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【京成杯(G3)回顧~その先へ】血統篇

【京成杯の結果】
レースは、道中は中団の前を追走、直線で外から各馬を差し切ったダノンデサイル(5人気)が、後方から追い上げてきたアーバンシック(2人気)に3/4馬身差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にコスモブッドレア(10人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「出走頭数で好走馬の傾向が変化」。2024年は2年ぶりに頭数が揃い15頭(1頭取消で14頭)なので、「差し・追い込み」からアーバンシック(2着)が馬券に絡んだ。次に「キャリア1戦」(新馬1戦1勝馬)」に注目。[4-1-3-11]複勝率42.1%と活躍が目立つ。今年はグローリーアテイン(14着)、ニシノフィアンス(5着)などが該当も敗退。最後に「C.ルメール騎手」が[2-1-1-1]複勝率80%と圧倒的。今年は3冠牝馬アパパネの産駒バードウォッチャーに騎乗も7着敗退。

血統面で、この時期の中山芝2000の重賞はロベルトの血が強く「父欧州型ロベルト系」に注目。出走馬14頭中2頭内1頭(1着ダノンデザイル)が馬券に絡んだ。さらに、「母父欧州型」に注目すると、出走馬14頭中7頭内2頭(2着アーバンシック、3着コスタボニータ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、コースは4角からスタートして、ゴール前の急坂を2度越える難コース。1角まで距離もあることから、とくに少頭数であればハイペースにはなりにくい。中山競馬場特有の機動力は不可欠だが、早熟性に加えて、スタミナに裏付けされた持続力も求められるコース。

【血 統 傾 向】
父欧州型、特に母父も欧州型。
中山といえばロベルト持ちが強く、ダンジグのパワーや仕上がり面も考慮。

2024年
1着ダノンデサイル
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父ナスルーラ系/米
2着アーバンシック
父スワーヴリチャード(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着コスモブレッドレア
父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2023年
1着ソールオリエンス
父キタサンブラック(Tサンデー系/日)×母父サドラーズウェルズ系/欧
2着オメガリッチマン
父イスラボニータ(Pサンデー系/日)×母父サンデー系/日
3着セブンマジシャン
父ジャスタウェイ(Pサンデー系/日)×母父サドラーズウェルズ系/欧
2022年
1着オニャンコポン
父エイシンフラッシュ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ロジハービン
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ナスルーラ系/欧
3着ヴェローナシチー
父エピファネイア(ロベルト系系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着グラティアス
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着タイムトゥヘヴン
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着テンバガー
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2020年
1着クリスタルブラック
父キズナ(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米
2着スカイグルーヴ
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/欧
3着ディアスティマ
父ディープ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧

【京成杯 血統背景】

ダノンデサイル(牡3、栗東・安田翔伍)は、父エピファネイア×母トップデサイル(母父Congrats)。スタティスティクスやトップザビルの半弟で、母トップデサイルはBCジュヴェナイルフィリーズ2着。牝祖ベアフットダイアナはゴールデンロッドS(米G3・ダ8.5F)2着。母父コングラッツはサンパスカルH(米G2・ダ8.5F)に勝ったエーピーインディ系でフォーエバーヤングやハートレーの母父。ロベルトやシアトルスルーをクロスする父母相似配合で、京都2歳Sではゴール前よく追い上げてきたが、大箱向きで内回りのコーナリングはあまり良いほうではないか。

母は2014年のBCジュベナイルフィリーズ(G1・アメリカ)などで連対を果たしたトップデサイル。本馬は、2歳コースレコード決着となった前走・京都2歳Sで勝ち馬から0秒1差の4着に頑張っており、その地力は今回のメンバーでも上位!?

同馬は、スタート良く行き脚がついて、好位5番手の外からスムーズに追走。残り2ハロン辺りから仕掛けられると、直線で左手前に替え、一瞬フラつきながらも、追われるごとに脚を伸ばして、ゴール手前で交わして優勝。昨年、ソールオリエンスが皐月賞を勝ち注目度もあがるが、今年はかつての京成杯のイメージに近いだけに、本番までにどこまでパワーアップできるか要注意!?

アーバンシック(牡3、美浦・武井亮)は、父スワーヴリチャード×母エッジースタイル(母父ハービンジャー)。レガレイラやドゥラドーレス、ステレンボッシュのいとこで、曾祖母ウインドインハーヘアはディープインパクトやブラックタイドなどを輩出した名繁殖。スワーヴリチャード×ハービンジャー×ダンスインザダーク×アルザオはいとこのレガレイラと同じ構成。500㌔を超える馬体でスワーヴリチャード産駒らしく跳びが豪快で、如何にも大箱向きの中距離馬という印象。

近親に昨年末のホープフルSを優勝したレガレイラがいる良質な母系。本馬はメイクデビュー札幌(芝1800㍍)、1勝クラス・百日草特別(東京・芝2000㍍)を連勝し、いざ無傷での初タイトルへ挑む!?

同馬は、スタート悪くダッシュがひと息で後方追走も、向正面でマクリ気味にポジションを上げて中団後方。4角手前から仕掛けられると、馬込みに突っ込んで詰まることなく勢いよく伸びるも2着まで。ゴール前の伸び脚は勝ち馬より上であり、今回は素質の片鱗を示した。現状は東京の方が力を出しやすそうだけに、要注目!?

コスモブレッドレア(牡3、美浦・小野次郎)は、父ゴールドシップ×母コスモバタフライ(母父ソングオブウインド)。母のコスモバタフライはJRA3勝。父ゴールドシップに母父ソングオブウインドの長距離配合に母系の奥のマルゼンスキーやカーリアンとニジンスキーのスピードで締まった中距離血統。見た目からにも小回り、内回りに向くタイプで斬れないがバテない走りをし、条件は悪くないし、タフな馬場や展開になって浮上!?

同馬は、スタート良く先行2番手をキープ。残り2ハロンで追い出されると、直線で一旦先頭に立って渋太く粘るも、ゴール手前で上位2頭に交わされ3着。デビュー時460㌔から、今走482㌔まで着実に成長してきた1頭。今後も、平坦なら最後まで脚を使って、伸びきれる先行優勢な馬場なら要注意!?


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