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将来想像が及ぼす選好・価値観への影響はどのようなものか? (2021)

青山学院大学 経営学部 服部ゼミ:西村 亮人・松井 杏佳・松原 響佑・宮本 雄基

概要

本研究は、自らの将来の状況を想像することが、現在の自らの価値観や心理状況にどのような影響を及ぼすのかを、オンラインアンケートを用いたランダム化比較試験によって明らかにしました。大学生の実験参加者(N=163)をランダムに、「現在の自己の状況」について回答してもらった後に心理状況を調査されるコントロールグループ(N=87)と、「将来の自己の状況(の予想)」について回答してもらった後にコントロールグループと同様の心理状況を調査されるトリートメントグループ(N=77)に分け、調査項目の比較分析を行いました。

分析結果から、将来想像は (1) 女性参加者の利他性を高め、(2) 自己評価が比較的高い参加者の学習意欲を高め、(3) 生活満足度が低い参加者の学習意欲を有意に高める ことが明らかになりました。また、将来想像の負の側面として (4) 自己評価が高い参加者の責任感を低下させる ことも明らかになりました。これらの結果は、教育や仕事の現場におけるモチベーション向上に応用できる可能性があると考えます。

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