2024年7月11日に為替介入?介入規模の計算のプロセスの確認

2024年7月11日の21時30分ごろ、円ドルレートが大きく円高に動き、為替介入が疑われています。そもそも21時30分に米国でCPIの発表があり、市場予想を下回ったということもあるのですが、それしても4円くらい短時間で円高に動いています。


介入があったかどうかは財務省からいずれ明らかにされますが、市場では実際にこれがあったかの検証がすぐになされます。このプロセスは下記にも記載しましたが、次のようなプロセスになります。
外為特会の基礎⑤:為替介入規模の推定|服部孝洋(東京大学) (note.com)

① まず、為替介入が実施された2営業日後の資金需給予測値を用います(資金需給予測値は短資会社が定期的に出しています。こちらには介入の影響が反映されていない点に注意してください)。
② 次に、介入が実施された2営業日後に、日銀が公表する「日銀当座預金残高要因と金融調整」による「財政等要因」を用います(こちらには為替介入の効果が反映されている点に注意してください)。
③ ①と②の差分を使って為替介入の効果を得る。

すなわち、介入がなされた2営業日後における
為替介入の規模
≒日銀公表分の財政等要因-短資会社による財政等要因の予測
で推定するということです。

今回の場合、2営業日後に相当するのは7月16日です。したがって、7月16日の「財政等要因」の予測と、7月12日の18時頃に公表される、7月16日における日銀の「財政等要因」の差額をみればよいということになります。

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juq/index.htm


7月16日における民間の「財政等要因」の予測は、下記の通りです。

上田八木: 2,000億円
セントラル:4,000億円 
東京短資:5,000億円

若干ブレがありますが、平均すると4000億円弱くらいなので、これからどれくらいぶれるか、ということを7月12日の18時に検証することで、為替介入があったかの議論がなされるとおもいます。その情報は下記のサイトより参照できます。
日銀当座預金増減要因と金融調節(毎営業日) (boj.or.jp)

私にとってにわかには信じられないのは、テレビ朝日が今回、政府関係が介入を明かした、とコメントしている点です。私の記憶では介入ではその直後にこういうコメントが出ることがないので、率直に驚いています。

以上、簡単なメモになりますが、備忘録として記載しておきます。

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