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網走のデータで「今年は雪が少ない」ことを実感

今年の北海道は雪が少ない。スキー場の営業開始が遅れているとか、札幌では雪まつりの雪像造りのための雪を遠くから運ばなければならず、当初の予定より早めに雪集めを始めたとか、少雪に関するニュースが増えている。
私が住む網走も例外ではなく、今頃はいつもの年ならば早朝に作業をする除雪車の音で目が覚めたりするのだが、今年はまだその音を1度しか聞いていない。冒頭の写真は昨日、市内駒場地区にある「こまば木のひろば」のものだが、昨年の同じ時期に撮影したのが次の写真。

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キツネと思われる足跡がくっきりとつくくらい、道端に積雪があるが、今年は除雪された歩道との段差がほとんどない。
まずは、網走市のホームページにある2012-2013シーズンの月別最深積雪量のデータを見てみる。

7年前は70cm台の積雪があったが

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2012-2013シーズンは12月に入るとまとまった積雪があり、3月まで最深積雪量は60cm以上を記録した。子供の頃には自宅の裏側の1階が雪に埋もれたことを覚えているが、昔は1m以上の積雪も結構あったように思う。
つぎに、気象庁の網走のアメダスのデータで、過去3年の1月7日と今年の1月7日の積雪深を比較してみる。各表の右端に注目していただきたい。

現在の積雪はわずか1cm!

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2017年には40cm台の積雪があったが、2018年には半分近く減り、2019年には10cm台まで減少した。毎年、2月のオホーツク流氷まつりが近づくと、主な道路では度重なる除雪でできた車道と歩道の間にできた雪の山を取り除く「排雪」という作業が行われるのだが、昨年はなかった。
そして今年の1月7日は、わずか1cm。差は歴然だ。高齢化が進む田舎の人たちにとっては、雪かきが少なくて済むのは良いことではあるが、温暖化の進行が心配になってくる。

札幌の積雪も大幅な減少に

最初のほうでも書いたように、札幌の雪まつりも少雪の影響を受けている。網走市のホームページのデータは、2012-2013シーズンの他の地域の数字も掲載されているが、それによると2013年1月の札幌の最深積雪量は97cm。今年の1月7日の札幌のアメダスを見てみると……

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たったの7cmと10分の1以下だ。連日プラスの気温になるような顕著な暖冬というわけでもないので、単純に降雪量自体が少ない。例年ならば札幌市南部の山側から雪まつり用の雪を運んでいるが、今年はそれだけでは量が足らず、他の市町村まで"遠征"しなければならないようだ。
この先どうなるのか。気象協会の児玉氏によると……

北海道 この先も少雪続く https://tenki.jp/forecaster/akodama/2020/01/06/7098.html

「道民は、シーズンの初めに雪が少なかったら、帳尻を合わせるようにシーズン後半に大雪に見舞われ、結果いつも通りの降雪量になるというイメージを持つ方も多いですが、今シーズンは、雪が少ないまま春を迎えるかもしれません」
"帳尻合わせ"があるのでは? とツイッターに書く人も見かけるが、今年はそうならないかもしれない。オホーツク流氷まつりも、展示されるのは氷像が多いとはいえ雪像もあるし、メインステージの後ろには今年もゴールデンカムイの大雪像ができる予定。網走も雪集めに苦労するかもしれないので、状況によっては早めに動く必要がありそうである。

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。