財務省「ファイナンス」:ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)入門

本日、財務省「ファイナンス」から「ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)入門-物価連動国債から算出する期待インフレー」という解説論文をリリースしました。下記のリンクより読むことができます。
202402k.pdf (mof.go.jp)

本稿は「物価連動国債入門―基礎編―」を前提としており、基礎編は下記より読めます。
財務省「ファイナンス」:物価連動国債入門-基礎編-|服部孝洋(東京大学) (note.com)

物価連動国債を発行する目的は投資家にインフレヘッジの手段を提供することですが、家計や企業が予想する期待インフレ率の測定を行うことも重要な目的の一つです。経済学のモデルには家計や企業の期待が含まれることから、経済学の研究において期待インフレ率の推定は非常に重要です。また、例えば金融政策において期待への働きかけが重要であるなど、期待インフレの推定は実際の政策評価においても有益です。

本稿では、物価連動国債について期待インフレ率の観点からその理解を深めます。具体的には、BEIの定義に加えて、その特徴について議論します。また、物価連動国債の実務においては連動係数というテクニカルな概念を理解しなければなりませんが、本稿では他の文献に比べて丁寧な記述を試みます。

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