見出し画像

【高松宮記念(G1)回顧~その先へ】血統篇

【今週のスケジュール】
26日(火)07:00頃 日経賞、毎日杯、マーチS、高松宮記念
                     の回顧~日刊馬番コンピ篇
27日(水)07:00頃 日経賞、毎日杯、マーチS、高松宮記念の回顧~血統篇
28日(木)07:00頃 日記「術はあるⅡ~その先へ」
29日(金)07:00頃 ダービー卿CT、大阪杯の「徹底的に攻略データ篇」
30日(土)07:00頃 ダービー卿CTの「予想篇」
30日(土)19:00頃 ダービー卿CTの「回顧篇」
31日(日)07:00頃 大阪杯の「予想篇」
31日(日)19:00頃 大阪杯の「回顧篇」
1日(月)07:00頃 ニュージーランドT、阪神牝馬S、桜花賞
                 の「日刊馬番コンピ指数分析予想篇」
個人的に何もなければ、上記通りに更新されます。

【高松宮記念の結果】
レース(前半3ハロン34秒9/後半3ハロン34秒0/スローペース)は、好位追走から直線で抜け出し、ゴール前の接戦も制したマッドクール(6人気)が、内から脚を伸ばして最後に並びかけたナムラクレア(2人気)にアタマ差をつけ優勝。さらに3馬身差の3着にビクターザウィナー(5人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、中京競馬場リニューアル後の2012年以降、1番人気が【2-1-3-6】と安定感を欠き、2~3番人気が【5-7-3-9】と高値安定の成績。今年は1人気ルガル10着敗退、2人気ナムラクレア2着入線。

血統面からみると、「父と母父がともに非サンデー系」に注目。出走馬18頭中8頭内2頭(1着マッドクール、3着ビクターザウィナー)が馬券に絡んだ。更に「父か母父米国型ノーザンダンサー系」に注目。出走馬18頭中4頭内1頭(2着ナムラクレア)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、中京芝1200mは3コーナーの手前から下り坂が続き、自然と速いラップが刻まれやすい。そのうえ、最後の直線距離が長く、急勾配の坂も存在するため、しまいの脚力の要求度が高いコース。

【血 統 傾 向】
持続力・パワー型レース!?
(スピードよりもパワーの有無が問われる)
父と母父がともに非サンデー系の馬が良い!?
父 か 母父 米国型ノーザンダンサー系、米国型ナスルーラ系
父ミスプロ系(大系統)

近5年1着〜3着の父、母父の系統

2024年
1着マッドクール
父Dark Angel(ノーザンダンサー系/欧)×母父ヘロド系/欧
2着ナムラクレア
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着ビクターザウィナー
父Toronado(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2023年
1着ファストフォース
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラー系/欧
2着ナムラクレア
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着トゥラヴェスーラ
父ドリームジャーニー(サンデー系/日)×母父ナスルーラー系/欧
2022年
1着ナランフレグ
父ゴールドアリュール(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2着ロータスランド
父Point of Entry(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
3着キルロード
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラー系/欧
2021年
1着ダノンスマッシュ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2着レシステンシア
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着インディチャンプ
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2020年
1着モズスーパーフレア
父Speightstown(ミスプロ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2着グランアレグリア
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ナスルーラー系/米
3着ダイアトニック
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日

【高松宮記念 血統背景】


マッドクール(牡5、栗東・池添学)は、父Dark Angel×母Mad About You(母父Indian Ridge)。シルバーフラッシュS(愛G3・芝7F)3着アマシェールの半弟で、愛セントレジャー(愛G1・芝14F)勝ちロイヤルダイヤモンドの甥。母マッドアバウトユーはグラッドネスS(愛G3・芝7F)に、母母イリジスティブルジュエルはリブルズデイルS(英G2・芝12F)に勝った。父ダークエンジェルはシュバルツカイザーやダークペイジなどの父で、日本向きの柔らかさや軽さも備えた父系。スプリンターズSでは内々を立ち回り惜しい2着。重実績があるのも心強い。

前走の香港スプリント(G1・芝1200㍍)は8着に敗れたが、初めての海外遠征で条件としては厳しいものがあった。今回はそれ以来のレースとなるが、間隔を空けてのレースには慣れており、自身の能力は発揮できる。

同馬は、スタート良くポンと出て好位のイン追走。4角辺りでは最内を突き、坂上で先頭に立つとナムラクレアの追撃を凌ぎ切ってゴール!? Dark Angel産駒は現在、JRAに6頭の現役馬がいる。産駒の通算勝利25勝中15勝を1200㍍であげ、函館3、福島3、小倉4勝の小回り巧者。同馬も条件戦時代に小倉で1:06.9を記録。決着時計に幅があるのはスプリントのチャンピオン級の証でもあり、まだまだ秋も主役の1頭!?

ナムラクレア(牝5、栗東・長谷川浩大)は、父ミッキーアイル×母サンクイーンⅡ(母父Storm Cat)。ナムラムツゴローの3/4妹。3代母クードジェニーはマキャベリアンの全妹の仏2歳女王で、子孫にバゴやファンディーナなど活躍馬多数の名繁殖でもある。父ミッキーアイルはマイルGIを2勝したディープインパクト産駒で、メイケイエールやララクリスティーヌなど牝駒が走ることで有名。本馬はスプリンターとしては走りがしなやかなのもメイケイエールと似ている。相変わらず高性能で、負けたときも強いケイバをしている。道悪も巧いのでここも引き続きチャンス。

昨年の高松宮記念では1馬身差の2着と、あとわずかのところでGⅠタイトルを逃した。不良馬場での好結果だけに、馬場状態に左右されない点は強みと言える。今年こそ、念願のビッグタイトル獲得を果たしたい。

同馬は、直近3走のなかでは抜群のスタートで無理せず中位のイン追走。4角辺りラチ沿いを進出し、よく伸びてはいるが勝ち馬に迫るもアタマ差まで迫り2着。スプリントG1としてはスローの後傾ラップのなか、重馬場を差し引いても、流れは先行勢のもの。溜めて伸び、2着に入ったのは同馬のみだけに、再度秋に期待!?

ビクターザウィナー(セ6、香港・C.シャム)は、父Toronado×母Noetic(母父Cape Cross)。牝祖ナイトアンドドリームズの子孫にセーネオワーズ賞(仏G3・芝1200m)のディープスリープやスワニーリヴァーS(米G3・芝9F)のエリーシエズワールドがいる。父トロナドはサセックスS(英G1・芝8F)に勝ったマイラー。本馬はサドラーズウェルズ≒ヌレイエフ3×4とオールウェイズフェア≒グリーンデザート4×3で、グリーンデザートが強いスプリンター。スタートが速く控えるケイバもOKで、香港スプリントは見せ場十分の4着だった。渋った馬場は巧そうだ。

抜群のスタートセンスとダッシュ力が大きな武器。2走前には敗れたとはいえ、1000㍍のG3でもハナを奪った。レースでは初めてとなる左回りがポイントだが、管理するC.シャム調教師は“調教では右回りよりも上手”と本馬を評しており、左回りであることを今回の参戦の理由として挙げている。

同馬は、スタートダッシュを決めてハナへ。道中は若干外側のコース取りで、4角を回り、直線で外へ出して逃げ込みを図るも、上位2頭には交わされて3着確保。リョン騎手が馬場傾向をもう少し掴めていれば?? 仮に、最内を譲らない姿勢があれば…。香港馬の短距離のレベルは高いのを、再確認。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?