国債金利データ(時系列)の取得に関するメモ:財務省とBloombergのデータ

日本国債の金利に関する時系列データですが、知人が時系列のデータをえるうえ財務省のウェブサイトを使うと、下記のように、昭和や平成が表記されているため、時系列で加工しにくいと指摘していました。

もっとも、英語のサイトをみると、下記のようになっているため、時系列データの加工が簡単なので、こちらが有益です。

ちなみに、財務省のデータはスプライン補間をしているため、その点に注意してください。算出方法は下記の通りで、開示されています。

https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/outline.pdf

このスプライン補間の方法がいいかどうかには賛否両論あるのですが、詳細を知りたい読者は私が記載した「イールド・カーブ 推定の動向」を参照してください。この中で、スプライン補間については下記のようにコメントをしています。

典型的には年限を区切り、その区間の中で多項式を用いて、ディスカウント・レートやフォワード・レートを近似する手法が用いられる。実務家の間では、スプライン関数を使うことが多く、例えば、財務省が公表している利回りやBloombergの機能であるBVALの算出する利回りは、スプラインベースの補間がなされている。

これは本当に一般向けに記載していてテクニカルな部分は捨象してしまったため、これを拡張したものをリリースしようとおもっています。

なお、財務省のデータは上述のように補間しているため、実際に市場で取引されているカレントの10年金利などとかなり違う値になることがあります。年限が3か月などずれることがあるからですが、カレントを繋いだ系列を使いたい人は、Bloombergのジェネリックティッカーが有益です。例えば、GJGB10とすれば単利、GJGC10とすれば複利が得られます。もっとも、こちらの系列は新しい新発債が出るときに少し非連続的な動きになります。また、長い期間のデータが必要であれば財務省のほうが適しているとおもいます。いずれにせよ、時系列データで見せたいときや、マクロ分析などで使うときはどちらで使っても構わないと思います。


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