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うみ博で車両運搬船の見学をしてきた

うみ博へ行ってきました。噂では聞いていたんですがホントにすごいイベントでしたが、僕が行ったのはその中の車両運搬船の見学だけで、これ全部楽しもうと思ったら1日じゃとても足りないのではという印象です。本稿では車両運搬船見学についてのみ述べております。

僕にとっては車両運搬船はけっこう身近な存在であります。長距離ドライブが趣味のようなものなので、横浜や名古屋などで自動車の輸出ターミナルを高速道路から眺める機会が多く、あの船ってどうなってんだろうなーと常々思っておりました。そしてそれが見学できる機会があることももちろん知っていたのですが、極めつけがこのTweetでした。

地球上で最もかっこいいコンテナ会社として名をはせるオーシャンネットワークエクスプレス(ONE)社のコンテナが展示されるのですが、このコンテナを見学するには自動車専用船の見学に当選しなければならないのです。
まさに一挙両得!一石二鳥!当然応募し、倍率8倍をなんとかくぐり抜けてチケットをゲットしたのであります。

※ONEは川崎汽船、商船三井、日本郵船のコンテナ事業が統合された会社で、自動車運搬はコンテナとは異なるので日本郵船のままってことみたいです。

当日は指定された時間にいそいそと横浜大桟橋へ向かいます。と。

でかくね?

まあほら、巨大客船とかマンションだという声もあるわけですが、これ、壁ですよね。何で浮いてるのかが不思議なくらいです。喫水線は10mくらいらしいのですが、艦橋から水面は32mくらいあるそうです。

受付を済ませ、手荷物検査を済ませて、申し込み種別で異なるリストバンドを装着します(これが後でとても意味を持ちます)。リストバンドはICタグになっていて、入場と退場がきっちり記録されるようになっています。

エントリーするとさっきの壁がもう絶壁としてそこに存在しています。

船の中は12の層に分かれており、居住区は一番上の層にありました。で、見学用のコンテナもここにおかれてあるのですが、順路としては運搬船の見学後になります。
マニアはここで仰け反るわけです。22R1だと?そう、コンテナはその大きさと機能によって型番が振られています。ザックリと長さを示すのが1桁目の数字で、2は20ft(約6m)。Rは冷蔵冷凍コンテナ(リーファー)であることを示します。リーファーコンテナでメジャーなのは45R1という40ft(約12m)の背高コンテナなのですが、展示されるのはもちろんみんな45R1だと思っていたのです。それさえも大井埠頭ではめったに出会えない代物。なのに!ここにあるのは!マニアもびびる20ftのリーファーコンテナだったのです。

しかもよく見てください。ドアあいてます。そしてスタッフが通る人に「コンテナ冷えてますよー」って声をかけています。まさかのコンテナ内部(冷え冷え)見学なんです。奇しくもこの日は梅雨が明けたのではと思うくらいの蒸し暑さ。嫌でも期待してしまいます。絶対入って帰るぞと。

さて、まだ見学は始まっておりません。船の中にすら入っておりません。それなのに、

一切の無駄がない、必要な情報を必要な人へ必要なだけ伝える、圧倒的にチューニングされたUIの世界。文字一つみても誤読がないように配慮されているし、しかもこれは海の上を何週間もかけて旅しまくるという、それはそれは想像を絶するタフな状況におかれてもなお、情報の伝達に齟齬があってはいけない世界。

そしてついに乗船…

逝った。初っぱなからこれ。なんなんだこれ。ずっと天井見て歩いてしまう。

床は場所によって色が異なるが、黄色に塗られている部分はモノを置いたり設置することはできない。

これはデッキの番号を示しているっぽい。塗装だけではなくしっかり彫り込まれていて削れても数字は読めるようになっている。もちろん、定期的にメンテナンスされてるようで、重ね塗りしている跡が見て取れる。

このデッキは5番デッキと呼ばれ、500台くらいの乗用車を置くことができるとのこと。

床にあいている丸い穴はクルマや貨物を固定するためのものだ。この自動車の荷役デモを見せてもらったが、自動車はミラーをたたんだまま運転するため、ナビゲーターが巧みに指とホイッスルでドライバーに指示していた。
車同士の間隔は横10cm、前後30cm。前後があいているのは固定などで人が通れるようにするためだ。

クルマは縦横組み合わせて効率よく乗せる工夫がされているが、効率よく下ろせることも考え抜かれている。また、どのクルマがどの位置にどの向きで載っているのかを、専用のタブレットに入力して相手に送っておくそうだ。

さて、1つ上のデッキへ移動するのだがアクセスコントロールがされており、事前抽選組のみが移動できるようになっていた。当日参加組が行くことができない、そこは艦橋デッキだ!

スロープにも自動車を固定できるようになっている。

デッキに書かれたこのマークはなんなのかと聞いてみたら、緊急時に全員がここに集合し、マークに書かれた役職の上に立つのだそうだ。全員の避難を確認してから救助艇に乗り込むわけだ。
おそらく、船のどこにいても規定時間内にここまで到達できるよう、導線に工夫がされているはず(さっきの黄色いペイントとかで)。

ああ、やばい、ホントに写真撮っていいんですかこんなの。触ってはいけない部分はカバーされているが、近くのスタッフ(航海士さんなどが常駐している)に機械の使い方や読み方などを質問するときちんと答えてくれる。写真にはないのだけど、六分儀の使い方、海図の読み方、モールス信号、信号旗、ああそうか、これ、夏休みだから大盤振る舞いしてるんだ。どおりでふりがなが沢山ふってあるんだ。

僕はここについた時にはすでに過大な入力をうけ、脳みそはパンク状態。吐き気に頭痛とつらい状態にあった。昔、情報の運び屋の映画(JM)を見たことがあるが、規定量以上の記憶を詰め込まれたキアヌリーブスはこんな気分だったんだろうなって思ったりしていた。

もう、存分に見たということで船を後にすることに。いや、ホントなら丸一日居たいぐらいだったが。あと、機関室ツアーは40分待ちということで諦めたりした。

空調がそれほどない空間に長く居たため、体はもうアッツアツの状態だ。船を出たらそこにはONEのブースが。

ああ、ついに。どれだけ眺めようが触ろうが写真に撮ろうがだれもとがめない、しかも超レアレアな22R1が目の前に。

ディテールを

ひとつひとつ

漏らさぬように

結露を恐れず中も撮って

当然裏側も

コンパネも

コンテナは0℃前後に冷やされており、来場者は「寒い寒い」とすぐに外に出て行ってた。僕も唇紫になるまで居たかったのだけど、人気コンテンツなため結構な人がやってきて、仕方なく外へ。

コンテナは2つ用意されており、入れるコンテナを交代して運用していた。

ああ、ありがとうございました。来年もまたお邪魔したいと思います。日本を支える産業の一つである自動車産業、その外貨獲得手段でもある自動車輸出にこれほどまで沢山の方が関わり、プロフェッショナルな仕事を行い、安全で確実なオペレーションが実現されているのだなとただひたすらに感動しておりました。最高でした。

ここにきた子供たちが将来、海運に興味を持って御社の門を叩くことを願ってやみません。それくらい熱のこもった素晴らしい展示群でした。

また来年機会が得られれば伺いたいと思います。


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