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走りながら思想しよう 26.

年内最後の東京行は年明けとなり、京都に向かっている。まだ日が昇らない廃商店街を自転車で走っていると懐かしい味噌汁の匂いがする。駅で猿田彦コーヒーを買い在来線でゆっくり向かう。東京でなく京都だと何かほっこりした気分だ。ようやく山並みから太陽が顔を出した。
究極の食糧備蓄としての発酵肉開発ヘの農水省助成金の可能性は依然としてあるが、岡山北部津山圏では保健所のチーム化のハードルが高すぎ、K教授も市第3セクターの常務も打つ手なしの状況。津山を発酵肉産地圏として、発酵肉の食分野研究圏として、京都をハブに北陸関西地方に協力ネットワークを作ることでブレイクスルーしたい。
まずは京都ミシュラン料亭オーナーを訪ねる。オーナーは福田赳夫元総理の最期の料理を担当された方で、欧州から中国までブランドや富裕層に豊富な人脈、顧客を持たれる。料理人以前に実業家なので、フランスに葡萄畑とワイナリーを所有、京都の道路を6000万円ランボルギーニで走る。
K教授も大学に大きな変動があり、少し事態が落ち着くまで私の活動に任せ事後承諾で良いとの事。姫路駅で草津行き新快速に乗り換える。まもなく古代吉備王国の東限とされる加古川だ。発酵という微生物神の領域の為、研究室の中でなく土地に根ざした畜産業、狩猟家、料理人、主婦、管理栄養士の方々の集う和気あいあいとした発酵肉工房のようなものを構築したい。東京農大で発酵を専攻されたK教授も東本願寺の僧籍を持たれる方なので、私の構想では、そろそろ本願寺ブランドの食糧備蓄モデルに着手したいと感じている。東南アジアや中国南部からインドにかけて、ほぼすべての民族が発酵肉の文化・技法を継承している。縄文文化期には日本にもあったはずの、生きるか死ぬかの技がなぜか日本では失われた。それは霊性の変質や喪失に比例しているかもしれない。地方創生、産業革新、グローバルに通用する発創などヘの日本民族の再出発は急速に失われつつある霊性の再獲得にかかっている。

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