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「閣下」の花火大会は素晴らしかった

花火にはいろいろな意味があります。
有名な東京の隅田川の花火大会は、両国の花火から始まっています。

江戸時代の1732(享保12)年に大飢饉が発生し、多くの餓死者が出ました。また疫病も流行して、日本国内で多大な被害を受けました。
こうした犠牲になった人々の慰霊と悪疫退散を祈って、8代将軍徳川吉宗が催した水神祭に続き、1733(享保13)年に、両国橋周辺の料理屋が幕府の許可を受けて花火を打ち上げたことが始まり、とされています。

私が住んだことのある富山市の花火大会は、毎年8月1日に行われます。
1945(昭和20)年8月2日未明の富山大空襲で亡くなった人々への鎮魂と復興、平和への願いを込めて、大輪の花火が富山市中心部で打ち上げられます。

富山大空襲は、2日午前0時36分、米軍のB29大型爆撃機174機が、富山市中心部に50万発以上の焼夷弾を投下し、町の一瞬にして焦土と化しました。
市街地の99.5%を焼き尽くし、被災した人は約11万人、亡くなった人は2700人を超えて、地方都市としては人口比で最も多くの犠牲者を出しました。
竹久夢二の妻だった岸他万喜(たまき)は、この空襲で亡くなっています。

富山大空襲は、司令官カーチス・ルメイが陸軍航空軍の38回目の記念日に計画した祝賀爆撃でした。
戦後、日本政府が、航空自衛隊創設の功で、このルメイに勲章を授与したことは、今も論争があります。

さて、上椎葉ダムでは、8月11日に花火大会があります。
ダムの堰堤から打ち上げる花火は、山々にこだまする破裂音とともに、迫力満点です。
午後8時から始まる約30分間の花火ショーは、ダム工事で亡くなった人の鎮魂や、新型コロナウイルス退散など、見る人にさまざまな想いを生じさせてくれます。

昨年は、放水しながら花火を挙げるというコラボが実現しました。
「閣下」のお姿は、まるで戦艦大和のようでした。

放水しながら花火をあげる閣下

今年もまた東京から来た親戚たちと一緒に、針金橋から見学しました。
帰る途中、電灯の下にカブトムシを発見しました。子どもたちが喜んでいました。

ダムで花火をするのは珍しいと思います。
もしかして、花火の前にトランペットを堰堤から演奏すると、面白いかも。
それでは皆様、労働災害ゼロを目指して、ご安全に。

閣下の目?

閣下の目らしきものをとらえました。
ダイオウイカの目に似ています。

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