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【根岸ステークス(G3)回顧~その先へ】血統篇

【根岸ステークスの結果】
レースは、道中先団の後ろにつけ、直線で悠々と抜け出したエンペラーワケア(1人気)が、2番手追走から食い下がったアームズレイン(6人気)に2.1/2馬身差をつけ優勝。さらに1/2馬身差の3着にサンライズフレイム(2人気)が入り、ほぼ本命決着!?

傾向面からみると、まずは「差し・追込が過去10年で9勝」と差し・追い込み馬が独占も、今年は1~5着馬すべて逃げ・先行馬。次に「距離短縮馬」が[7-4-5-31]複勝率34%のハイアベレージも、4着ヘリオス(前走・ダ16G3武蔵野S10着)が該当最先着馬。最後に「戸崎騎手」過去10年で8回騎乗して4連対と相性抜群で、今年は初の1400mで距離短縮馬でもあるパライバトルマリン(9着)で敗退。

血統面からみると、「母父ミスプロ系(大系統)を持つ馬」に注目。出走馬16頭中8頭内3頭(1着エンペラーワケア、2着アームズレイン、3着サンライズフレイム)でワンツースリー決着!! また、「バテにくい持続力とパワーに恵まれたストームバード系の馬」に注目する。4代系統で出走馬16頭中5頭内2頭(1着エンペラーワケア、3着サンライズフレイム)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、最後の直線が長いコースで行われるダート重賞とあって、速い上がりでの好走経験を持つ馬が存在感を発揮する傾向が強い。上がりの脚を重んじる前提ならば、馬混みで窮屈な競馬を強いられがちな内めよりも、スムーズに加速しやすい真ん中より外(5~8枠)を優先。

【血 統 傾 向】
ダートのなかでは、芝指向の血が活きる!?
父か母父がサンデー系(大系統)。その中でも父か母父に米国型(エーピーインディ系)かミスプロ系(大系統)を持つ馬。
血統構成がMr. Prospector×Nijinskyを持つ馬。

近5年1着〜3着の父、母父の系統

2024年
1着エンペラーワケア
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ミスプロ系/米
2着アームズレイン
父コパノリッキー(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着サンライズフレイム
父ドレフォン(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/米
2023年
1着レモンポップ
父レモンドロップキッド(ミスプロ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ギルデッドミラー
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父マッチェム系/米
3着バトルクライ
父イスラボニータ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2022年
1着テイエムサウスダン
父サウスヴィグラス(ミスプロ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ヘリオス
父オルフェーブル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着タガノビューティー
父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
2021年
1着レッドルゼル
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ワンダーリーデル
父スタチューオブリバティ(ノーザンダンサー系/米)×母父ロベルト系/欧
3着タイムフライヤー
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2020年
1着モズアスコット
父フランケル(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2着コパノキッキング
父スプリングアットラスト(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
3着スマートアヴァロン
父サウスヴィグラス(ミスプロ系/米)×母父ミスプロ系/米

【根岸ステークス 血統背景】

エンペラーワケア(牡4、栗東・杉山晴紀)は、父ロードカナロア×母カラズマッチポイント(母父Curlin)。サンライズラポールやアスクオンディープの半弟で、アルシバイアディーズS(米G1・ダ8.5F)のダンシングラグズの甥。牝祖ジュエルプリンセスはBCディスタフ(米G1・ダ9F)などに勝った北米古牝馬チャンピオン。そこにロードカナロアでStorm Cat3×3となったが、母方の北米パワーも強く受け継いで、ダートでは[4-1-0-0]と底を見せていない。先行脚質なので前崩れに巻き込まれないか??

ダートではこれまで5戦4勝、2着1回と底を見せておらず、目下2連勝でオープンクラス入りを果たした好素材。今回は初めての東京コースに加えて相手も一気に強くなるが、展開に左右されない自在性があり、主役の座は譲れない。

同馬は、発馬が速くなく二の脚で好位の外側追走も、道中は折り合いがついて直線残り2ハロンから追い出されると一気に加速し先頭に立ちそのまま押し切って快勝!! 米国血統であっても短距離型ではない系統で、距離延長をこなす可能性も高い。キャリアはわずか7戦、ダート界に新星が誕生も一気に頂上(G1)を目指す!!

アームズレイン(牡4、栗東・上村洋行)は、父コパノリッキー×母アームズトウショウ(母父コロナドズクエスト)。トウショウトリガーやトウショウガナーの甥で、クリダームのイトコ。母アームズトウショウはJRA2勝(芝ダ1000)。母母マザートウショウはクイーンCなど重賞3勝。牝祖エイティトウショウは中山記念連覇の強豪でトウショウボーイも同族。父コパノリッキーはゴールドアリュールの代表産駒でダートのマイル~中距離の大レースを勝ちまくった。本馬は母似で、フォーティナイナーとハビタットが強いスプリンター。東京1400をスピードで押し切れるか??

前走・りんくうS(ダ1200㍍)で、中団に位置。この馬としては後ろ目のポジションで追走していたが、直線、外から上がっていくあたりの勢いは目についた。抜け出してややリードを広げて1着。昇級2走目で一変。

同馬は、スタート良く先行2番手も手応え十分に直線で、逃げ馬を競り落とし後方から追い込んできた馬を抑え込んで2着確保。的確なレース選択で好調な上村洋行厩舎だけに、次は適距離に戻してくるはず?? 先行馬として侮れない要注目馬。

サンライズフレイム(牡4、栗東・石坂公一)は、父ドレフォン×母マストバイアイテム(母父アフリート)。母マストバイアイテムはJRA3勝(ダ1000~1200)。繁殖としても優秀で、JRAに出走した産駒4頭はドライスタウト、ヨハン、ノーリスと全てオープン~上級に出世している。父ドレフォンは北米チャンピオンスプリンターでジオグリフ、デシエルト、コンシリエーレなどの父。ドレフォン×アフリートのイメージどおりの揉まれ弱い1400型で、ここまで[5-0-1-0]。行っても差しても馬群に入らず砂をかぶらず運べれば能力全開で、近二走のように外枠がベター??

デビュー2戦目の1勝クラス(東京・ダート1600㍍)こそパライバトルマリンの3着に敗れたが、その後は破竹の4連勝。前走ではオープン特別を快勝した。初の重賞挑戦だが、ポテンシャルの高さは折り紙つきで、先々まで目が離せない。

同馬は、スタートは互角で中団の外を折り合って追走。直線で追い出されるも反応鈍く、残り1ハロンでエンジン全開で追い込むも3着まで。自在性が出てきて、まだ上を目指せる一頭だけに次走も注目。


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