【雑記】なんでもない夜がそこにはある

離婚して3年ちょっと。私はまったく寂しくないことに気づいてしまう。
漫然とした不安や人恋しさはあるけれども、寂しいと思ったことは一度もないかもしれない。いや、あるかもしれない。でも、そういう感情を何かで上書きしようとは思わない。何もかもがあっという間すぎるんだ、そもそも。あんなにわめいた失恋だって、もう今は腐ったじゃがいもとしか思えない。ただし米津君の歌はまだ聴けない。夢ならばどれほどよかったでしょう、とは思うけど、今はもうあなたの夢を見ることはない。何回も繰り返したなんでもない夜は、結局「なんでもなかった」んだと思う。熱量のある恋は愛にはならなかったし、何度も飲んだワイン(二人して相当気に入っていた)の名前は忘れてしまったし、今までにないくらい美味しいと思ったクラフトビアのお店だってどこにあったのか忘れた。ただし日本酒の銘柄だけはなぜか覚えている。

だから寂しくないんだろうな、と思う。
思い出がうつくしいからじゃなくて、ただの腐ったじゃがいもにしか思えないけど、皮を厚くむけばかろうじて食べられる、みたいな。離婚もきっと同じような扱いをしてるから平気でいられるんだろうな、と思う。

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