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【フェアリーS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【フェアリーSの結果】
レースは、好位追走から直線での追い比べを制したイフェイオン(5人気)が、直線外から脚を伸ばしたマスクオールウィン(6人気)にクビ差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にラヴスコール(4人気)が入り、波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「4コーナー先頭」で回ってきた馬が過去10年で3勝。今年逃げたのがキャットファイト(8着)、2番手追走がジークルーネ(12着)と敗退。次に「1枠」から5年続けて好走馬を輩出中。今年1枠1番ラヴスコールが3着に入った。最後に「高柳瑞厩舎」が出走機会2年続けて連対中。今年はテリオスサラ(7着)、メイショウヨゾラ(10着)の2頭出しも敗退。

血統面で、「父米国型」に注目。出走馬14頭中2頭内1頭(2着マスクオールウィン)が馬券に絡んだ。また「父欧州型」に注目。出走馬14頭中5頭内2頭(1着イフェイオン、3着ラヴスコール)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、中山芝は土曜ほどではないが、まずまず速めの時計が出ている。芝は内外の差があまりなく、展開次第では後方からでも間に合う。

【血 統 傾 向】
ダート戦のようなスピードとパワーの持続力勝負に秀でた米国型
ミスプロ系のパワー×サンデー系のスピード
父か母父がキングマンボ系

2024年
1着イフェイオン
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2着マスクオールウィン
父ドレフォン(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
3着ラヴスコール
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父マッチェム系/欧
2023年
1着キタウイング
父ダノンバラード(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着メイクアスナッチ
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着スピードオブライト
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2022年
1着ライラック
父オルフェーブル(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着スターズオンアース
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ミスプロ/米
3着ビジュノワール
父キタサンブラック(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー/欧
2021年
1着ファインルージュ
父キズナ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
2着ホウオウイクセル
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ベッラノーヴァ
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2020年
1着スマイルカナ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着チューンオブラブ
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
3着ポレンティア
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧

【フェアリーS 血統背景】

イフェイオン(牝3、栗東・杉山佳明)は、父エピファネイア×母イチオクノホシ(母父ゼンノロブロイ)。コスタボニータ、ハーバーコマンド、レッドフィオナの姪で、母イチオクノホシは阪神牝馬S2着。牝祖シュペールヴィトはエクリプス賞(仏G3・芝1300m)3着。父エピファネイアはジャパンCと菊花賞に勝ちエフフォーリアやデアリングタクトなどを出し成功。エピファネイア×ゼンノロブロイはシーズンズギフト、ヴェローナシチー、チャンスザローゼスなどと同じ。母のマイラーっぽさも強く、やや前輪駆動な走りのエピファネイア産駒だから、京都外マイルがピッタリの馬か。

母は重賞で2度の連対歴があり、阪神ジュベナイルフィリーズでは4着に入った活躍馬。父にエピファネイアを配した血統背景は一級品。本馬は実戦を2度経験して、調教の動きがさらに良くなっており、重賞でも潜在能力は引けを取らない。

同馬は、好スタートから好位の外追走も、終始外を回った。直線で追い出されると、早々と先頭に立って押し切り優勝!? ただ陣営からマイルがギリギリというようなコメントもあり、桜花賞までは要注目!?

マスクオールウィン(牝3、美浦・牧光二)は、父ドレフォン×母チカアレグレ(母父ハーツクライ)。母のチカアレグレはJRA1勝で、祖母のエルーセラは仏GIIIのロワイヨモン賞(芝12F)勝ち馬。父のドレフォンはストームキャット系種牡馬で、芝ダート共に活躍馬を輩出。ジオグリフやカルネアサーダなどの父。母父ハーツクライと母系はスタミナが強い配合で、1200mでも先行出来るスピードがあり、距離延長はあまりプラスにはならないが、重心の低いフォームで走るセンスはかなりのもの。好走ならある程度流れたペースが理想??

前走の1勝クラス・黒松賞(中山・芝1200㍍)で、断然の1番人気に応えて2勝目をマーク。4着に敗れた芝1600㍍のデビュー戦は超のつくハイレベルで、ここはあらためて距離適性を問われる一戦になる。

同馬は、スタート悪く出遅れて後方2番手追走。道中、抑えられて脚をため、4角手前から外へ出し、直線は大外へ出されると鋭く急追し2着まで。これまた、ドレフォン産駒は3歳春まで強い馬が多いだけに要注意??

ラヴスコール(牝3、美浦・加藤征弘)は、父ドゥラメンテ×母カレドニアレディ(母父Firebreak)。スコールユニバンスの全妹で、母カレドニアレディはコーラルチャージスプリントS(英G3・芝約5F)勝ち。母父ファイアブレイクは香港マイルに勝ったインリアリティ系。父ドゥラメンテは二冠馬でタイトルホルダー、リバティアイランド、スターズオンアースなどを出し成功。アルテミスSは上がりが速すぎて追い込めなかったが、母系にダルシャーンが入るので斬れ味勝負に徹したほうがいい。ここなら脚力は上位の1頭で、差し追い込みがきく流れなら。

母はイギリスの重賞ウイナーで、全姉スコールユニバンスは暮れに4勝目を挙げてオープンクラス入りを果たした。本馬はメイクデビュー札幌(芝1500㍍)を勝ち上がっており、トリッキーな中山・芝1600㍍にも対応できる。

同馬は、互角の発馬から中団前めの内追走も、脚を溜めて直線で追い出されると、ロスのない運びから一瞬の切れを活かした騎乗も3着まで。今走は内枠を活かした完璧な競馬ができたことが好走の要因であり、東京や阪神などの上がり勝負は合わないタイプ。次走は、要注意??


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