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【怖い話】寝る前に読む話


はじめに

怖い話に需要があるのは、刺激的な擬似体験を求める人達が一定数いることを示しています。

私の場合、幼少期に従兄弟から会うたびに怖い話を聞いていたことがきっかけになり、足を踏み入れましたが皆様にも何かきっかけはありましたか?


私は怖い話を聞くとき、それが本当にあったことなのか、作った話なのか凄く気になります。

当然、作った話のほうが怖くなる可能性が高いのですが、話の中で矛盾ができたり、話した後の質問への回答、話し方や話す順序を決めることが難しい。
どうしても何処かで聞いた話をベースにするしかないため、似た話を聞いたことがあると言われてしまうことが多く、私は怖い話を作ることがあまり得意ではありません。

そんなの気にせず、ただ単に怖い怖いと楽しめれば良いのですが無駄に生真面目な性格で損をしていますね。

そんな私は怖い話の原案を自分で作って、それを体験して本当の体験にすることで【怖い話】として確立し、自己満足しています。

今回は私が怖い話を作るために体験した【怖い話】をします。

恐怖体験をした現場

私は今30代ですが、今から10年以上前、新米の営業マンとして毎日辛い日々を送っていた時期がありました。
全然契約が取れず、ストレスで吐いたり、会議で怒鳴られたり…

寝る前は『明日なんて来なければいいのに。』と思っていたある日、私はあることを思い付きました。

病院に入院すれば会社に行かなくて済むのではないか?
あわよくば、長期入院してそのまま会社都合で退職できるのでは?

その5年後以降、営業マンとして社内一の成績を何回も収めることになるとは露知らず、当時の私は物凄く愚かなことを本気で考えていました。

そこで、どうすれば入院できるのか、できるだけ長く入院できて、出来れば辛くない入院する方法は何かと調べたところ精神病の存在を知りました。

学生時代は周囲にいてくれた人達のお陰で運良く心身ともに元気で過ごせてきましたが、社会人2年目の私は精神病と言われてもすぐに受け入れてしまうほどに追い詰められていました。


唯一の不満と心配事は携帯電話を取り上げられる可能性と入院にかかる費用。
入院の費用については自分で加入していた医療保険(入院と手術で給付が受けられる入院保険)で余裕ができることを知りましたが、携帯電話なしの暇な時間ができることに恐怖しました。

とはいえ、会社のことを考えただけで吐き気がしたりお腹が痛くなる私には猶予がなく、仕事を休んで病院にかかることにしました。

私の思惑通り、すぐに入院が決まりました。『自◯したい』とか、『一人でいると危ない』とか、自分なりに拙い言葉で説明したつもりが、実際は自分で何を言っているかも分からない錯乱状態でした。

当初は入院したいがために医師の前で演技をしようとしていたはずが、実は本当に危ない状態であったことを思い知らされ凄くショックを受けたことを今でも覚えています。

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