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【みやこステークス(G3)回顧~その先へ】血統篇

【みやこSの結果】
レースは、スタート一息で中団後方からのレースとなったセラフィックコール(1人気)が、直線で外から一気に突き抜け、2着メイクアリープ(6人気)に3馬身差をつけ優勝。さらに3/4馬身差の3着にウィリアムバローズ(2人気)が入り、ほぼ本命決着!? 

傾向面からみると、まずは「前走太秦S1~4着馬」が激アツで、昨年も太秦S1着ハギノアレグリアスが2着。今年は太秦S2着タイセイドレフォン(12着)、同4着マリオロード(8着)。次に「差し・追い込み馬」が決まりやすいのも特徴で、今年3歳馬セラフィックコール(1着)が該当。最後に「幸騎手」が爆穴馬券を連発する相性抜群のなか、今年の騎乗馬メイクアリープ(6人気)で2着入線。

血統面で、「父米国型」に注目。出走馬16頭中8頭内2頭(1着セラフィックコール、2着メイクアリープ)がワンツー決着。次に「ロベルトの血を持つ馬」に注目も、なかでも「母父欧州型ロベルト系」に注目すると、出走馬16頭中1頭内1頭(3着ウィリアムバローズ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、京都競馬場ダート1800㍍コースはスタンド前から発走し、馬場を1周と約200㍍。スタートから最初のコーナーまでの距離が比較的短いのでタフな流れになることが多い。

【血 統 傾 向】
ロベルトの血を持つ馬
デピュティミニスターの血を引く馬

2023年
1着セラフィックコール
父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
2着メイクアリープ
父シニスターミニスター(ナスルーラ系/米)×母父サンデー系/日
3着ウィリアムバローズ
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2022年
1着サンライズホープ
父マジェステックウォーリア(ナスルーラ系/米)×母父サンデー系/日
2着ハギノアレグリアス
父キズナ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着オメガパフューム
父スウェブトオーヴァーボード(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
2021年
1着メイショウハリオ
父パイロ(ナスルーラ系/米)×母父サンデー系/日
2着ロードブレス
父ダノンバラード(サンデー系/日)×母父ファイントップ系/欧
3着アナザートゥルース
父アイルハヴアナザー(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
2020年
1着クリンチャー
父ディープスカイ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2着ヒストリーメイカー
父エンパイアメーカー(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
3着エイコーン
父フリオーソ(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2019年
1着ヴェンジェンス
父カジノドライヴ(ナスルーラ系/米)×母父サンデー系/日
2着キングズガード
父シニスターミニスター(ナスルーラ系/米)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ウェスタールンド
父ネオユニヴァース(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米

【みやこS 血統背景】

セラフィックコール(牡3、栗東・寺島良)は、父ヘニーヒューズ×母シャンドランジュ(母父マンハッタンカフェ)。牝祖モーンオブソングはラーイの全妹で、グロリアスソングにさかのぼる名牝系。母母ハルーワソングの産駒にマーティンボロやフレールジャックが、孫にシュヴァルグランやヴィブロスやヴィルシーナが、曾孫にブラヴァスやディヴィーナがいる。ヘニーヒューズ×マンハッタンカフェはハヤブサレジェンドやガンケンなどと同じで、コンスタントに上級が出ている組み合わせ。530㌔程の大型馬ですが、コーナリング性能の高さが他とは長けていて、3~4角で一気に先団に取り付けるのは魅力で、4戦4勝と底を見せていない3歳で、母がヘイロー3×4だけに捲るときの脚が速い。

デビューから4戦全勝。粗削りなレース運びながらも、4戦連続でメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)をマークしている。過去12回の本レースで3歳馬は2着(3回)が最高。本馬が3歳馬による初Vを狙う!!

同馬は、ゲートが悪く、初手で位置をとれない11番手。いつもは向こう正面でグッと位置を上げるも、今回はペースが速く捲れず。手綱を動かしても位置を上げることができず、4角11番手というこの馬にとって最も後ろの位置で直線を迎えるが、直線を向いてから一気に突き抜け優勝!?_ 次走・チャンピオンズカップでも期待したい!!

メイクアリープ(牡4、栗東・大根田裕之)は、父シニスターミニスター×母スペシャルクイン(母父スペシャルウィーク)。このレースを制したヴェンジェンスの半弟。父のシニスターミニスターに母父スペシャルウィークは気持ちに左右されやすいタイプ。前走の太秦Sはハイペースを逃げて案外。思ったよりも踏ん張れなかった印象ですが、休み明けを考えれば度外視でも?? 京都より阪神の方がいいが、息を入れられるレースが出来れば十分通用。

前走は1番人気で5着。キャリア10戦目で初めて3着以内を外したが、堅実さは重賞でも通用するはず。2019年の本レースを制した半兄ヴェンジェンス(父カジノドライヴ)に続く兄弟制覇もかかるだけに要注目!?

同馬は、初角5番手という位置でレースを進め、最後はバテてる中、粘り切っての2着入線。スムーズに先行する競馬ができるタイプで、多少、ペースが速くても粘り通すことができるタイプだけに、今後も重賞で期待したい!?

ウィリアムバローズ(牡5、栗東・上村洋行)は、父ミッキーアイル×母ダイアナバローズ(母父シンボリクリスエス)。イチブンの甥で、母ダイアナバローズは紫苑S勝ち馬。牝祖フルールロワイヤルは愛オークス2着。母母チッキーズディスコはミルリーフ2×3で芝中距離の重厚な斬れを伝えている。父ミッキーアイルはマイルCS勝ち馬で、牝駒はメイケイエールやナムラクレアのような才気溢れるスピード型が出るが、牡駒はパワーに振れやすくデュアリストのようなダート巧者も多い。昨年のみやこSは前崩れになり大敗。戦績通り中山や阪神などゴール前急坂のあるコースの方が良さが出るタイプ。
ラジオ日本賞優勝馬で、マーチS2着馬。3歳夏の初勝利から6戦で5勝をあげてオープン入りを果たした素質馬で、その後はオープン級の壁に苦しんでいたがキャリアを積みながらペースにも慣れてきた。逃げるのがベターだが、逃げなくても競馬ができる馬。

ベストが逃げる競馬、前につける競馬。ダート戦〔6-4-0-1〕の成績で、唯一連対を外したのが昨年のみやこS(14着)。前走のオープン特別・ラジオ日本賞(中山・ダート1800㍍)は、昨年の2着から見事、反撃Vを飾った。同じローテで1年前のリベンジに燃える!?

同馬は、外枠で他に前に行きたい馬が多くいたため、前につける競馬ができず5番手辺り追走。常に外を回り続けるロスは最後の伸びに影響し3着まで。展開に左右されず、力を出すには好位の後ろから自在に動ける位置取りをマスターできれば、要注目!?


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