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アニメ化されていた精神の差別主義

最近もまだシリーズが制作されている『サイコパス』という人気アニメがある。潜在的な犯罪者の精神的素質を数値化して『犯罪係数』と呼び、一定の数値を越えれば犯罪者予備軍『潜在犯』と呼ばれ、管理、矯正される。それも及ばぬ時は、一生施設に入れられ、社会から隔離されて社会的地位も人としての尊厳も奪われてしまうという設定の近未来SFだ。

このアニメを見た時、設定は面白いが、なにかモヤモヤとしたものを感じた。ここで扱われる精神的素質は、恐怖を感じたり、ストレスを感じたりして簡単に左右されるという、リアルな設定にされている分、現実社会での精神的な病を想像させる。『精神異常=犯罪者予備軍』その構図を基本に据えている設定は、精神病の治療中であり発達障がい者である私には、深く鑑賞し続けるうちに耐え難いものとなった。


報道される『発達障がい者の犯罪』

最近はありすぎて、どの事件の犯人がってのは覚えていませんが、かなりの事件で、『ADHDの疑いが』とか、発達障がいの診断名が犯人の人となりを解説する事に使われている。ここ10年程の流行りと言っても良いぐらいだ。報道機関は犯人が発達障がい者か、精神病患者かに注目する。凶悪事件であればあるほど、その点に注目していると思われる。犯罪者は普通の人で無い方が報道が盛り上がるからだろう。

だがそういった配慮の足りない、盛り上げ方をする報道による誤解で、発達障がいを持つ子供たちが、学校でイジメられたりはしていないのだろうか?進学や就職の現場で、差別をされてないだろうか?私はその事を気にしている。

未知なる性質の者に、恐怖し、興味を持つ事は当たり前とは思うが、報道が過剰に反応してはいけないと思う。何も考えずに、ニュースをみる一般人の誤解を生むだけで、無責任だと思います。


意外と身近な精神的な病

実際のところ、精神的な病をわずらっている人の心は不安定で、人を傷つけないにしても誤解を受ける行動を取ってしまったり、迷惑な言動をしてしまう事は少なくはありません。しかし、特別な存在とは言えないと思います。

発達障がいを持って生まれてくる可能性は、だいたい20人に1人の確率と言われています。学校のクラスに2人いるか居ないかくらいです。また、鬱病を一生の内にわずらう可能性は、交通事故にあう可能性よりも高いと聞いた事があります。私の通う精神科で感じる事ですが、近所の内科医よりも患者さんが多いように思います。アメリカでは、精神科に通いセラピストに相談したりする事は常識的な医療となっているそうです。

つまり、精神的な病をわずらう事や発達障がい者が身近にいる事は、なんら特別な事では無いのです。むしろ、精神的に弱ってしまっている人達を特別視するといった行動は、そういった人達の治療への意欲を無くさせ、絶望感を増す行為であって、けっして許される行為では無いと思います。


マスコミの悪意に気付いて!

どういった報道でも、マスコミは話題性を重要視してます。正しい事をいつも伝えているとは限りません。マスコミの情報を鵜呑みにせずに、必ず自分自身の行動で真偽を確認して下さい。

世の中に、発達障がい者は5%の確率で存在します。その全てが犯罪者予備軍ならば、世の犯罪者の全てが発達障がい者って事になりませんか?そんなバカな現実が、ある訳ありません。情報は、必ず自分で確認するようにお願いいたします。


発達障がい者のみなさまへ

最後になりましたが、発達障がいと診断されて絶望している方々へ。苦労されていると思います。苦労されて来たと思います。でも、希望を捨てずに、出来る事だけ頑張って、出来ない事は『時には諦めて』生きて行きましょう。

貴方は、貴方のままで良いんですから。


駄文、長文、失礼しました。

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