今週は長めに載せました

7月も今日で終了ですね。
下半期もスタートダッシュを決めましたね。
こっからまた加速して、あっという間に今年が終わるのでしょう。
とは言っても、まだ5ヶ月ありますからね。
厳しい世界情勢は続いてますが、それに負けずに少しでも楽しく生きていきましょう。
というわけで3回目を載せますね。
前回と前々回のを呼んでない方は、とても短いので見ていただければ。
あ、配役は1回目を載せた時に見出し画像にあげた、公演のフライヤーに載ってますので、よろしければご確認くださいね。
それではどうぞ♪
ー・ー・ー・ー・ー・ー
時雨 登場

時雨 「忍術とはなんだって、玄心大先生」
陸丸 「時雨おかえりー」
玄心 「おう、おめぇにも俺様の忍術を伝授してやろうか」
時雨 「遠慮しておく。そこの柳の木にでも教授してろ」
玄心 「確かに、柳の方がおめぇより遙かに素直で教えがいがある」
時雨 「柳の木ならどんなくだらない教えでも、優しく頷いてくれるからな」
玄心 「くだらないって何だ(前のめりになる)」
陸丸 「まあまあ、木っ端喧嘩はやめてくれよ。そうだ時雨読めるかな、その巻物」
時雨 「巻物?」
陸丸 「玄心が老師から頂いたんだって」
時雨 「老師から?」
玄心 「その様子からすると、お前ももらってないようだな。矢張り俺だけが選ばれし後継者ってわけだな」
時雨 「何が書いてあるんだ?」
玄心 「ふふふ。気になるか。特別に教えてやろうこれはな、なんと伝説の…」
陸丸 「字が読めないんだ」
玄心 「おい!ばらすな!」

陸丸 玄心から巻物を取って時雨に渡す

玄心 「おい!だからこれは大切な…」
陸丸 「読める…?」

時雨 巻物を読み真剣な表情

時雨 「これは…」
玄心 「どうだ、秘伝の奥義の数々が記されてあるだろ」
時雨 「確かに重要な事が書かれている…」
玄心 「矢張りな(勝ち誇った顔)」
陸丸 「何が書いてあるの?」
時雨 「(巻物を見ながら)手裏剣が、刺さると、痛い」
玄心 「は?」
陸丸 「手裏剣が刺さると痛い?」
時雨 「崖から落ちると危ない。夜寝ないと朝つらい。こういうことが数多も書かれている」
陸丸 「え、そんだけ?そんな通途(つうず)なことばかり?」
玄心 「ホラ吹くんじゃねぇよ!そんなはずねぇ!吟蔵老師がそんな幼稚な巻物よこすかよ」
時雨 「お前にとっては必要な事が集約されている。端から端まで心して読め(巻物を渡す)」
玄心 「うるせぇ!馬鹿にすんな!(巻物を取る)」
時雨 「陸丸、団子をひとつくれ」
陸丸 「はいよ、団子の味はどうする?」
時雨 「味…?………。(ためて)ごま」
玄心 「すっと言えよ!何の間だ」
陸丸 「かしこまり~」

陸丸 団子を取りに長屋の奥へはける

玄心 「しかしよ、忍びっていうのはどこもこうなのか?」
時雨 「ん?」
玄心 「だからよ、堂々と忍びを生業にはできねぇもんなのか?」
時雨 「忍びとは文字通り世を忍んで生きるもの。堂々となんて以ての外。ましてや任務も減っている時勢だ。生業にするのは至難だろうな」
玄心 「確かに、近頃は無駄に平和になってるからなぁ」
時雨 「平和に無駄も糞もない!」
玄心 「そりゃそうだけどよ。俺達にとっては退屈極まりないぜ」
時雨 「それでいい。俺たちが多事であれば、それだけ世の中多難ということだ。退屈に奉謝しておとなしく傘張りしてろ」
玄心 「傘張りなんてやってられるかよ。俺は忍び一本でやっていくんだよ」
時雨 「なら伊賀にでも混ぜてもらえ。ここにいるよりはよっぽどその見込みがある」
玄心 「あいつらなんて忍びだか盗っ人だかわかったもんじゃねぇ」
時雨 「そういう風聞もあるが定かではない」

陸丸 団子を持って戻る

陸丸 「ごまだんごお待ち」
玄心 「おめぇ団子食う面かよ」
時雨 「団子を食う面というのはどういう面だ」
陸丸 「まあまあ、いいから食べてよ」
時雨 「いただく(食べる)」
陸丸 「味はどう?」
時雨 「美味い。が、別に団子は誰がつくっても美味い」
陸丸 「そんなことないよ。結構こだわってるんだから」
時雨 「こだわっててこれなら、今いちだな」
陸丸 「厳しいなー。それより時雨の表稼業はどう?忍びだと気付かれてないの?」
時雨 「俺は魚屋(うおや)だ。普通にしてれば何も問題はない。そもそも庶民に底が割れるようじゃ忍び失格だ。そんなやつに、忍びとして絶対に失敗の許されない、諜報活動など遂行できるはずがないからな」

香代 小走りで登場

香代 「あーいたいた、時雨さん時雨さん」

3人振り向く

時雨 「これは呉服屋の香代さん。いかがなされました?」
香代 「ちょっとあんたに頼みがあるんだよ」
時雨 「私に頼み?いかような?」
香代 「実は近頃うちの店の周りを、怪しい男が彷徨いててさ。その男が何者なのかあんたに調べてほしいんだよ」
時雨 「え?それをどうして私に?」
香代 「何言ってるんだ、あんた忍び者だろ」
玄心 「ばれてるじゃねぇか」
時雨 「香代さん、私は魚屋ですけど…」
香代 「馬鹿いってんじゃないよ。こんななりした魚屋がどこにいるってんだい」
陸丸 「ごもっとも」
時雨 「ということは、もしや前々から知ってらしたのですか?」
香代 「当たり前だ」
時雨 「ということは、もしや香代さん以外の方も…」
香代 「町中みんな知ってるよ」
時雨 「…」
玄心 「さっきの言葉を町中の人に聞かせてやりてぇな」
香代 「そもそも魚屋なのにタコしか売ってねーってのが変だろ」
陸丸 「タコだけ…?時雨意外とまぬけだね」
時雨 「(咳払い)それより、その怪しい男というのは具体的には何がどう怪しいんですか?」
香代 「それがね、店のまわりを彷徨いてるもんだから声をかけたらさ、何も言わずにさっと行っちまうんだよ。それが一度や二度じゃなく何日も続いてるんだよ」
玄心 「何日も?」
陸丸 「それは確かに怪しいね」
時雨 「それで私にどうしてほしいと」
香代 「気味が悪いからさ、その男が何者なのかつきとめてほしいんだよ」
玄心 「そういうことならうちの時雨におまかせ下さい」
時雨 「勝手な事をいうな」
玄心 「なんせこいつは、失敗の許されない諜報活動を遂行するために生れてきたような男なんで」
時雨 「やめろ」
香代 「そいつは頼もしいね」
時雨 「しかし、それしきの事なら私じゃなくても誰か…」
香代 「あんたにやってほしいんだよ。あんたの忍び者としての仕事っぷりを見たいしね」
時雨 「いやしかし」
香代 「それともあれかい、所詮タコしか売らないただのへんてこな魚屋なのかい」
時雨 「いやそれも…」
香代 「お足もちゃんと用意するからさ、よろしく頼むよ。とりあえずあとでうちの店によっておくれ」
時雨 「あとで?いや…」
香代 「それじゃあ失礼するよ」

香代 ダッシュではける

陸丸 「はやー。呉服屋じゃなくて飛脚に向いてるかもね」
玄心 「忙しいねぇ、タコ屋の時雨さんよ」
時雨 「タコを馬鹿にするな。土用のタコは親にも食わすなと言われるほどだぞ」
玄心 「早く行った方がいいんじゃねぇのか、えらく急いでるみたいだし」
時雨 「ああいう性分だ。俺にも都合がある」
陸丸 「それにしても、町中の人に忍びだと気づかれてるのはまずいんじゃない」
時雨 「気づかれたのではない。あえて気づかせたのだ」
玄心 「言ってることが違うな」
時雨 「こういう時勢だ、問題はない。忍びが溢れすぎたせいで、忍びの存在がさほど特別ではなくなってしまっている。もはやどっちが裏か表かもわからない」
陸丸 「でも、片や忍びの集団が次々解団してるって話だよ」
時雨 「解団?忍びを始めたはいいが、そう容易いことではないと悟ったにわか忍び達だろう」
陸丸 「おいらも最初はそう思ったんだけどさ、ここ数日で木実指、瑞破、走千、そして京賀までも解団したらしいよ」
時雨 「京賀?」
玄心 「京賀はちぃと気になるよな。あいつらは幕府にも仕えていたはずだ」
陸丸 「そうなんだよね。何があったのかな」
時雨 「よその事情なんて知るよしもない。それよりお霧はどうした?」
陸丸 「そういえば朝から見てないね。山にでも行ったのかな」
時雨 「あの身体で山に行ったのか」
陸丸 「平気だよ。自分でもそう言ってたし」
時雨 「心配だな」
玄心 「大丈夫だって。何たってお霧だぜ」
時雨 「その理屈はわからん。ちょっと見てくる」
陸丸 「心配ないって、おい時雨、団子残ってるよー!」
時雨 「食べていいぞ」
陸丸 「食べていいぞって俺が作ったんだよ」

時雨 ダッシュではける

陸丸 「またはやー。一気に山を駆け上がる勢いだね」

ー・ー・ー・ー・ー・ー
というところまで。
今回はけっこう長めに載せましたね。
これぐらいは読むのも余裕ですかね?
長いとか、もっと長くてもいけるとかあれば言ってください。
まあそもそも、誰にも読まれていない可能性も否めませんからね笑
次回も程よく載せますね。
ではまた来週♪




サポートエリア?についても何もわかっておりませんm(_ _)m 感謝を申し上げればいいのでしょうか?当然そうですよね。ありがとうございます!!勉強します!!