見出し画像

性的なイメージに触れることは、どのような心理効果をもたらすのか? ~ Do Sexual Images Enhance Masculinity for Men?(2021)

青山学院大学 経営学部 服部ゼミ:新井 穂・石井 玲太朗・岡部 太河

概要

本研究は、性的衝動が人の心理状況に及ぼす影響を調査することを目的としたRCT実験です。具体的には、大学生の実験協力者(N=83)を無作為に、 (1) 性的衝動を喚起させるようなパズルを解くグループ(トリートメント: N=31)と (2) 性的衝動を喚起させないような同様のパズルを解くグループ(コントロール:N=51)に分け、その後の「食欲(食品に対する支払い意思額)」「リスク選好」「(性的な)自己の魅力への自信」などの、いわゆる「男性らしさ(Masculinity)」の程度を比較検討しました。

分析結果より、性的衝動の喚起は有意に ① 男性をリスク挑戦的にすること、② 男性の食品に対する支払い意思額(食欲)を高めること、③ 男性における自身の「男性としての」自信を向上させることが明らかになりました。一方で、女性においては、有意な介入の効果は見られませんでした。また、「異性の兄弟がいるかどうか」や「現在、異性の恋人とお付き合いをしているか」という要素によって、結果の異質性が見られました。異性兄弟や恋人のいない実験参加者は、性的衝動の効果を強く受けるという結果が得られました。

これらの調査結果は、男性をターゲットとした商品に対する性的アピールを活かしたPRの有効性を考える上で、重要な示唆を与えてくれると考えます。

頂戴したサポートは、ゼミでの研究運営費用に充てさせていただきます!