9月も中旬だね

どうもこんばんは。
今週も週一noteを載せますね。
もう読んでる人はいないかもしれませんが、全くいないわけではないので変わらずに載せていきますよ。
え?誰かこれを毎週読んでいる人を知ってるのかって?はい、知ってますよ。
僕自身が毎週楽しみに読んでいます笑
でもこれ本当ですよ。
僕は毎回noteに載せる時に、載せる分だけを読んでいます。
なので自分のために最後まで載せますからね笑
本日もよろしくお願いいたします。

ー・ー・ー・ー・ー・ー
○奪破の長屋

明転 時雨 急ぎ足で戻って来る

時雨 「おい!何があった?!」
玄心 「やっと帰ってきたか遅いぞ」
時雨 「何があったんだ?!お霧は大丈夫か?!お霧!お霧!」

陸丸とお霧 登場

陸丸 「おー時雨おかえり」
お霧 「どうしたの?そんなに慌てて」
時雨 「慌ててって青狼煙を見て!」
お霧 「青狼煙?」
玄心 「あぁ俺たちがあげたんだ。だって遅ぇんだもん」
お霧 「そのためだけに青狼煙を?」
玄心 「久しぶりに使ってみたかったしな」
お霧 「そんな遊び感覚で使わないでよ!」
玄心 「いいじゃねぇか、漆黒狼煙ならまだしもよ」
お霧 「漆黒狼煙なんて!縁起でもない!そんな軽々しく言わないでよ」
玄心 「うるせぇなわかってるよ」
お霧 「わかってないでしょ!青狼煙だって緊急の時以外は使っちゃいけないの!」
玄心 「俺にとっては緊急なんだよ!」
時雨 「やめろ。何もなかったならそれでいい」
お霧 「でも」
時雨 「いいんだ。で、何の用だ?」
玄心 「大事な話があるんだ」
時雨 「大事な話?」
陸丸 「とりあえず中で話そうか」

4人長屋の中に入る
蓮華 忍び足で登場し様子を窺う
周りを見回し茂みに身をひそめる

陸丸 「呉服屋の方はどうだったの?」
時雨 「ん?あぁいろいろ話をしたが…、話って何だ?」
玄心 「さっき道具屋の長が来てよ」
時雨 「そういや行くって言ってたな」
陸丸 「うん。それでこれを持ってきたんだ(御墨付を見せる)」
時雨 「これは?」
陸丸 「幕府からの御墨付。幕府専属忍者を決めるらしい」
時雨 「幕府専属忍者?何だそれは?」
玄心 「文字通りだよ。幕府が専属の忍びを選定して役職につけるそうだ。つまりこれに選ばれれば、忍びを生業にできるってことなんだよ。これでおめぇもタコ屋なんてやらずにすむぞ」
時雨 「魚屋だ。しかし何故このような事を…」
お霧 「詳しいことはまだわからないんだけど、いずれしてもまずは参加するかどうかを決めなくちゃ」
玄心 「そんなの愚問だ。問題は参加するかどうかじゃなく、どうやってその座を勝ち取るかだろ」
陸丸 「だからどうやって決めるかもわからないんだよ」
玄心 「だから、力で決めるんだって」
陸丸 「そうとは限らないよ。時雨どう思う」
時雨 「確かに詳しいことがわからんと何とも言えんな」
玄心 「何だよ、結局こいつがきても全然話進まないじゃねぇか」
時雨 「ただ、仮にこの話が真(まこと)なら、俺は参加すべきだと思う」
玄心 「おっ!さすが時雨さん、わかってるじゃねぇか。ほれ、そうと決まればさっそく特訓だ!」
時雨 「真だったらの話だぞ」
玄心 「真も何も、現にこの幕府直々の御墨付があるじゃねぇか。ほらちゃんと判もある」
お霧 「何かひっかかるの?」
時雨 「これまでこういう話は聞いたことがないからな。幕府の意図もわからない」
玄心 「そんなもん、優秀な忍びを側に置きたいという事だろうよ」
時雨 「それならこれまで通り、都度必要に応じて雇えばいい。京賀あたりはその形ですでに、ほぼ幕府専属のような働きをしていた」
玄心 「そりゃあれだろ、やっぱり京賀じゃ心許なくなったんだろ。もっと優秀な忍びを従え、これまで以上に盤石な幕府を目指すということさ」
時雨 「そうかもしれんが…」
陸丸 「他の可能性があるってこと?」
時雨 「道具屋は帰ったのか?あいつにもっと詳しい話を聞こう」
陸丸 「新しい武器を取りに行ったけど、暮れ六つには戻るって。ただ長さんもこれ以上の情報は知らないって言ってたよ」
時雨 「隠してるだけかもしれん。とりあえず道具屋が戻るのを待とう」
玄心 「おいおいまた待つのかよ。あの野郎どっかで油売ってるんじゃねぇのか。仕方ねぇ、またひとりこの巻物の忍術の習得にはげむか」
時雨 「それ読めたのか?」
玄心 「いいや」
時雨 「じゃあ何を習得するんだ」
玄心 「俺ぐらいになるとな、この字の形から何となく忍術を想像して、それでなんとかなるんだよ」
お霧 「絶対ならない」
玄心 「俺とおめぇらじゃ想像力が天と空ほど違うんだよ」
お霧 「天と地ね」
玄心 「一緒だ。くそぉ、これが読めればなー(巻物見る)」
時雨 「…」
玄心 「おい、おめぇこれもう一遍読んでみろ!」
時雨 「何度読んでも同じだ」
玄心 「おめぇ俺が老師にこれもらったから悔しいんだろ!だからわざと出鱈目教えたんだろ!」
時雨 「出鱈目ではない!」
玄心 「いいや出鱈目だ。これにはもの凄い忍術の指南が記されてるはずなんだ!」
時雨 「そんな術覚えても何にもならん!」
玄心 「え?そんな術?」
時雨 「…(しまったというような表情)」
陸丸 「…」
お霧 「時雨さん」
玄心 「やっぱりこれには何かの術が書かれてるんだな」
時雨 「違う、そこに書かれてるのは取るに足らん事だけだ」
玄心 「おめぇは嘘が下手だな。教えろ。ここには何が書いてあるんだ?もしかしてやっぱりアレか…」
時雨 「教えるも何も、さっき言った通りだ」
玄心 「手裏剣が刺さると痛いなんて老師がわざわざ書くわけねぇだろ」
時雨 「なれば自分で調べろ」
玄心 「上等だ、こんなもんな俺の友人の出来杉屯平(できすぎとんぺい)に聞けば一発だからな!」
お霧 「出来杉?この時代にもいるのね」

蓮華 長屋の壁際で耳をそばだてようとするが、壁に立てかけてある鎌を落としてしまい音が鳴る

蓮華 「ひゃ!」
お霧 「誰だ!」
玄心 「長のやつが戻ってきたか?」
お霧 「女の声よ」

お霧 音がした方へ向かう
蓮華 慌てて逃げようとするも足がもつれて転ぶ

蓮華 「ひゃ!」
お霧 「何者だ!」

蓮華 慌てて立ち上がり長屋の裏に回る
壁に寄りかかり息をひそめるが壁が回転式の隠し扉になっていて長屋の中に出てしまう
蓮華 「ひゃ!」
玄心 「いらっしゃいませ」
お霧 「間抜けな侵入者ね」
陸丸 「どうされました?」
時雨 「どちら様かな?」
蓮華 「よ、よ、ようこそ…」
陸丸 「ようこそはおかしいよね。そっちが来たんだから」
時雨 「うちに何かご用ですか?」
蓮華 「は、は、歯が痛い…」
玄心 「知らねぇよ、うちは町医者じゃねぇぞ」
お霧 「危険な人物ではなさそうね。そこで何をしてたの?」
蓮華 「ち、ち、ちょっとこのあたりを散歩してたら美味しそうなお団子の香りがしたのでそれにつられてついつい来ちゃいました!(まくしたてる)」
陸丸 「急にいっぱい喋ったね」
蓮華 「というわけで私を仲間に入れて下さい!」
お霧 「話の流れがおかしいね。どういうわけでそうなるのよ」
玄心 「仲間って、俺たちが何者かわかってんのか?」
蓮華 「はい!」
陸丸 「返事がお上手。え?団子屋だと思ってきたんだよね?」
蓮華 「はい!」
陸丸 「じゃあ団子屋に入りたいってことかな?」
蓮華 「いえ!」
陸丸 「そんな大きな声で返事しなくても大丈夫だからね」
蓮華 「はい!」
陸丸 「だから」
お霧 「あたいたちが忍びの者だとわかって言ってるのね」
蓮華 「はい!」
玄心 「てことは忍びになりたいってことか?」
蓮華 「はい!というか私も忍びです!」
玄心 「はぁ?!悪ぃけどどう見ても忍びって柄じゃねぇよな」
蓮華 「柄にもなく忍びです!」
お霧 「どこかに属してるの?」
蓮華 「いえ!一匹狼です!」
陸丸 「かっこよく言ったね」
玄心 「そんなことよりその力強い喋りやめようか。こっちまで力入っちまう」
陸丸 「気楽にしていいですよ」
蓮華 「あ、いいですか~?ありがと~♪」
玄心 「極端すぎるな」
お霧 「仲間には入れたくないわね」
玄心 「あれか、今流行りのにわか忍びか」
お霧 「そうなんです。はじめたばかりです」
時雨 「これほどまでに忍びは軽い存在になってしまったのか…」
玄心 「そんなにわかと一緒にされちゃ困るけどな。ちなみに何か任務をこなしたことはあるのか?」
蓮華 「まだないです」
玄心 「ない?忍びをはじめてどのくらいだ?半年か3ヶ月か?」
蓮華 「半日です」
4人 「半日?!」
蓮華 「はい、昨日の夜寝る前にやろうって決めました」
玄心 「そんなダイエット感覚でやられてもよ」
時雨 「これが現実なのだろう」
蓮華 「それです!幕府の専属忍者の話をお聞きして。それで私もやりたいって思って。そのためには一人では無理なのでどこかのお仲間に入ろうと思いまして。そしたらここにそこそこ強い人たちがいるってお聞きしまして」
玄心 「そこそこってのが引っかかるけどな」
蓮華 「ここなら家からも近いしちょうどいいかなー、と思ってよってみました」
玄心 「完全にパート感覚だな」
蓮華 「蓮華と言います。今日からよろしくお願いします」
玄心 「仲間に入れるとは言ってねぇぞ」
お霧 「その幕府専属忍者の話って、町中に広まってるってこと?」
蓮華 「えぇおそらくは。道具屋の方が話して回ってましたので」
玄心 「あの野郎、ベラベラ喋りやがって」
時雨 「話はわかりました。今日のところはお引き取り下さい」
蓮華 「え?不合格ですか?」
玄心 「パートの面接じゃねぇぞ」
時雨 「合否の結果は後日ご連絡いたします」
玄心 「だから面接じゃねぇって」
蓮華 「わかりました。何卒よろしくお願いいたします。失礼いたします」

蓮華 隠し扉を使って帰る

陸丸 「そっから帰るんだ」
蓮華 「では失礼いたします」
陸丸 「お気をつけてー」
玄心 「仲間に入れろって言ってもねぇ」
陸丸 「何か昔の自分を思い出すなー」
蓮華 はけるが、袖から蓮華の声

蓮華 「ひゃー!」
玄心 「どうした!?」
玄心 蓮華の声の方にかけよる
蓮華を連れて伴取 登場

伴取 「なるほどここでしたか」
玄心 「何だおめぇは」
時雨 「今日はやけに客が多いな」
陸丸 「こいつできる…」
お霧 「その手を離しなさい!」
伴取 「ふはははははは。はい(蓮華を捕まえてる手を離す)」
玄心 「あっさり離すのかよ」

蓮華 皆の方に駆け寄る

ー・ー・ー・ー・ー・ー
というやつでした。
ここで出てきた「蓮華」も良い味出してますね。
演者的にも笑いが生まれてたと思います。
というわけで続きも楽しみですね(自分だけ)
それではまた来週!

サポートエリア?についても何もわかっておりませんm(_ _)m 感謝を申し上げればいいのでしょうか?当然そうですよね。ありがとうございます!!勉強します!!