本日(2024/5/23)発生した日銀オペの未達

今回も自分自身への簡単なメモですが、本日は日銀のオペが未達というかなり珍しいイベントがおきました。QQE以降初ということです。
日銀買い入れオペ、1年超3年以下が札割れ-異次元緩和以降で初 - Bloomberg

本日(2024/5/23)の日銀のオペでは、日銀が市場参加者から国債を買うのですが、現在、下記のようにオファーされています。今回問題となった1-3年の国債については、3750億円の購入が日銀からオファーされていることがわかります。

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of240523.htm

今回の結果は下記の通りです。3750億円のオファーがあったところ、3564億円の落札なので、これは日銀が購入するといった額に達しておらず、未達ということになります。

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba240523.htm

日銀は国債を購入するため、入札(オークション)を実施しています。日銀の購入のオークションの詳細は日本国債入門の9章、さらに、オークションのメカニズムそのものは8章を参照していただきたいのですが、要は、日銀が金融機関に「3750億円、1-3年の国債を買うので札を入れてください」といったところ、このオークションに参加する人(=国債を売却したい人)は少なく、3564億円しか集まらなかった、ということです。


日銀の購入量は定まっているため、多くの札が入れば、国債の売り圧力が大きいということから、金利上昇に寄与します。逆に言えば、未達は、日銀の購入枠に対して、売りが少ないということで、金利を下げる方向に寄与します。ただ、今回は売り圧力が弱い、ということで、今後、減額される可能性があり、市場参加者はその点も考えますから、今後の効果の解釈はむずかしいとおもいます。

基本的に、今の仕組みを使っている以上、未達は起きにくく、実際、QQE以降起こっていなかったわけですが、利上げが予測され、金利も上昇する中、オペに札を入れる業者がそれほど在庫を積むということも困難だったということがあるのかもしれません。その他必要に応じて追記しますが、今後、継続するかは少し着目しています。

なぜ金融機関が日銀のオペに参加するかは私の書籍(日本国債入門)の9章を読んでいただければ理解できるとおもいます。また、白川さんの「現代の金融政策」でもp153に「金融機関はなぜ中央銀行のオペレーションに応じるのか」というBOXがあるのでそちらも参照していただければとおもいます。

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