Another Oneのチャリティショーを見て思ったこと色々。

12月25日、クリスマスの夜にあしびの郷でダンスショーがありました。
知名町にあるダンススクール・Another Oneの発表会で、僕の演出している方言ミュージカルの振り付けも担当してくれているChisayaとタカさんが全力を注いだ公演でした。

出演しているのはスクールの子供たちで、「とにかく今までやってきたものをできるだけたくさん見てほしいんだ!」という気迫でみんなが舞台に立っていて、1時間半、たっぷり見ました。

覚えているのをいくつか。
音楽のMixがよかった。いろいろ編集したりしてるんだろうとおもうんだけど、いい音源だとダンスってガツンと面白くなる。
紫のスウェットを着た女の子がChisayaと一緒に踊るシーンが、少し泣ける。
歩くだけで踊りになる、Chisayaの傘のダンス。
ソーラン節というか、よさこいというか、あの類の音楽と踊りの是非については、もうちょっと別のところでちゃんと勉強してから喋りたい。
あの広いステージの上で7人が立ってるんだけど、なぜか人が大きく感じられたり、上手に位置を考えてるなあと思っていたら、
今自分が作ってるミュージカルの手直しの参考にしようってなった。

ダンスって、ダンスを見るんじゃなくて、自分を見てる気分になる。ダンスに限らず、大概の「作品」と呼ばれているものはそういう気分になるものだと思う。

紫のスエットの女の子とのデュエットや、Chisayaのソロを見ていると、昔自分が師匠さんたちから言われた言葉をたくさん思い出した。
「お前を弟子にしたことを後悔してるんだぞ」
「お前は役者じゃないだろう」
「さすが、俺のことよくわかってるな」
「あなたが仕事をしなければ、私たちがやります。そうしてあなたの仕事はなくなって、あなたがここにいる意味がなくなります」
「芝居にルールがないといけない」
「よし、いけ!」
……断片的に言葉が頭の中に広がって、それを言われたシチュエーションが思い出されて、そうして今自分がやってることに照らし合わせてしまって、泣けてきた。

目の前で一生懸命に踊っている子供たちをここまで育てあげてきたChisayaの力量が凄いと思ったし、踊りが好きでしょうがないんだ!子供たちを愛してくれ!の叫びがガンガン響いてきた。

僕は芝居を愛してるけど、時々、愛し方が分からなくなったり、一方的な片思いなんじゃないかと思ったり、愛してるつもりになってるだけなんじゃないかと不安になったり、愛することを怠けてしまうことがある。それじゃ、ダメなんだ。怠けちゃいけないんだ。

ダンスを見て、頭の中で響いてくる師匠たちからのコトバは、つまり、怠けるな、ということだ。

Chisayaはソロで何曲か踊るのだけど、安室奈美恵のNever Endを踊った時に彼女のルーツのようなものが見えたような気がした。彼女がどんな人生を送ってきたかはわからないけれど、沖縄アクターズスクールにいたこと、そこで教わったり経験してきたこと、そうしていま、沖永良部にいて子供たちに囲まれてダンスを教えていること、もっとできるはずだと思いながら日々研鑽を続けているだろうこと、そういうことが踊りの端々に見えて、胸が熱くなった。

子供たちが少人数で踊るシーンでも、全部Chisayaの息がかかってる感じがして、袖幕で握りこぶし作って頑張れ!と応援しているChisayaの姿が見えてきた。Chisayaの話ばかりしているけど、いいんだ、あの公演の間ずっと僕はChisayaの世界で物事を考えていたんだから。

終演後、挨拶もそこそこに家に帰った。何の感情なのかよくわからないものがずっと心にあった。

良い物を作ってくれてありがとう。いいものをこれからも作っていこう。
よろしくお願いいたします。の気持ちなのかもしれない。

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