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シメパフェを流行らせた、人間心理を巧みについた2つのマーケティング

セールスコピーライターの野口です。

シメパフェってご存知ですか?

シメパフェとは、僕の暮らす北海道札幌市で2015年頃から始まった比較的新しい文化で、その言葉の通り「締めにパフェを食べること」です。

札幌の中心地ではシメパフェ文化が根付いていて、すでにススキノ中心部には20軒以上のシメパフェ専門店があります。また、氷点下0度以下の真冬にも関わらず、店舗の外で行列ができている様子も見受けられます。

では、なぜ、シメパフェがここまで根付いたのでしょうか?

もちろん、インスタ映えするとかオシャレな雰囲気を味わえるといった理由もあると思います。

しかし、それ以上に、人間心理を巧みについた2つのマーケティングが施されていると僕は考えています。

1.女性のシメ需要が空いていたから

1つ目は、女性のシメ需要が空いていたからです。

男性であれば、飲み会帰りに締めのラーメンに行くという文化は昔からあります。

僕自身、会社の飲み会の帰りに同僚とふらっと締めのラーメンに行くということは何度もありましたし、終電前のラーメン屋はどこも繁盛していました。

対して、女性は締めにラーメンを食べに行くでしょうか?

例えば、女子会の後、もしくは会社の飲み会帰りに女性社員だけでラーメン屋で締める人が果たしているでしょうか?

かなり少ないと思います。

締めにどこかへ行くとしても、深夜まで空いているカフェくらいしか選択肢がなかったはずです。

つまり、男性の締めマーケットはラーメンが担っていましたが、女性の締めマーケットはがら空きだったのです。

シメパフェはその空いた穴を埋めることができた。

「締めにどこか行きたいけどラーメンはちょっとね・・・」と感じている女性たちにピンポイントでハマったわけです。

まさに、新たなマーケットを創出したことになります。

2.文化だから甘いものを食べられるという言い訳を与えたから

2つ目は、文化だから甘いものを食べられるという言い訳を与えたからです。

女性は社会的な目もあるので、気軽に甘いものを食べにくいというムードがあるはずです(ありますよね?)。しかも、ダイエットをしている女性なら甘いものを食べると罪悪感があるので嫌だと感じる。

でも、食べたい。甘いものが食べたい。

さぁ、どうしたものか?

そんなムードの中、シメパフェという「文化」を作ることで甘いものを口にする言い訳が与えられたのです。

お店で提供されたパフェを食べるという行為ではなく、締めにパフェを食べること自体が文化として生まれました。

そのため、パフェという甘さの権化を口にしていても、「だって文化だからね〜」という言い訳ができる。

ダイエット中だけど、「文化だから今日は仕方ないよね」という言い訳や口実を与えることができたからです。

決して自分がパフェを食べたいから行くのではない、文化だから行くのだ。というムードが熟成されました。

このムードがあるおかげで罪悪感なく甘いものの食べられるというわけです。だって文化だし。

ということで、あらためてまとめると、

  1. 男性はラーメンで締める文化があったが、女性の締め文化がなくマーケットが空いていたから

  2. 文化にすることで、甘いものを食べるという口実や言い訳を与えることができたから

の2つです(あくまでも考察の域に過ぎませんが)

ということで、「シメパフェを流行らせた、人間心理を巧みについた2つのマーケティング」でした。

札幌に来た際にはぜひ締めパフェをお楽しみください。

本日は以上です。

追伸

ちなみ、シメパフェは男性にも流行っていて、40、50代のおじさんグループもいたりなんかします。「昭和の男だって甘いものが食べたい!」というあまり大々的に言えないような欲求も、文化に落とし込むことでうまい具合に拾えていますよね。



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