今年(2024年)の金融論の講義について

来週から講義が始まり、東大で金融論の講義をスタートさせます。私の講義では、私の実務経験と学者としての経験をベースに、両者のバランスが取れた講義を行っています。本学の学生で金融に興味がある方は受講してもらえればとおもいます。

昨年も記載しましたが、最初に金融システム全体の話をした後、アセットプライシングの話をします(CAPM、バリュエーションなどの話をします)。その後、国債を中心に債券の基礎を説明し、企業金融や銀行論などをカバーします。基本的に昨年の内容をベースにするので、下記も参照してください。
今期の金融論の講義|服部孝洋(東京大学) (note.com)

気を付けてほしい点は、私が東大で行っている講義は基本的に、これまで金融論をうけてこなかった学生を想定しています。これまで金融にはあまり触れてこなかったが、今年金融を勉強したいという学生に適しています(いわゆる入門的な講義です)。その一方、デリバティブの発展的な度を知りたい学生や金融政策などを知りたい学生には必ずしもフィットしていません。経済学部などの講義ではそういう講義も充実しているので、発展的な内容を知りたい人はそちらも受けてもらうといいとおもいます(例年通り、金融政策については時間の関係でまるまるカットするので、金融政策については金融政策そのものを取り扱う講義やマクロ経済学の講義を受講してください)。

昨年と違う点は主に2点です。今年は「日本国債入門」をリリースしたので、債券の内容を少し丁寧にカバーする予定です。この講義は2単位の講義であり、基本的には基礎的な内容なのでそれほど細かい点については触れられませんが、債券全体をバランスよく知るためのガイダンスを行います。個人的には受講者は是非この書籍を手に取ってもらい(図書館でもかりられるので買ってくださらなくてもいいです)、通読してほしいです。


2点目は、今年は企業金融を講義する中で、大手金融機関で投資銀行ビジネスを少なくとも10年以上行っている実務家をゲストに呼び、その講義に加え、ディスカッションのようなことを行おうと思います。

昨年は理系(理学部・工学部)の学生も半分くらい受講していたようで(どういう形で僕に行きついたのかわかりませんが)、理系の学生も歓迎します。


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