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ヘタクソなプレイのゲーム広告は誰のため? ~ ゲーム動画を用いたランダム化比較実験 (2022)

青山学院大学 経営学部 服部ゼミ:
河北 莉奈, 藤村 春菜, 濱田 桃, 稲葉 沙耶, 丸山 玲香

概要

本研究は、大学生 199名を無作為に『意図的にプレイをミスをしているゲーム広告を視聴するグループ』と『標準的なプレイをしているゲーム広告を視聴するグループ』に振り分け、動画を視聴後、ゲームに対するプレイ意欲やプレイへの自信を比較することで、ヘタクソなプレイのゲーム広告がどのような効果を持つのかを探る実験研究です。

実験結果として、ヘタクソなプレイのゲーム広告が、視聴者の意欲や自信を高める効果は確認できませんでした。それどころか、性別や普段のゲームプレイ時間、性格などの交互作用分析によって、ヘタクソなプレイのゲーム広告は視聴者にネガティブな効果をもたらしていました。特に、「ゲーム時間が少ない女性」、「イライラしにくい女性」は意図的にミスをしている動画でゲームに対して有意な意欲の低下が見られました。また、媒介分析を行った結果、「ゲーム時間が長い人」では、動画の視聴によりイライラしたことが媒介して、ゲームへの意欲が低下したことがわかりました。

この結果は、意図的にミスをしているゲーム広告が、今回の実験対象である大学生に対しては効果的ではなく、特定の人にはむしろ悪影響を与える可能性があることを示しています。

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