冬大佐詩集 ⅱ
闇の中
凍える風を切って
走り続ける
UberEatsの諸君
君たちに共感し
君たちに故郷の光と熱を贈りたい
闇の中
凍りつくような夜を突き抜けて
走り続ける
深夜の貨物列車の運転手の諸君
君たちに共感し
君たちに故郷の家族の灯りを贈りたい
闇の中
凍えるような死病の夜に身をさらし
走り続ける
救急車の運転手と救急隊員の諸君
君たちに共感し
君たちに命の故郷を贈りたい
そう
君たちの背後から
朝日が昇り始めるから
暗闇の中で
限りなく多くの人々が
君たちにエール贈っていることを
知ってほしい
■中島みゆき、”ヘッドライト・テールライト”を聞きながら。