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リーダーはなぜ "無謀" をするのか 〜リーダーのポジションがリスク選好に及ぼす影響を明らかにするサーベイ実験

青山学院大学 経営学部 服部ゼミ 3年生:
萱原 悠夢・久保寺 亜美・佐藤 悠衣・田中 陸斗・吉田 克之進

概要

人はさまざまな組織やチームにおいて、自らが「リーダー」のポジションに就くと、そうでない場合とは異なる行動や決定を行うことがあります。この研究では、「自分の決定が集団に大きな影響を及ぼす立場(リーダー)になると、リスクを取るような決定をするようになるのか、それともリスクを回避するような決定をするようになるのか」を明らかにするサーベイ実験を行いました。具体的には、大学生129人を「自分の決定にチームが従う、チームのリーダー」としての振る舞いを問われるグループと「自分の決定は単なる一意見となる、チームの一員」としての振る舞いを問われるグループに無作為に分け、同一のシナリオ上での振る舞いについて、その振る舞いのリスク愛好/回避度を比較しました。

実験結果から、
①心配性・慎重な性格の傾向の人は、リーダーになるとリスク愛好的な決定を行う
②普段のチームでの振る舞いが積極的(リーダー的役割が多い)であったり、主観的な行動傾向のある人は、リーダーになるとリスク愛好的な決定を行う
③理想のリーダーシップとして「責任感」を最も重視する考えを持つ人たちは、リーダーになるとリスク愛好的な決定を行う
という結果が得られました。

どのような環境において、どのような人々が、なぜ「リーダーになるとリスクをとりたくなり、"無謀"とも言える選択をするのか」を明らかにする本実験が得た結果は、職場や学校など集団活動が発生する場において、組織や集団の目的に応じて、どのような人にリーダーシップを与えることが望ましいのかを考える上で重要な意味をもつと考えられます。



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