連作小説【シロイハナ】2

弟は本当によく母のことを思ってくれていた。病院に通う回数でさえ僕とは比にならなかった。忙しいにも関わらず、仕事が終われば高速を使い病院に通った。母に直接優しい言葉をかけ、大丈夫だと近くで寄り添い不安な母を励ましてくれる。本当にすごやつだ。ありがとう。

あまり暖房の効いていないカフェテリアで背中を丸めながら何の規則もない机の木目をただ一点に見つめ、そのお店おすすめのオリジナルブレンドを少しぬるいなと思いながらひとり啜る。履き慣れたブルージーンズが少し寒く感じる。

考えていた。この先どうなるのだろうかと。母は本当に検査入院なのだろうか。もしかすると、もっと重要なことを教えてくれないまま、僕たちに気を遣わせないようにしてくれているのではないだろうか。はたまた本当に検査入院で、もしかするとその先すぐに退院できるのではいだろうか。その後の生活は、はたして今の給料で賄っていけるだろうか。いま自分にできることは。。

答えがでない。すっごく頭を使った。あれこれやと思い巡らせても一向にそれらしい答えが出てこない。何の為に生まれてきたのだろうか。そんなことを考え出してしまう始末。堂々巡り。なにも進むことがない。俺はどうしたらいいのだろうか。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?