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【2024 東京優駿~日本ダービー(G1)】徹底的に攻略データ篇

*「日本文芸社の重賞競走データBOOK 2024年度版」よりほぼ抜粋。

<2023年のレース検証>

レースは、好位でレースを運んだタスティエーラ(4人気)が、中団で脚を溜めたソールオリエンスの追い上げを振り切り、クビ差をつけ優勝。さらにハナ差の3着にハーツコンチェルト(6人気)が入り、ほぼ本命決着!?

「テン乗りは勝てない」そのダービーのジンクスを見事にレーン騎手が打破した。レーン騎手だが、19年には断然①人気のサートウルナーリアで4着に敗れていた。この時もテン乗りだったが、今回とは状況が違っていた。19年は鞍上のルメール騎手が騎乗停止となったため、急遽の騎乗となった。しかし、今回は5月上旬の時点でレーン騎手へのスイッチを発表しており、その後も入念に調教をつけていた。今回のタステイエーラは表向きこそテン乗りだったが、陣営との入念なコンタクトがあったうえでの勝利だったのである。


<やはり強い王道の皐月賞組!! 前走人気で着外の馬に妙味あり??>

[人 気]

①人気は [2-3-2-3]。 複勝率70%は合格点だが、単勝オッズ 1倍台の支持を集めた馬で①④①②②着となかなか勝ち切れない。②人気の [1-3-1-5]、③人気の [3-2-1-4] も悪くなく、上位人気の信頼度は高いと見ていい。さらに④人気が [2-1-0-7]、⑤人気が [1-1-0-8] で連対馬20頭中19頭を①〜⑤人気で占めていることになる。

18、19年は高配当になつているが、この 2回を除けばすべて馬連は3桁〜 10倍台と堅い決着になることの方が圧倒的に多く、馬連平均配当は 2,700円となっている。ただし、3着馬は10頭中6頭が⑥人気以下と伏兵台頭の余地があり、18年は 3連単 2 8 5万円超の大波乱。穴党の期待はこのような 3連単の3着が穴馬というパターンになる。

(netkeiba.com 想定人気)
想定1人気 ジャスティンミラノ(牡3、栗東・友道康夫)
想定2人気 レガレイラ(牝3、美浦・木村哲也 )
想定3人気 アーバンシック(牡3、美浦・武井亮)
想定4人気 シックスペンス(牡3、美浦・国枝栄)
想定5人気 コスモキュランダ(牡3、美浦・加藤志津)

過去10年における東京優駿~日本ダービー 人気別成績表

[ステップ]

皐月賞組が [8-9-6-70] で、当然ながら質量共に他の組を圧倒。毎年必ず2頭以上が馬券圏内に入っている。他に勝ち馬を出しているのは [1-1-0-18] の京都新聞杯組と [1-0-0-7] の毎日杯組。近年はノーザンファーム生産の大手クラブ馬が毎日杯からの直行ローテで出走する傾向にあり、 21年にはシャフリャールが優勝。レース間隔が短い京都新聞杯組より、こちらの方が好走馬を出す可能性は高いだろう。一方、トライアル組は創設以来未勝利で、青葉賞組が [0-0-3-19]、プリンシパルS組が [0-0-1-8] と 3着まで。押さえ程度の評価が妥当だろう。なお、3着以内30頭中28頭は年明けの出走回数が3戦以内となっており、4戦以上使っている馬は評価を下げたい。

皐月賞組 [8-9-6-70]
4着 アーバンシック(牡3、美浦・武井亮)
7着 エコロヴァルツ(牡3、栗東・牧浦充徳)
2着 コスモキュランダ(牡3、美浦・加藤志津)
12着 サンライズアース(牡3、栗東・石塚公一)
9着 サンライズジパング(牡3、栗東・音無秀孝)
5着 シンエンペラー(牡3、栗東・矢作芳人)
1着 ジャスティンミラノ(牡3、栗東・友道康夫)
除外 ダノンデザイル(牡3、栗東・安田翔伍)
13着 ビサンチンドリーム(牡3、栗東・坂口智康)
10着 ミスタージーティー(牡3、栗東・矢作芳人)
17着 メイショウタバル(牡3、栗東・石橋守)
6着 レガレイラ(牝3、美浦・木村哲也)
京都新聞杯組 [1-1-0-18]
1着 ジューンテイク(牡3、栗東・武英智)
青葉賞組 [0-0-3-19]
1着 シュガークン(牡3、栗東・清水久詞)
2着 ショウナンラプンタ(牡3、栗東・高野友和)
プリンシパルS組 [0-0-1-8]
1着 ダノンエアズロック(牡3、美浦・堀宜行)

過去10年における東京優駿~日本ダービー 前走レース名別成績表

[日本ダービー激走パターン]~弥生賞連対馬~

皐月賞トライアルの弥生賞。しかし、皐月賞では[0-5-2-33]と10年ヴィクトワールピサが最後の勝利となっている。しかし、実は弥生賞組が真価を発揮するのはダービーなのである。弥生賞出走馬のダービー成績は[5-0-2-30]。ただし、3着以内7頭は弥生賞で連対しており、弥生賞3着以下の馬はダービーでは買えない。弥生賞連対馬は[5-0-2-11]と確率がアップするが、弥生賞の走破時計で仕分けが可能。3着以内7頭は2分01秒台以下で走っていた。

弥生賞連対馬
(1:59:8)1着 コスモキュランダ(牡3、美浦・加藤志津)
(2:00:0)2着 シンエンペラー(牡3、栗東・矢作芳人)

過去10年における東京優駿~日本ダービー 弥生賞連対馬と激走パターン

<攻略ポイント>

①皐月賞組~皐月賞上位馬は素直に信頼!? 前走人気→着外は見直しが必要??

前走 1着馬は②①③⑤②④①②⑦②着だが、皐月賞が梢重か重で行われた年は②①②②でオール連対となる。タフな馬場状態で行われた年の皐月賞馬は全幅の信頼を置いていい。前走 2着馬の [2-1-2-5]、前走 3着馬の [1-2-1-5] も優秀で、やはり皐月賞上位馬は軽視できない。逆に前走2桁着順の馬は [0-0-0-24] で、巻き返しがあるのは前走 1桁着順の馬に限られる。前走 4着以下から好走したのは7頭だが、7頭はいずれも前走で①〜⑥人気だった馬。皐月賞の時点で一定の評価を受けていた馬がここで巻き返すというのが定番パターン。

皐月賞組 [8-9-6-70]
6人気4着 アーバンシック(牡3、美浦・武井亮)
11人気7着 エコロヴァルツ(牡3、栗東・牧浦充徳)
7人気2着 コスモキュランダ(牡3、美浦・加藤志津)
12人気12着 サンライズアース(牡3、栗東・石塚公一)
10人気9着 サンライズジパング(牡3、栗東・音無秀孝)
5人気5着 シンエンペラー(牡3、栗東・矢作芳人)
2人気1着 ジャスティンミラノ(牡3、栗東・友道康夫)
除外 ダノンデザイル(牡3、栗東・安田翔伍)
8人気13着 ビサンチンドリーム(牡3、栗東・坂口智康)
9人気10着 ミスタージーティー(牡3、栗東・矢作芳人)
4人気17着 メイショウタバル(牡3、栗東・石橋守)
1人気6着 レガレイラ(牝3、美浦・木村哲也)

過去10年における東京優駿~日本ダービー 前走クラス別成績表

②騎手~呪縛が解けたテン乗り騎手!! 関東&若手騎手は苦戦傾向!?

「テン乗りの騎手は勝てない」というのは長らく言い伝えられてきたダ—ビーのジンクスだが、 23年に短期免許で参戦したレーン騎手がついにそれを打ち破った。とはいえ、前走から騎手が乗り替わった馬は [2-1-2-54]。やはり継続騎乗の馬の方が数字上は圧倒的に優勢である。また、関東所属騎手は [1-5-5-63] で、勝つたのは14年の横山典騎手だけ。それどころか関東所属の現役ダービージョッキーは横山典騎手と内田博騎手のベテラン 2人しかいない。また、外国所属のレ-ン騎手を除くと 30歳未満で連対した騎手は21年と23年で2着の横山武騎手だけ。若い騎手は苦戦傾向にある。 

関東所属騎手騎乗予定馬
アーバンシック(牡3、美浦・武井亮)=横山武史騎手
サンライズジパング(牡3、栗東・音無秀孝)=菅原明良騎手
ジャスティンミラノ(牡3、栗東・友道康夫)=戸崎圭太騎手
ダノンデザイル(牡3、栗東・安田翔伍)=横山典弘騎手
前走から騎手が乗り替わった馬
エコロヴァルツ(牡3、栗東・牧浦充徳)=岩田康誠騎手
コスモキュランダ(牡3、美浦・加藤志津)=M.デムーロ騎手
サンライズアース(牡3、栗東・石塚公一)=池添謙一騎手
シックスペンス(牡3、美浦・国枝栄)=川田将雅騎手
ジューンテイク(牡3、栗東・武英智)=岩田望来騎手
ビサンチンドリーム(牡3、栗東・坂口智康)=西村淳也騎手
レガレイラ(牝3、美浦・木村哲也)=C.ルメール騎手

過去10年における東京優駿~日本ダービー 騎手別成績表

③波乱の主役~絶好の馬場状態が後押し!! 人気薄の先行馬に一発の魅力??

前週のオークスはBコースで行われるが、ダ—ビーはCコ—スで行われる。過去10年すべて良馬場で、コース替わり最初の週ということもあり馬場状態は絶好。カ通りに決まることが多いが、紛れがあるとすれば人気薄の前残り。18年⑯人気 3着コズミックフォース、 19年⑫人気 1着ロジャーバローズ、 22年⑦人気 3着アスクビクターモアが該当する。

先行馬(前走4角4番手以内の馬)
シックスペンス(牡3、美浦・国枝栄)
ジャスティンミラノ(牡3、栗東・友道康夫)
メイショウタバル(牡3、栗東・石橋守)

過去10年における東京優駿~日本ダービー 脚質別成績表

【戦術ポイント】

[軸馬の狙い方]

奇をてらう必要はなく、軸は皐月賞組から選ぶ以外にない。皐月賞が良馬場以外で行われていれば素直に皐月賞馬を軸とする。また、2着馬に0秒2以上の差をつけて勝った皐月賞馬も②①③②②②着と確実に好走するので、こちらも信頼できる。皐月賞馬が怪しそうなら、皐月賞の2•3着馬や前走①人気で着外という馬を軸とする。

過去10年における東京優駿~日本ダービー 種牡馬別成績表

[相手馬の狙い方]

相手も皐月賞組が中心だが、前走2桁着順は消し。着順にかかわらず前走で1秒3以上負けていた馬は[0-0-0-22]なのでこれも消し。あとは青葉賞組、京都新聞杯組、毎日杯組の前走連対馬を押さえておけば〇K。他には単純に①〜⑤人気を1•2着、⑥人気以下を中心に3着候補を選ぶフォー メーシ ョンという手も有効だろう。

過去10年における東京優駿~日本ダービー 枠番別成績表
過去10年における東京優駿~日本ダービー 馬番別成績表

[注 意 点]

(NHKマイルC組)

かってはタ二ノギムレット、キングカメハメハ、ディープスカイが勝利したNHKマイルCをステップとしたローテーションだが、近年はすっかり鳴りを潜め、過去10年では [0-0-0-16]。前走着順が良い馬の出走も少ないので、とても手が出せない。特に過去5年ではわずか4頭の出走しかなく、このローテ自体が珍しくなりつつある。

NHKマイルC組
4着 ゴンバデカーブース(牡3、美浦・堀宜行)

過去10年における東京優駿~日本ダービー ローテーション別成績

(キャリア7戦以上)

3着以内30頭中27頭はキャリア6戦以内。キャリア7戦以上で3着以内に入ったのは14年1着ワンアンドオンリー、14年3着マイネルフロスト、 15年2着サトノラーゼンの3頭だけで、過去8年では[0-0-0-27]と全滅。近年のクラシック戦線は無駄な出走を避ける傾向にあり、豊富なキャリアがプラスに出ることはないようだ。

キャリア7戦以上の馬
コスモキュランダ(牡3、美浦・加藤志津)=8戦
サンライズジパング(牡3、栗東・音無秀孝)=7戦
ジューンテイク(牡3、栗東・武英智)=9戦

過去10年における東京優駿~日本ダービー キャリア別成績表

(馬体重の増減)

3着以内30頭中20頭が前走から体重減で出走。複勝率は体重増、増減なしの11%を大きく上回る23%をマーク。 

前走馬体重の増減 11㌔以上の馬
ダノンエアズロック(牡3、美浦・堀宜行)=前走△12㌔

過去10年における東京優駿~日本ダービー 馬体重別成績表

[注 目 デ ー タ]

①前走皐月賞で5人気以内で8着以内
②(芝)重賞で上がり3Fメンバー中最速or33秒9以内を計時して1着実績
③東京(芝)で1~2人気で1着実績
④5代血統表内にリファールを持つ父サンデー系

ちなみに、すべて該当したのはジャスティンミラノ 1頭のみ。
*「モバイル サラブレの重賞のツボ」を参考に抜粋。


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