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朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや/なまけdays-200621

・外出で歩きすぎて、夕食後すぐに寝てしまった。おかげで、夜中に起きるなどしている。

・予定というものは不思議なもので、タイミングよく様々な予定が重なることがある。ここ三日ほどは、友人と会ったり話すことが多かった。高校時代からの親友、インターネットで知り合ったお友達、大学の友人。近況から愚痴、世間話まで、様々なことを話した。会話することの楽しさを思い出した数日間であった。

・高校時代に論語を読破しようとして図書館で本を借りた。学而の冒頭部分は教材としても多用される一文だが、このコロナ禍の字時代、『遠方より友が来る』という事実は、交通機関が発達してなかった時代の喜びにどこかに通っているのかもしれないなと、そう思う。

・なお論語の読破は結局できなかった。

・ところで、私は友人が少ない。

・これは、卑屈な自己評価によるものではなく、純粋な他者評価のそれである。

・というのも、姉が幼いころから繰り返し私に言っていたことだから。家族や幼さという残酷さで以って、私は友達がいないという言葉を浴び続けた。多少の劣等感を抱くものの、しかし幼き私は『いじりたくてそう言っているだけだろう』くらいにしか思っていなかった。自分には普通に友人がいると思っていたのだ。小中学校といじめられるようなこともなく、登校すれば会話する学友もいたためである。姉が何をもって『友人がいない』などという荒唐無稽な世迷い事をのたまうのか、皆目理解ができなかった。

・のだが、成人して高校時代の友人と遊ぶようになってなお「あの友達のいなかったあんたに親友が出来るなんて……」などと言う。

・いい加減にしてくれ、たとえいじりのつもりだとしても、結構傷つくんだぞ。

・そういう旨の話をしたら、姉は驚いた顔で「いじろうとして言ってるんじゃなくて、事実友達いなかったじゃん」と言った。

・どうやら、私は友達がいなかったらしい。かくして私は、成人して初めて友達がいなかったと言うことに気づいたのである。

・確かに、学校で話す相手に欠いた記憶はないが、放課後遊びに行くよりも家で本を読む時間の方が長かった。たとえ誘われたとしても、読書の楽しみと天秤にかけて断ったこともあったきがする。

・そもそも集まってプリクラを取る数百円が私にとっては勿体なかったし、帰宅後は本を読むなり空想に耽るなりをしていた気がする。おかげで小中学生のころに親友と呼べるような、家を行き来するような仲の友人がいた記憶がない。今も、小中学校の同級生と連絡は取っていない。

・そうか、私、友達いなかったんだな。ははーん……。

・はつか、二十ウン歳。成人して始めての気づきであった。

・冗談でなく友人がいなかったという事実によるショックよりも、幼少の頃に友人がいなかった事実を全くもって認識していなかった己の方が面白すぎて、もう笑うしかない。よほど一人が好きらしい。筋金入りか。

・しかしそんな私でも、いるところには友となってくれる人間もいる。おかげで、三日連続でお出かけしたりお話したりで、嬉しい疲れにぐっする寝たりもする。

・確かに小中学生の私には親友と呼べるような友人はいなかったかもしれない。でもそのことに強い不安感を感じることもなかった。今の友人たちは波長が合うようで、共に遊びに出ても別々に本をみたりすることに抵抗感がない。おかげで、それほど気を遣わずに人付き合いを続けられる。ありがたいかぎりだ。

・朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや。

・どうか、幼き自分よ。本心を語らいあい、気兼ねすることなく共に過ごせる友がいないからと言って、卑屈になるなかれ。いるところには、君に付き合ってくれる奇特な人間もいるのだから。

・あ、きにしてない?そっか。そうだと思うわ。でもたぶんお前のそういうとこが友達いない理由やと思うぞ。

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