見出し画像

【中山金杯(G3)回顧~その先へ】血統篇

【中山金杯の結果】
レースは、好位追走から直線で抜け出したリカンカブール(5人気)が、中団から追い上げてきたククナ(8人気)に1/2馬身差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にマイネルクリソーラ(6人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「前走重賞1~5着馬」は[4-5-4-18]複勝率41.9%の好成績で、2024年は前走チャレンジC4着エピファニー(11着)、前走チャレンジC5着マテンロウレオ(7着)と敗退。次に「斤量増馬」に要注目。[8-4-2-17]複勝率45.2%と圧倒的で、今年はアラタ(13着)、マテンロウレオ(7着)、カテドラル(8着)と敗退。最後に「1~4枠」が8勝に対して、5~8枠は2勝と明暗クッキリ。今年は1着2枠3番リカンカブール、2着4枠7番ククナと内枠での決着でした。

血統面で、欧州指向のスタミナ、馬力血統に注目。「父欧州型」は、出走馬17頭中7頭内2頭(2着ククナ、3着マイネルクリソーラ)が馬券に絡んだ。また「母父欧州型」は、出走馬17頭中7頭内2頭(1着リカンカブール、3着マイネルクリソーラ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、正月休みを挟んだ変則開催のハンデ戦。舞台となるのは中山競馬場Cコース使用の2000m。最後の直線310mはAコース使用時と変わらないが、6mほど外側に仮柵が設けられるので内回りコース使用時でも1周距離は40m弱ほど大きくなり、コーナー角度は緩やかになり、そして幅員は小さくなる。フルゲート17頭で行われることから、一瞬の脚というよりもある程度のポジションから長く良い脚を使えるような馬が有利にレースを運べる印象。

【血 統 傾 向】
欧州指向のスタミナ、馬力血統!!
父が欧州型、父ノーザンダンサー系(大系統)、ロベルト系の血を持つ馬

2024年
1着リカンカブール
父シルバーステート(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ククナ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着マイネルクリソーラ
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ロベルト系/欧
2023年
1着ラーグルフ
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着クリノプレミアム
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着フェーングロッテン
父ブラックタイド(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2022年
1着レッドガラン
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ロベルト系/欧
2着スカーフェイス
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着ヒートオンビート
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着ヒシイグアス
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ココノトウダイ
父エイシンフラッシュ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ウインイクシード
父マンハッタンカフェ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
2020年
1着トリオンフ
父タートルボウル(ノーザンダンサー/欧)×母父サンデー系/日
2着ウインイクシード
父マンハッタンカフェ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
3着テリトーリアル
父テオフィオ(ノーザンダンサー/欧)×母父ミスプロ系/欧

【中山金杯 血統背景】

リカンカブール(牡5、栗東・田中克典)は、父シルバーステート×母アンブラッセモワ(母父Zoffany)。近親にフィユドレール賞(仏G3・芝2100m)2着ドウレミー。牝祖ゲノフェーファはロワイヨモン賞(仏G3・芝2400m)勝ち馬で子孫にサマーハ(シャケトラなどの母)やマムール(独G1オイロパ賞)がいる。母父ゾファニーはハービンジャーと同じダンジリ産駒。父シルバーステートはエエヤン、ウォーターナビレラ、セイウンハーデスなどを出す人気種牡馬。ロベルトとリボー系のクロスをもつシルバーステート産駒で内回りを力強く捲る。チャレンジCは余裕残しの体つきだった。

2勝クラス、3勝クラスを連勝して、勢いに乗って3度目の重賞に挑んだ前走・チャレンジCは、5着(着差0秒5)。昨年の京都新聞杯(4着)では敗れながらも上位に食い込んでおり、重賞初制覇へここは絶好のチャンス!!

同馬は、スタート後に出していって、うまく内の絶好位につけると、道中は我慢させ脚を溜めた。ロスなく内々を回って手ごたえ十分に、直線馬場の真ん中を鋭く伸び抜け出し快勝!! 小回りの持久力勝負での強さを発揮した。同馬の好走歴は中山、阪神、小倉と高速上がりを必要としない舞台ばかりで、まさにロベルト系と同じ適性だけに今後も注意したい。

ククナ(牝6、美浦・栗田徹)は、父キングカメハメハ×母クルミナル(母父ディープインパクト)。母のクルミナルは桜花賞2着、オークス3着で、祖母のクルソラは亜芝10FGIウィナー。アライバルの半姉にあたる血統。キングカメハメハ×ディープインパクトの配合はヒートオンビートやアンドヴァラナウトなど。前走のエリザベス女王杯の道中や最後の直線の伸び方からは2000㍍になるのは歓迎。中山でも大きくは問題ないし、七夕賞の時のような立ち回りが出来るなら面白い存在に。

年齢を経るごとにレースがうまくなり、2023年夏の七夕賞では内をうまく立ち回っての2着。前走のエリザベス女王杯では10着とはいえ、勝ち馬から0秒5差と地力強化がうかがえる。前記七夕賞だけ走れば十分に優勝圏内!?

同馬は、スタート後中団追走も、道中の折合いはスムーズ。3~4角をロスなく回り、直線外側に進路を取り、残り1ハロン鋭く脚を伸ばし勝ち馬に詰め寄るも2着まで。近走は、瞬発力を活かす競馬ができれば強いタイプだけに要注意!?

マイネルクリソーラ(牡5、美浦・中野栄治)は、父スクリーンヒーロー×母マイネトゥインクル(母父ムタファーウエク)。母のマイネトゥインクルはJRA4勝馬で、マイネルキラメキの半弟にあたり、マイネルーチェの甥。父のスクリーンヒーローはグラスワンダーの後継のジャパンC覇者。母父はロベルト系の欧州ステイヤーのムタファーウエク。血統の字面通りロベルト(シルバーホーク)のクロスが入り、捲りの脚が速いのが特徴。当然内回りの中山は歓迎で、前走のアンドロメダSのような内でジッとする競馬が出来るのならこの条件は面白いし、上位争いは十分可能。

前走のアンドロメダS(リステッド・京都・芝2000㍍)では0秒3差の2着。2000㍍で見せる一瞬の脚がオープンクラスでも通用することを証明。中山での勝ち鞍はないが、苦手という印象もなく、引き続き上位争いが可能??

同馬は、スタート後外枠から推していって好位につけ、外目追走。3角辺りから追い出されると、4角で勢いがつき、直線も最後まで脚を伸ばして3着確保。晩成のスクリーンヒーローの血も手伝って、舞台と流れ次第では今後、重賞に手が届いてもいい素材だけに注意!?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?