画を老舗の芸能プロダクションO社のプランナーと企てた。吉本興業などによって、中身があまりないが、津々浦々の自治体大使企画となっているが、もう少しエモーショナルに本格的に数百万人のファンを持つスターが茶栽培や製茶〜ブレンド(合組み)に関わり生産者と苦楽をともにする物語〜ドラマナイズすることで、その産地と茶ブランドは伝説〜神話化するはずだ。マッチング委員会解散後も、おりにふれてO社のプランナーの方とは御縁があったらが、今は創業者会長の秘書となられており、もう一度アイドル、スター=族長ブランドのお茶を仕掛けることにする。あの頃には“ロバート・デ・ニーロのお茶”企画を本気で追いかけてハリウッド俳優組合と連携していた吉本興業にもアプローチしたが、ごたぶんにもれず日本からアメリカヘの生意気な提案などには聞く耳持たれなかった。世界中のかつて先進国と呼ばれた国という国が、身勝手なグローバリスト様の都合で産業が衰退し国民が貧しくなり、狂信的な軍需産業グループや人口削減グループをコントロールできなくなった今、それに逆らっているグローバルサウス勢力をも道連れにされつつある。農作物を輸出しようにも、ゆとりある富裕地域はもう無い。ところがこの数十万人〜数百万人のファンを日々インスパイアする日本の“族長達”が農作物産地や日本酒、ワイン、ウイスキーのようなシンボリックな世界に染まってゆくことで、忽然と昨日まで何もなかった場所に質的量的世界的ブランド産地が誕生することになる。

日本にも世界にも世代まるごと人々を魅了し、時代の象徴〜青白き伝説となったスターや作家、ミュージシャンが輩出している。彼らは時代霊、民族霊を帯びている。その数億人に及び数世紀にまたがるエネルギーを日本酒日本茶の産地工房に彼らの人生まるごと注ぎ込むことで農業は文化産業としてよみがえるのは間違いない。


例えばO社ならば後藤久美子が日本茶の世界に染まり、彼女の茶畑があり彼女がブレンドした極上の宇治茶があれば国内と欧州に深い文化性を持つ富裕層ファンが数カ月でできるだろう。さらには羽生結弦や大谷翔平なども、やがて全盛期は過ぎて体力や容貌が変化するにつれて今の立ち位置にはいられなくなるのは間違いない。だから全盛期の今から、茶畑や酒蔵、ワイナリーを所有して、輝ける族長エネルギーを注ぎ込んで、老いることのない、死後もまた伝説として今の姿を留めておけるブランドラベルを創り始めなければならないのだ。そのような蒼白き偶像を何人も輩出することで芸能プロダクションも農業も再び王国となれるはずだ。イニシャルコストのギャラをどこから捻出するかをまた農水省勉強会でやるかな。

数十万人〜数百万人〜数億人と人種を越えて人間をインスパイアする者たちを族長と呼びたい。マネーやイデオロギーでなく、愛し合い子を生み家庭を営み地域〜社会〜國〜公共性〜霊性〜神性へと至る流れを産み出すものこそ、産業と呼ばれるべきであるのではないか。そのためにこそ族長達=人間を魅了しインスパイアする力を持つ星たちをまずは農業の中でも象徴的文化力を持つ茶の領域に接続すること自体が神話的なプロジェクトと思う。



■画像はヤフー、アメノウズメ神画像、幻想的にな茶畑画像より。

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