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ハワイアン・ミュージックの原点、カニカピラが帰ってくる!

著:御手洗ケール

ワクチン接種の恩恵か、観光客が増えて、かつての賑わいを取り戻しつつあるワイキキ。メインランドからの旅行者を中心に、カラカウア大通りやクヒオ通りは、一時の閑散とした風景が噓のように、活気に満ち溢れています。その中にまだ日本人の姿がないのは寂しい限りですが。

ワイキキのホテルも、シャットダウン中にリノベーションに着手し、次々とオープンしています。ビーチ脇のアウトリガー・リーフ・ワイキキビーチ・リゾートもそのひとつ。いよいよ4月30日に再オープンが決まり、それに伴い、プールサイドのレストラン「カニカピラ・グリル」も営業を再開することになりました。

このレストランは、ワイキキの中心で本格的なハワイアンミュージックが楽しめる場所として知られ、オープンが待たれていた場所のひとつ。ステージには日替わりで有名ミュージシャンが出演し、夕方6時からたっぷりとハワイアン・ミュージックが楽しめます。もともとハワイアン・カルチャーをふんだんに取り入れたホテルだけに、単なるトロピカルなカジュアル・レストランというだけではない、独特の雰囲気があったように思います。

Kani Ka Pila - カニカピラって?

カニカピラとは、ハワイ語で「弦楽器の音を重ねる」という意味になることから、ギターやウクレレなどによるセッション、演奏形態を指します。即興演奏が基本ですが、英語では"Let’s play music” と訳されることが多いようです。レストランの命名者は、ハワイアン・スラックキーギターの名手シリル・パヒヌイ。レジェンド、ギャビー・パヒヌイの次男としてそのレガシーを受け継ぐ彼も、かつては週に一度出演し、若手ミュージシャンらとセッションを行っていましたが、惜しくも2018年に他界。68歳でした。

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生前、ギャビーのワイマナロの家には、連日ミュージシャンたちが集まり、バックヤードで延々とカニカピラが続いたと言います。そんなハワイアン・ミュージックの原点とも言える演奏形態に触れ、すべての人に音楽を心から楽しんでもらいたいというシリルさんの思いが、この名前には込められているのでしょうか。

私自身は楽器が大の苦手で、ボケ防止程度のたしなみしかないのですが、大好きなスラッキーの音色は、何時間でも聞いていられる自信があります。もし本物のカニカピラを見てみたいと思われるなら、シリルの誕生日(4月21日)と、父ギャビーのバースデー(4月22日)を記念して、ハワイ時間今週土曜日にパ匕ヌイ・ファミリーゆかりの地、ワイマナロで開催されるイベントをぜひチェックしてみてください。

ギャビー・パヒヌイ・ワイマナロ・カニカピラ

ハワイアン・スラックキーギターとハワイアンミュージックの発展、ミュージシャンのサポート、子どもたちへの音楽教育の充実などを目的に、14年前に始まったイベント「ギャビー・パヒヌイ・ワイマナロ・カニカピラ」には、毎年100人を超えるミュージシャンが出演。例年、美しすぎるワイマナロ・ビーチ脇にあるパークのパビリオン前にステージを作り、演奏が行われましたが、昨年に続き、今年もリモートでの開催に。しかし様々な場所から中継で行われた昨年とは違い、今年はミュージシャンたちが聖地ワイマナロに集まり、11時から日没まで、様々な演奏を聞かせてくれるようです。

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今年は「バースデー・トリビュート」とうたっていますが、基本スタイルは同じ。ジェリー・サントス、ジェフ・ピーターソン、ソニー・リム、ジョージ・クオ、マカナ、ショーン・ロビンス、グレッグ・サルディーニャを始め、シリルさんを慕うミュージシャンたちが多数名を連ねていて、オープニングから目が離せなくなりそうです。日本は日曜日の早朝からですが、きっと見ごたえあるセッションが楽しめるはずです。

イベント詳細
https://fb.watch/50RkgVlmqS/
日時:4月24日11:00am〜日没まで
Facebook:@Cyril Lani Pahinui, @Mana Maoli
YouTube:Mana Maoli Collective
Website:Kine 105 Homepage


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