2022年 CREPEで実施したインターンのメモ

東京大学にはCREPE(政策評価研究教育センター)という組織があり、私もそこに所属しているのですが、今年の夏は、学部生を対象にインターンを実施しました。CREPEに所属している研究者のリサーチアシスタント(RA)という形で、夏休みの時間を利用し、東大の学部生向けにインターンを実施するというものです。

私の場合、専門が金融がメインになるため、金融のリサーチを希望する学生を募集しました。当初はどれくらい希望があるかなとおもっていたのですが、思った以上に希望があり、かつ、優秀な学生から希望が多かったということから、結果的に6名参加することになりました(6名中で経済学部の学生が4名、理科1類の学生が2名という感じです)。

今年は実際にデータを使うチームと、海外の制度や文献を調べるというチームにわかれました。前者は、私が役所のシンクタンクで長年、研修等にかかわっていた経験を生かして、実際にデータをとってもらい、Stataなどを使って簡単な実証分析をしてもらうというものです。後者については、海外の債券市場や債務管理政策などについて英語で調査をしてもらうというものでした。こちらについては実際に文献調査だけでなく、実際にメールをしてヒアリングするなども行いました。本日、非価格競争入札の論文をリリースしましたが、その一部についても学生にサポートをいただきました。

実際には、2か月間しかないため、あっという間に終わってしまったという感じです。学生は夏休みに他のインターンに参加することが多く、その両立が求められましたし、学部生だとそもそもデータや統計ソフトを使ったことがないというケースもありました。特に、RAの数が一気に増えたので、学生には申し訳なかったのですが、私自身がそのスケジュールを把握・管理するのもかなり大変ということもありました。学生がどれくらい学びを得られたかは不安ではありますが、実証をやったチームは基礎的なデータをとってきて、実際に統計ソフトを使って結果を解釈すること、また、海外調査のチームは、海外の基礎文献をみてそれを理解するという作業は良い経験であったのではと感じています。

私のRA自体は随時募集しているのですが、いかんせん、今は研究費が枯渇している状況です(もちろん大学からのサポートはあるのですが、大学の先生は小さな会社の社長みたいな感じで、自分でファンディングしてくる必要があります)。この夏はJPXさんのご厚意で、一定のサポートをいただいたのですが、学生を採用するにはもう少しファンディングしなければいけない状況です。もっとも、私がやっているようなリサーチに関心がある学生は、個人的には資金が許す限りRAとして参加してもらいたいと思っているため、希望がある学生はコンタクトしていただければと思います(来年もCREPEで募集するとおもいますので、関心がある学生はご参加ください)。もっとも、データを打ち込むなどの比較的単純な作業もある点に注意してください。特に来年には海外の中央銀行や債務当局、規制動向の調査をより強化すること、また、日本の基礎的な債券の制度を英語にしていくという作業を考えています(今、国債先物の資料をJPXと学生の協力をへて英語化していくという作業をしています)。


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