見出し画像

~Your heart~ あなたのキモチ1-1

第1話 きっかけ

ミネコが「ユウミ。あんたまた私の口紅を勝手に使ったでしょう?」と睨んだ。
ユウミは「ぎくっ、何で分かったの?」とミネコに対して驚きの眼差しを向けた。
ミネコが「だって、その口紅この色と同じなんだもん」と横目でミネコがユウミを見ていた。
ユウミが「しょうがないな。その口紅は私が貰うからこのお金で買って来て」とミネコの手に万札を置いた。
ミネコは「サンキュー。じゃ、口紅を買って来よう」と鼻歌混じりに外に出た。
ヤスコが「ね?キョウコ。さっき何か鼻歌が聞こえたんだけど」と辺りをキョロキョロしていた。
キョウコが「全く馬鹿ね。誰もいないし、それより早くお金をよこしなよ」と乱暴にヤスコからお金を盗んだ。
ミネコが物影で見ていて、「あれ、カツアゲかな?ここの学校では、禁止のはずじゃないの」と目をまん丸くして見ていた。
キョウコが「じゃね?お金なけりゃあんたにはもう用なんかないのよ」とヤスコの背中を押して壁にぶつけた。
ヤスコが「痛い。もうこんなのやめて欲しい」とキョウコに反抗したが、その抵抗も虚しく、キョウコは「うるせぇんだよ。黙ってろ」と一言を残して去って行った。
そこへミネコが来て「酷い傷じゃない?保健室に行った方が良いんじゃないの?」と心配してヤスコに声を掛けた。
ヤスコは「えへへ。大丈夫だよ。いつもの事だしさ」と口から血を出していたので、ミネコのタオルで拭いてあげた。
ヤスコが「せっかくのタオルが汚れちゃうよ」とミネコの手を寄せた。
ミネコが「何でそんなに気を張るの?そんなになってまで気を張って居たら、誰にも助けを求められないよ。ヤスコちゃんから誰かにSOSを出さなきゃ」とヤスコの事を真剣に想って居た。
ヤスコは「ありがとう。でも、その気持ちはありがたいけど、ミネコさんも今みたいなイジメに加担させたくないの。だから、放っておいて」と大きな声でヤスコは、ミネコの前を通り過ぎて行った。
ミネコは何故か涙を抑えきれずに涙を流して居た。
その翌日の事、下駄箱にいつも入っている上履きが無かった。
ミネコは「どういうこと?もしかして」と周りを見渡してみると、後ろから不適な笑みを浮かべ、キョウコが「探しものは、これかしら?」とミネコの前に上履きを置いた。
ミネコが「何で私の上履きを持って居るの?」と何故かキョウコに恐怖を憶えていた。
キョウコが「あんたが居なきゃ良いのに、横からノコノコと入って来られると目障りだから、もう、ヤスコと仲良くするのは辞めてくれない?」とミネコの横にキョウコが包丁を突き刺した。
ミネコが「分かった。もう、仲良くしないからごめんなさい」と涙目になって謝っていた。
ミネコは急いで制服を正して、教室に何も無かったかのように入って行った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?