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またひとつ、ハワイのアイコンが消える。。。

著:御手洗ケール

あってはならないことがまたひとつ起きてしまった。

ハワイでパンと言えば、誰もがLove'sと答える老舗ベーカリーが、創業170年を目の前にして営業終了を発表。3月末日で、その幕を閉じることになった。170年と言えば、ほぼ間違いなく、ハワイ中の人が生まれた時からその存在を知っているということ。ハワイがアメリカの州になる100年以上も前からパンを作り続けている超ローカルブランドも、残念ながら新型コロナウィルスによるパンでミックの影響をもろに受けてしまったようだ。

1851年、スコットランドから80日間の船旅の末、ハワイへやってきたロバート・ラブ氏が始めたというラブズ・ベーカリー。何度かオーナーが代わったものの、ここまでビジネスを続けて来て、その歴史にピリオドを打つという決断は容易ではなかったはずだ。個人消費とは別に、学校、ホテル、レストランなどにもパンを供給していたから、ネイバーアイランドの分も含め、これだけの規模をまかなえるベーカリーを失うのは、ハワイにとって大きな損失であることは間違いない。

旅行でハワイに来ていた頃、初日と帰国前日にLove’sのパウダーシュガーで真っ白なミニドーナッツを買うのがお約束だった。当時は、それがハワイの味だったような気がする。でもハワイに来てからは、いつでもスーパーにあるので買わなくなった。甘い香りのふかふかの食パンは、量が多いのでなかなか手が出なかったけれど、いつもスーパーにあるから安心だった。

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でも、今はその安心が通用しない世の中になってしまっている。今日あった物が、明日あるとは限らない。永遠なんてものが存在しないことは頭ではわかっていても、Love'sのパンが買えなくなる日が来ることを誰が想像しただろう。FBは、ハワイの食の一端を担ってきたブランドの幕引きを惜しむ声でいっぱいだ。おそらく最後の日まで、Love'sのパンはどこでも売り切れに違いない。

大事なのは今。明日は今日とは違うのだから。
それにしてもさみしい。

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