見出し画像

【2024 天皇賞春(G1)】徹底的に攻略データ篇

*「日本文芸社の重賞競走データBOOK 2024年度版」よりほぼ抜粋。

<2023年のレース検証>

レースは、ジャスティンパレス(2人気)が中団から徐々に進出し、先に先頭に立ったディープボンド(5人気)を最後の直線コースで交わし、最後はこれに2.1/2馬身差をつけ優勝。さらに1馬身差の3着にシルヴァーソニック(6人気)が入り、中波乱決着!?

タイトルホルダーは競走中止となった。前年度覇者ということで圧倒的①人気に支持されたが、危険な要素はあった。まず、過去のG I 3勝がすべて阪神だった点。ドウラメンテ産駒が阪神のGIで無類の強さを発揮しているが、裏を返せば他場では結果を残していない。そして、前走日経賞の不良馬場での圧勝劇も疲れが残っている可能性があった。しかし、馬以上に懸念したのは鞍上が京都の長距離戦の経験がなかったこと。これは横山兄弟共にいえることだった。実際に1・2着は京都の長距離 G Iで実績のある騎手が占めた。


<近年①人気は安定感抜群!! 連覇が多くリピー夕ーにも注目!?>

[人 気]

21、22年は京都競馬場の大規模改修工事により阪神競馬場で施行された。阪神競馬場での 2回を含む過去 10年で①人気は [3-3-0-4]。京都コース改修前の 20年を最後に優勝こそないが、ディープインパクトが勝った翌 07年から 16年までの間は 10年連続で一度も①人気の連対がなかったことを思えば、連対率60%ならば復権気配といえるだろう。 22、23年に連勝している②人気が [5-0-1-4] で高い勝率を誇っており、③人気 [1-1-1-7]、④人気 [1-1-4-4]で、⑤人気以下の1着はない。

馬連平均配当は 4,338円。
16年に1回万馬券が出ているが、その年を最後に 3連単10万円オーバーの配当は出ていない。①②人気が安定感を見せる近年は以前のような波乱は少なくなっている。

(netkeiba.com 想定人気)
想定1人気 ドゥレッツア(牡4、美浦・尾関知人)
想定2人気 テーオーロイヤル(牡6、栗東・岡田稲男)
想定3人気 タスティエーラ(牡4、美浦・堀宜行)
想定4人気 サリエラ(牝5、美浦・国枝栄)
想定5人気 ブローザホーン(牡5、栗東・吉岡辰弥)

過去10年における天皇賞春 人気別成績表

[ステップ]

19、 20年は馬券圏外が続き、他ステツプに圧され気味だったが、21年以降は毎年連対して23年にはワンツ—を決めるなど近年の勢いナンバー1は [3-5-4-49] の阪神大賞典組。昨年までは好走数で上回っていたのが日経賞組で [3-2-3-42]。20〜22年の連続連対が 23年に途切れただけに今後の動向に注目。これに [2-1-0-5] の大阪杯組が続く形。他では 19、20年に連覇したフィエールマンが 19年にはアメリカJCC、20年には前年の有馬記念をステップにしていて、勝ち馬が出ているのは 5つのレースに限られる。また、[0-1-1-16] のダイヤモンドS組は1着こそなくても G3の格の割に軽く扱えないが、OP特別•3勝クラス組は [0-0-0-8] とここでは勝負にならない。

阪神大賞典組 [3-5-4-49]
6着 サヴォーナ(牡4、栗東・中竹和也)
11着 シルヴァーソニック(牡8、栗東・池江泰寿)
1着 テーオーロイヤル(牡6、栗東・岡田稲男)
7着 ディープボンド(牡7、栗東・大久保龍志)
3着 ブローザホーン(牡5、栗東・吉岡辰弥)
4着 プリュムドール(牝6、栗東・奥村豊)
8着 メイショウブレゲ(牡5、栗東・本田優)
2着 ワープスピード(牡5、美浦・高木登)
日経賞組  [3-2-3-42]
9着 ウインエアフォルク(牡7、美浦・根本康広)
12着 ヒンドゥタイムズ(セ8、栗東・斉藤崇史)
4着 マテンロウレオ(牡5、栗東・昆貢)
大阪杯組 [2-1-0-5]
11着 タスティエーラ(牡4、美浦・堀宜行)
ダイヤモンドS組 [0-1-1-16]
2着 サリエラ(牝5、美浦・国枝栄)

過去10年における天皇賞春 前走レース名別成績表

<攻略ポイント>

①阪神大賞典組~前走1着+当日①人気は鉄板!! ただし、前走2着馬は苦戦続き??

19、20年は馬券圏外に敗れていたが、天皇賞・春が阪神コースで施行された 21、22年はしっかり盛り返して、本来の京都コースに戻った 23年は 1・2着独占の阪神大賞典組。本番との距離も近いことから近年は日経賞組よりも優位に立つた感があり、前走1着馬は [3-2-2-2] で複勝率78%。その中でも当日①人気に支持された馬は [1-2-0-0] と崩れない。一方、前走2着馬は [0-1-0-9]。好走は17年シュヴァルグランのみで、この馬は16〜18年に③②②着のいわばリピー夕ー。同レースの好走実績がない限り、この組の前走2着馬は買えない。
阪神大賞典組 
1着 テーオーロイヤル(牡6、栗東・岡田稲男)
2着 ワープスピード(牡5、美浦・高木登)

過去10年における天皇賞春 前走クラス別成績表

②枠順~4勝の1枠が強力だが外枠からの好走馬も増加中

基本的に内有利のコース形態で、①番枠の4勝含めて1枠が [4-0-1-13] と好成績。逆に外枠が不利かというとそうでもなく、枠は[2-1-2-23]で、阪神施行の 22年にワンツ—を決めるなど20年以降に数字を伸ばしている。枠順よりも早めに内の経済コースをキープできるかがカギになる長距離戦で騎手の手腕やレース運びが重要になつてくるが、 3・5枠からは勝ち馬が出ていない。 

過去10年における天皇賞春 枠番別成績表
過去10年における天皇賞春 馬番別成績表

③波乱の主役~馬も騎手もリピーター重視、波乱の使者は北村友一騎手

過去11年で連覇が3回。適性の高さが証明済みの馬重視は最優先事項。ただ、リピーターの活躍が多いと期待値からオッズ的妙味は低くなるもの。実際に好走が複数あるシュヴァルグランは ③④①人気で②②③着、ディープボンドは①①⑤人気で②②②着。ディープボンドの 6歳時こそ単勝オッズ1倍台の①人気が消えて中波乱となったが、さらに高い波乱度は馬より騎手に期待できる。 19、20年に⑧⑪人気で③②着の北村友騎手がその第一候補。怪我から復帰後の23年は⑪人気 9着だったが、騎乗機会すべてで人気より着順が上。

*今年出走予定馬に北村友一騎手騎乗予定無し!

過去10年における天皇賞春 騎手別成績表

【戦術ポイント】

[軸馬の狙い方]

軸馬がいるのは日経賞、阪神大賞典、大阪杯の3大ステップのいずれか。近年活躍馬が特に多い阪神大賞典組の前走1着馬で当日①人気であれば連対率100%なので迷わず軸にできる。単勝オッズ1倍台の①人気は[0-0-0-2]で買えないが、他に①人気が崩れた時も②人気が代わりに好走しているので、 ①②人気2頭軸も悪くない。

過去10年における天皇賞春 馬齢別成績表

「相手馬の狙い方」

近年過剰人気気味のリピーターではあるが、とにかく買っておくのが得策。人気薄まで手を伸ばすなら好走実績は必須。4歳馬 [4-2-4-30]、5歳馬[5-3-1-38]の2世代中心だが、経験がモノをいう条件だけに6歳以上の 2・3着も少なくない。過去5年で3勝のルメール騎手の騎乗馬が軸候補から漏れていた場合は相手に加える。

過去10年における天皇賞春 生産者別成績表

[注 意 点]

(前走日経賞で6着以下)

阪神大賞典組の次に好走している日経賞組だが、前走6着以下だと[0-0-0-17]。大阪杯組や他ステップからは前走大敗後に巻き返す馬がいる中、日経賞組の好走は当日人気に関わらず、前走5着以内の馬に限られる。出走数の多いステップだが、すでに勝負付けが済んでいるという考え方で良く、掲示板を外した馬は完全スルーで大丈夫。
日経賞組
9着 ウインエアフォルク(牡7、美浦・根本康広)
12着 ヒンドゥタイムズ(セ8、栗東・斉藤崇史)

過去10年における天皇賞春 ローテーション別成績

(川田将雅騎手騎乗馬)

数々のGIタイトルを手にしている卜ップジョッキー・川田騎手。ただ、なぜか天皇賞・春は [0-0-0-9]と好走がない。そもそも上位人気馬に騎乗する機会が少なかったこともあり、今後このレース向きの馬とのコンビが実現すればあっさり勝つ可能性も十分あるが、23年は③人気6着、22年は競走中止など、どうも相性が良くない。
*今年出走予定馬に川田将雅騎手騎乗予定無し!

過去10年における天皇賞春 脚質別成績表

(菊花賞馬)

15年以降の優勝馬延べ 9頭中7頭が菊花賞馬。残る2頭も菊花賞 2・3着と好走。結びつきが強い長距離 G I。

出走予定馬の菊花賞成績
23年5着 サヴォーナ(牡4、栗東・中竹和也)
23年2着 タスティエーラ(牡4、美浦・堀宜行)
20年4着 ディープボンド(牡7、栗東・大久保龍志)
23年1着 ドゥレッツア(牡4、美浦・尾関知人)
19年5着 メロディーレーン(牝8、栗東・森田直行)

過去10年における天皇賞春 種牡馬別成績表

[注 目 デ ー タ]

①4~5歳 or(芝)G1で2勝以上の6歳馬
②菊花賞で3着以内実績
③前走・国内(芝)G1&G2で3着以内
④5代血統表内にリファールorニジンスキーを持つ
                 父サンデー系or父キングマンボ系の馬

ちなみに、すべて該当したのはドゥレッツア 1頭のみ。
*「モバイル サラブレの重賞のツボ」を参考に抜粋。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?