結局土曜日の夜note

前回の投稿の際に、次は一週間も空けずに載せるかも、とか言ってましたがしっかり一週間空けました。
今回は前回の倍は載せると言いましたので、それは守りたいと思います。
おそらく3倍くらいにはなってると思います。
よろしくお願いいたします♪

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○奪破の長屋

明転 玄心 巻物を読んでいる
お霧 登場

お霧 「ただいまー」
玄心 「おう帰ったか。あれ、時雨に会わなかったか?」
お霧 「会ったよ。呉服屋に用事があるって行っちゃった」
玄心 「あぁ、さっきの女のとこか」
お霧 「知ってるの?」
玄心 「あぁ。さっきわざわざここに来ててよ。あれはきっと時雨に惚れてるな。どうするお霧?」
お霧 「どうするって?」
玄心 「呉服屋に時雨をとられちまうぞ」
お霧 「馬鹿馬鹿しい。あたいには関係ないだろ」

陸丸 登場
陸丸 「あ、お霧おかえり」
お霧 「ただいまー」
陸丸 「時雨と一緒じゃなかったの」
お霧 「呉服屋に行ったって言ってるでしょ!」
陸丸 「いや初耳です…」
お霧 「お団子ちょうだい」
陸丸 「はいよ。何団子にする?」
お霧 「いつものやつ」
陸丸 「きな粉ね、かしこまり~」

陸丸 団子を取りに長屋の奥へはける

玄心 「そうだお霧」
お霧 「何?」
玄心 「おめぇは吟蔵老師から巻物もらったか?(巻物見せる)」
お霧 「巻物?いやもらってないけど。それ何が書いてあるの?」
玄心 「これか、ふふふ。聞いて驚くなよ。…字が読めねぇんだ」
お霧 「ださっ。読めないものもらってもしょうがないでしょ」
玄心 「それを解読しようとしてるんだよ。時雨に読ませたら適当なこと抜かしやがるし」
お霧 「適当なことって?」
玄心 「手裏剣が刺さると痛い、とか」
お霧 「あはは、そんな事が書いてあるの?面白いね」
玄心 「どこが面白いんだよ。そうだおめぇは読めねぇか?ほれ(巻物見せる)」
お霧 「どうかな(読む)え?!」
玄心 「読めるのか?何て書いてある!?」
お霧 「えっと…」
玄心 「うん!」
お霧 「手裏剣は刺さると痛いが、かすっても痛い」
玄心 「またそんなことかよ!老師は俺に何を伝えたいんだ!」
お霧 「あはは、冗談よ。あたいも読めないや」
玄心 「何だよ、馬鹿にすんじゃねぇよ」

陸丸 団子持って登場

陸丸 「きなこ団子お待ちー」
お霧 「ありがとう。いただきます」
玄心 「団子ばっか食ってると団子みたいになっちまうぞ」
お霧 「団子になれるなら本望だよ」
陸丸 「おいしい?」
お霧 「まだ食べてない。あ、そうだ陸丸、山でこんな木の実を見つけたんだけど、これ食べられる?(出す)」
陸丸 「これは、珍しい木の実だねー。初めて見たからわかんないけど食べてみようか」
お霧 「わからないなら食べないほうがいいでしょ」
陸丸 「見た感じ美味しそうだし」
お霧 「でも毒とか入ってたらどうするんのよ」
陸丸 「毒かー、まあでも死にはしないからね」
お霧 「死ぬよ!毒ってのは死に至るものなのよ!」
陸丸 「死ぬ?でも死んでも奪破流忍術輪転の術で蘇られるから大丈夫だし」
お霧 「そんな術ないの!」
陸丸 「でもこれ美味しそうだし」
お霧 「好きにすれば」
陸丸 「止められないと寂しいな」
お霧 「もう止めないよさっさと食べなよ」
陸丸 「でも毒で死んじゃうかもしれないよ」
お霧 「死ね」
陸丸 「こわー。お霧の本性が出たよ」
お霧 「それよりあんた達、まさか気づいてないわけじゃないわよね?」
玄心 「気づいてないって何が?」
陸丸 「あー、お霧髪型変わった?」
お霧 「そんなことじゃないわよ。そこどいて!(下手方向に手裏剣投げる)」

人影がさっと逃げる
陸丸 「え?!いつから?」
お霧 「私が来た時にはすでにいたわよ。二人して気づかなかったわけ?」
玄心 「俺はもちろん気づいてたけどな」
陸丸 「嘘つくなよ、絶対気づいてなかったろ。で、どこの誰なの?」
お霧 「さあね、流行りのにわか忍びじゃないの」
陸丸 「俺たちの懐に忍びこもうなんて10年早いわ」
お霧 「しっかり忍び込まれてたのよ!」
玄心 「今回は見逃してやったが次はそうはいかねぇ。この玄心様が退治してやる」
お霧 「それは頼もしいね」
玄心 「ん?殺気!何やつ!(上手方向に手裏剣投げる)」
長治郎「うわっ!ちょっといきなりなんですか!あっしですよ!」

長治郎 登場

玄心 「おー道具屋の長(ちょう)じゃねーか。元気か?」
長治郎「元気ですが、あやうくあの世行きでした」
陸丸 「長さん今日は何か面白い情報ある?」
長治郎「もちろんございますよ」
陸丸 「おーさっそく聞かせてよ」
長治郎「これをご覧ください(紙をだす)」
玄心 「何だ?」
長治郎「幕府の御墨付でございやす」
玄心 「何が書いてあるんだ?」
長治郎「簡潔に言うと、幕府専属の忍者を選定するって内容です」
玄心 「幕府専属の忍者?何だそりゃ」
お霧 「それを選定してどうするの?」
長治郎「へぇ、今の忍びの者と言えば、各地の大名に一時的に雇われたり、旗本や町民の小さな依頼を受け任務を果たすのが主で、忍びだけを生業にしていけるものじゃあございやせんよね」
玄心 「そうだ。それができてりゃ傘張りや団子屋なんてやってねぇのによ」
長治郎「そこで今回の幕府専属忍者です。これに選ばれた忍びは幕府の役職として公務につき、その俸禄もかなりのものだとか。つまり忍びを生業にできるって事です」
玄心 「何!?それは願ってもねぇことだ!絶対俺たちがそれにふさわしい!よし長!俺たちで決まりだ!幕府にそう伝えてこい!」
長治郎「いやそう簡単に決められるものじゃあございやせん。その枠を巡って忍び達が凌ぎを削ることになるでしょう」
玄心 「その必要はねぇ。俺たちがいいに決まってる!そうだろ長!」
長治郎「いや、あっしが決めるわけではございやせんので」
お霧 「それはどのように決められるの?」
長治郎「それがですね、詳しくは他日知らせるとのことで」
陸丸 「気になるね」
玄心 「そんなもん、力で決めるに決まってんだろ」
長治郎「どうですかねぇ。当然忍びとしての力量は試されるとは思いやすが」
玄心 「そういうことなら、なおさらこの伝説の術を習得すべきだな。よしさっそく修行だ!(長屋の横で何かしら特訓)」
お霧 「でも、逆に言うと選定されなかった忍びは、これまで以上に任務が減るってことよね」
長治郎「左様です。幕府は選定した忍びを正式な役職につけ、その他の忍びは認めないという話のようなので、任務が減るというより皆無になるかと」
お霧 「それで次々解団しちゃってるというわけね」
長治郎「いずれにせよ、幕府の御墨付なので抗う事はできやせん」
陸丸 「幕府は絶対か。どうするお霧」
お霧 「んー、ひとまず時雨さんが帰ってきたら相談しましょう」
玄心 「おい!おめぇらも来るべき決戦にそなえて修行しておけ」
お霧 「まだどういう内容かわからないよ」
玄心 「どういう内容だろうと体術、忍術を磨いて損はない!」
お霧 「それはそうだけど」
玄心 「お前達俺の足を引っ張るんじゃないぞ。特に陸丸!」
陸丸 「何だよ」
玄心 「お前はまだまだ修行が足りん!」
陸丸 「何で上から目線なんだよ」
玄心 「上だからだ」
陸丸 「どうだかね」
玄心 「ほぉ、おめぇ俺に勝てる気でいるのか」
陸丸 「やってみれば」
玄心 「おもしれぇ(構える)」
お霧 「やめなさい!何してるのよあんたたち」
玄心 「弱い者が強い者に逆らうとどうなるか教えてやるんだよ」
陸丸 「だから、いつおいらが下になったんだよ」
玄心 「この世に生れた時点でだ(構える)」
お霧 「だからやめなって!しまいには私も怒るよ!(構える)」
玄心 「おっと、今回はお霧に免じて許してやるよ」
陸丸 「完全にびびってるね」
玄心 「びびってねぇよ」
長治郎「まあまあお二人さん。そんなことより、もうひとつ情報がありやして(このやりとりの間に団子を食べ終える)」
玄心 「何だ?」
長治郎「新しい武器を入手しやした」
玄心 「何!それを先に言え馬鹿野郎」
長治郎「言う前にあれこれ聞いてきたんじゃないですか」
陸丸 「例のアレも入ったの?」
長治郎「入りましたよ」
玄心 「どれ、さっさと見せろ」
陸丸 「見せて見せて」
長治郎「いえ、今はありやせん」
玄心 「ねぇだと?ふざけんな」
陸丸 「そうだよ期待しちゃったじゃないか」
長治郎「申し訳ございやせん。今日はちょいと町に持って行く荷物が多かったもので」
陸丸 「じゃあ、いつ持ってこれるの」
長治郎「へぇ、これからひとっ走り行って取ってきやす」
玄心 「よし今すぐ行け。そしてハヤブサの如く戻れ」
長治郎「それは無理ですよ。いかんせん近間ではねぇので。暮れ六つには戻りますんで」
お霧 「無理しないでいいよ。別に今度でもいいし」
長治郎「いえ、必ず今日お持ちしやす。商売は早さが命ですから。しばしお待ちを!あ、その前に厠をお借りしてもいいですか」
お霧 「どうぞ」
長治郎「かたじけない」

長治郎 厠へ

お霧 「あんまり無茶な事ばっか言わないでよ」
玄心 「これがあいつの仕事だ。構うこたねぇ」
陸丸 「それより時雨まだかなー」
玄心 「あいつを待つのも癪だな。もう俺たちで決めちまおうぜ」
お霧 「ダメよ。時雨さんがいないと、まとまる話もまとまらない」
玄心 「そんなことねぇだろ、なあ陸丸」
陸丸 「お霧に一票」
玄心 「何だよ。俺は待つのが嫌いなんだよ」
お霧 「待ってる時間で傘張りしとけば」
玄心 「傘張りなんかやってられるかよ。どうせもうじき幕府の役職につくんだ。やる必要ねぇよ」
お霧 「どこまでも楽天的だね。だいいち、あたいらよりも伊賀や甲賀の方が人数も力も上だと思うけど」
玄心 「うるせぇ。確かに数では勝てねぇが力では負けねぇよ。何たって俺たちは吟蔵老師に選ばれし天下の四天忍(してんにん)なんだからよ」
お霧 「そんな通り名ないし。ただのあぶれ者の集まりでしょ」
陸丸 「そうだ、この件に関しては一度老師にも相談したほうがいいんじゃないかな。ほら巻物の事も聞いてさ」
玄心 「馬鹿野郎、老師はもう隠居したんだ。こんなことで老師の知恵を借りられるかよ」
お霧 「そうね。相談したくても今の老師の状態では難しいかもね」
玄心 「まだまだ長生きしてもらうためにも、今はゆっくり休んでもらわないとな。だから今は俺たちの判断で動くしかねぇんだよ」
陸丸 「そっかー」

長治郎 厠から戻る

長治郎「すいやせん、ありがとうございやした」
玄心 「どれ、武器を見せろ」
長治郎「いや、まだこれから出発するところですって」
玄心 「のろまな野郎だな。軍艦鳥ならもう十は往復してるぞ」
長治郎「そんなすばっこいやつと比べんで下さいよ。では行ってきやす」
お霧 「お気をつけて」

長治郎 はける

お霧 「じゃあ、あたいは時雨さんが戻るまで草鞋を編んでるよ」
玄心 「そんな内職しなくていいから、術を磨け」
お霧 「はいはい」

お霧 長屋の中へ

陸丸 「玄心」
玄心 「ん?」
陸丸 「あ、いやごめん何でもない」
玄心 「何だよ、言いかけたことは言え」
陸丸 「いやごめん大丈夫」
玄心 「こっちが大丈夫じゃねぇんだよまったく。そうだ!青狼煙をあげよう。そしたら時雨も帰ってくるだろ」
陸丸 「そんな緊急でもないのに、大袈裟だよ」
玄心 「俺からしたら緊急なんだよ。なんなら漆黒狼煙あげるか」
陸丸 「ダメダメ。それこそ大ごとになっちゃう」
玄心 「だったら青狼煙あげろ」
陸丸 「わかったよ(準備する)」
玄心 「久しぶりだな、あいつちゃんと気づくかな」
陸丸 「外にいれば気づくと思うけど」

陸丸 筒状の道具を地面に置き火をつける
青色の煙が出て空に立ち上る

玄心 「おぉ鮮やかな青狼煙だ。これですぐに帰ってくるな」
陸丸 「すぐに来てもらうことでもないんだけどね」
玄心 「善は急げだ。よし待ってる間も特訓だ。おめぇもやっとけよ」
陸丸 「うん…」

玄心 何かしら特訓

陸丸 「…」

陸丸 団子を片付けがてらはける

暗転

ー・ー・ー・ー・ー・ー
というやつでした。
今回少し長めに載せて思ったことは、全部まとめて載せたほうがいいかもな、ということです。
でもそれだと長すぎて読みにくいのかな?
あ、そもそも区切っても読まれていないんだった笑
とりあえず次回もこれくらいにします。
ではまた来週♪


サポートエリア?についても何もわかっておりませんm(_ _)m 感謝を申し上げればいいのでしょうか?当然そうですよね。ありがとうございます!!勉強します!!