当事他者探Qその1

 「当事者(party)」と「当事他者(partner)」との、つながりは「部分(part)的」です。それには消極的理由と積極的理由があります。
 消極的な理由として、「部分的」とはまず「全体的」ではありません。「全体的つながり」とは、「当事者」の日常の手助けから資産管理まで何もかも、あるいは空間的にも時間的にも四六時中かかわっているような、つながり方です。

 「全体的つながり」において、一つには「当事者」よりも「当事者に関わる人」の都合が優先されやすく、監視ひいては支配になりやすい。たとえば施設介護においては、空間のみならず時間も限られているため、外出のみならず過ごし方までも管理者側の事情で左右され制限されやすいでしょう。もう一つには「当事者に関わる人」にとっても息抜きできない状況です。たとえば家族介護の場合、日中の介護に加え、深夜の体位交換や排泄や水分補給もあるため、睡眠不足に加え、これがいつまで続くのか先の見えない不安が募ります。

 「部分的つながり」の積極的な理由として、「当事者」もまた「部分」的であった方がいいということです。「当事者」は四六時中「当事者」の役割を負わなければならないことは決してありません。誰かの、友人として、家族として、あるいは何かについての、愛好家として、消費者としてなどなど様々な面を持ち合わせています。それはまた「当事他者」も同様です。いつでもどこでも「当事者」や「当事他者」でいなければならないわけではありませんが、しかし。

#部分的つながり

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