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サブドメインを他のサーバーやサービスで使用するためのDNS移譲の設定

割引あり

弊社はWebflowというサービスを激推ししています。様々なノーコードツールを組み合わせてサイトを制作していきたいという意図から、メインをWebflowとしつつサブドメインに他のサービスやレンタルサーバーのコンテンツなどを入れ込みたい場合があります。

もちろん、契約サービスごとにそれぞれドメインを用意する方法もあるんですが、昨今の中古ドメインが悪質なSEO会社に買い取られてしまう問題を考えると、ポンポンとドメインをとっていくよりはサブドメイン運用にした方がいいのだろうなと思います。

本稿ではいくつかの実例をもとに、サブドメインを別のサーバーに設定する(これを移譲といいます)方法をご紹介します。

凡例:
メインサーバーはexample.com で xxx.xxx.xxx.xxx を向いています。
NSは ns1.example.com と ns2.example.com です。
サブのサーバーは sub.example.com で、zzz.zzz.zzz.zzz を向いています。
NSは ns3.exmple.jp と ns4.example.jp です。

動かない例:

A xxx.xxx.xxx.xxx
NS ns1.exanple.com
NS ns2.example.com
CNAME www 
A sub  zzz.zzz.zzz.zzz ←これだけ追加する

※記法はDNSゾーンファイルの記法ではなく、ドメイン管理画面のUIに入れ込む想定になっていますので、適宜読み替えてください。NSなどに設定するURLは末尾に . (ドット) が入る例と入らない例、複数URLやIPアドレスをまとめて入力できるタイプのUIを持つものなどがあります。

よくブログなどで紹介されているのが、メインサーバーのDNSのAレコードにsubのIPを設定しましょうというものです。これは今回のケースでは動作しません。これが動作するのはサブドメインも同じNSを参照している場合、すなわち、同じサービスを契約している場合です。

動かすためにはサブドメイン用にDNSのゾーンを作成する必要があります。様々なDNSサービスがありますが、弊社ではAWSのRoute53を使ってサブドメイン用のゾーンを作成しています。
ゾーンを作成するとNSが用意されます。ここでは
ns3.exmple.jp と ns4.example.jp が用意されたとしましょう。

その上で、サブドメインのDNSの設定に
A zzz.zzz.zzz.zzz を設定します。

NS sub ns3.example.jp
NS sub ns4.example.jp
A zzz.zzz.zzz.zzz

メインのドメインのDNSには
NS sub ns3.example.jp
NS sub ns4.example.jp
A sub zzz.zzz.zzz.zzz
を設定します。

A xxx.xxx.xxx.xxx
NS ns1.exanple.com
NS ns2.example.com
CNAME www 
NS sub ns3.example.jp
NS sub ns4.example.jp
A sub  zzz.zzz.zzz.zzz

これでメインのDNSにはサブドメインsubは別のNSを参照するように設定され、参照先のDNSで正しいIPアドレスを引けるようになりました。DNSの移譲の関係でメインのドメインのAにサブドメインのIPアドレスを設定しておきます。
別にいらんやん?って思われそうな設定ですが、名前解決のために必要なので必ず設定します。

次に遷移先のIPアドレスを持っているサービスで公開用のドメインとしてsub.example.com を設定します。これをしないとせっかくサブドメインを移譲しても、遷移先がなかったりして404などになります。
これで無事にサブドメインを別のサービスとして公開することができるようになりました。

Route53のようなDNSサーバーサービスは、費用(わずかですが)こそかかりますがこのような柔軟な設定をすぐ行えるので、1つ契約しておいても損はないかなって思います。

課金コンテンツでは実際のRoute53で行ったサブドメイン設定をスクリーンショット付きで紹介しています。是非こちらもどうぞ。
うまく設定できないって場合は当社が業務としてお手伝いすることもできますので、是非お問い合わせください。

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