能力、適性関係なく最終追い切り良く見えた馬(スプリンターズS)
能力、適性関係なく最終追い切り良く見えた馬(スプリンターズS)
ママコチャ
ナムラクレア
ナランフレグ
キミワクイーン
エイシンスポッター
次点で、ウインマーベル。
未見は、ジャスパークローネ。
何か走りづらい事情でもあるのか、栗東坂路で追い切った馬の多くが真っ直ぐに走れないという事態。テイエムスパーダなんか、鞍上の富田暁が合図を出してからものすごい前進気勢を見せるのだが、二度三度と躓きかけるし、右へ飛び左へ飛びするし。マッドクールも、時計はしっかり出ているけれど、コース真ん中から内ラチまで斜行。福永技術調教師鞍上のピクシーナイトも、上記2頭ほどではないにせよ。ドルチェモアなんか明らかに気負っているし、ナムラクレアやアグリも例外ではない。シリウスSの追い切りを見ると、別段そんな馬ばかりなわけではないので、走りづらい事情があるわけではないのだろう。どの馬もその馬なりに気負っているのだと思う。こんなところからも、G1シーズン到来だなあ、と思う。
その中にあって一番良かったのはママコチャ。
将雅が鞍上なので割り引く必要はあるが、相対的に真っ直ぐ登坂できていた。特に追うことなくゆうゆうと先着。1F11.6はこの日栗東坂路の最速。前肢がガニ股気味なのが個人的には好みではないが、状態はまず間違いなく良いと思う。
ナムラクレアも栗東坂路。
いつも通りに長谷川調教師が鞍上での仕上げだが、普段見せる素軽さよりも、力強さが目立つ。別段強く追っているわけではなく、1F11.7。いい動きといっていい部類なことは間違いないが、少しいつもと違う。
栗東坂路ではあとエイシンスポッター。
こちらは気負っている印象もなく、真っ直ぐな登坂。時計は目立つものではないが、見た目の印象は悪くない。
あとは美浦南Wで追い切った馬。ナランフレグはキーンランドCの1週前、ラーグルフと併せた追い切りが非常に良く見えたが、そのときから好調を維持している印象。手前替えもスムーズで、キビキビと動いている。
キミワクイーンは、非常に素軽い動き。ウインマーベルも、この馬なりに軽さを感じさせる動きだった。
さて、何となく展開予想をしてみる。
前に行きたい馬が多い、今年のスプリンターズS。前哨戦で勝ったテイエムスパーダ、ジャスパークローネを筆頭に、モズメイメイ、マッドクール、場合によってはアグリ、引っ掛かればメイケイエールまでもが前に行ってしまう。
逃げ馬候補はテイエムスパーダとジャスパークローネ。この2頭は逃げられないと競馬にならないところがあるので、何がなんでも行きたいところ。そうすると必然、ペースは流れると見る。
ではこの2頭、加えモズメイメイあたりが競ったとして残ることができるかというと、なかなかに厳しい。
テイエムスパーダが勝ったセントウルS、ジャスパークローネが勝った2レースの内CBC賞、モズメイメイが勝った葵Sはいずれも後傾ラップ。要するに、逃げてはいるのだけどハイペースで飛ばし、後続の足を奪って逃げ切ったわけではなく、途中息を入れ加速して勝っている。時計自体は速くても、ペース配分からすればスローと言ってもいい。ジャスパークローネが勝った北九州記念は前傾ラップだが、下り坂から平坦なコースの小倉競馬場。直線急坂のある中山競馬場とは、コース形態が大分異なる。
先行馬が競ってペースが速くなる、と想定するならば、その馬たちが残るのは、これまでの勝ちパターンからして厳しい部分があると見るのが基本かな、と思う。
そうすると、狙いたいのはやはり差し馬。上がりの速さを持っている馬になってくるだろう。さらにいえば、インコースを通れる枠順の差し馬。
例年の馬場状態から考えると、どうしてもスプリンターズSはイン有利になる。オールカマーである程度フラットな馬場に見えたのは、金曜日までの雨の影響でそれまでより時計が掛かるようになった点が大きいと個人的には思う。なお、グリーンチャンネル発表の馬場差では2000m基準で、24日の馬場は17日の馬場と比較し1.2秒遅くなっている。
週中雨が降らないならば馬場は回復し、勿論時計が出るようになる。23日に重、稍重、24日も5Rまで稍重で競馬が行われた結果、インも掘れて来ているので17日ほどの速さには戻らないにしても、24日よりは恐らく速くなる。そうすると、24日以上にはイン有利のバイアスが出てくるだろう。
以上から、基本的な狙いはインを通れる差し馬。できれば5枠までに入った馬を狙いたい。
注目馬はアグリ、ナムラクレア、ママコチャ。
セントウルSで新境地を見せたアグリは狙い馬の条件を満たす可能性があるし、そもそも安定して成績を残しているナムラクレアも同様。
ママコチャは調教における動きの良さが光る。ただこの中で1番心配なのもママコチャ。気が入りやすい馬なので、ハイペースで折り合いを欠き、先行勢と競ってしまうとそこで終わりの可能性がある。具合がいい分動けてしまい、引っ掛かる可能性は押さえておきたい。
将雅なのでなんとかするとは思うが、レースではテン乗りというところも気になる。あと、阪神の将雅を買わない理由は一切ないが、中山ではそこまででもない。
穴候補で狙いたいのははキミワクイーン、ウインマーベル、ナランフレグ。状態の良さが見られるので、枠と展開次第では。ウインマーベルとナランフレグは昨年の2、3着馬で、昨年はインから差している。キミワクイーンは、持ち時計で1分7秒台がないのが気になるところ。とはいえ、中山の武史くんは阪神における将雅とまではいわないが、買わない理由がない。
あとはマッドクールかな。上手いこと、先頭争いの後ろ辺りにつけて折り合えれば、この馬は速い時計を持っている。やはり調教でかなり気負っているように見えた点がどう出るか。
9/28追記
一頭だけ木曜追い切りで未見だったジャスパークローネの最終追い切りを見ました。
結論からいえば、非常に良かった。ママコチャと並ぶかというくらい良かったと思います。
この馬の最終追い切りは北九州記念でも高く評価しましたが、その好調が持続している印象。軽快で、速い。
色んな人が言っているように、ジャスパークローネとテイエムスパーダで比較すれば、テンの足はジャスパークローネのほうが速い。まー、それこそ北九州記念からしてその事実は明らかなわけで。
もし、ジャスパークローネがテイエムスパーダを楽に振り切れたりすれば、ひょっとして……なんてことも考えてしまいますね。ただ。
CBC賞、北九州記念と同じ戦法で勝ちきっているのだから、そう楽に行かせてもらえるとは考えない方がいい……かな。
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