家でできる国語の勉強その2

家でひとつだけ国語の勉強をするならば「音読」を、というのが前回のお話。そこからもうひとつ増やすとしたらなんだろう、と考えてみた。(今回は主に小学校高学年向け〜中学生向けのお話です。)

1:「要約」で文章読解の力をつける

文章を読み取る力をざっくり分けると、「文のつながりや構造をつかむ力」と「語彙」に尽きるのではないかと思う。文章を要約する時にはこの2つの力を使う。文のつながりや構造が理解できていれば「要するにどんな話なのか」にたどり着けるし、語彙が豊かならば言葉を言い換えて短く表現することが可能になるからだ。

2:まず、「要約」の必然性をつくる

家でやる時にはまず、要約する動機をつくれるといいと思う。
今我が家の小4が時々取り組んでいるのは、「新しい教科書の文章を1つ読んで、どんな話だったかを200字以内でまとめる。ごはんの時に親に教える。」というもの。
・聞き手(読み手)はその話を知らない
というのが大事なポイント。「相手が知らないことを伝える」方が、一所懸命になれるから。

読むのはもちろん教科書じゃなくてもいい。おうちに、子どもは読んでるけど大人はあんまり興味なくて読んでない本ってありませんか?我が家ではサバイバルシリーズとかそうなんだけど(笑)、そういった本だと子どもにとっては伝えがいがありそう。その他に、読みそびれてる新聞記事や積ん読本を渡して「読んで内容教えてー」と頼んだりすることもある。考えてみたらそれも要約の一種かも。

3:いちばん簡単な要約のしかた

要約するなら物語文よりも説明文や意見文が取り組みやすいと思う。いちばん簡単なやりかたは以下の通り。
・まず、大事そうなところに線を引きながら読む
・次に、線を引いたところだけを飛ばし読みする
・飛ばし読みを2、3回してから、指定字数にまとめる。

「大事そうなところ」を自分で判断するというのは、案外難しい。実際、国語の教室でも「大事なところに線を引いて」というと、全部大事に見えてやたら線を引いちゃう人や、逆に「正解待ち」で自分では一本も引かない人が結構いるのです。だからこそ、「自分はここだと思う」と見定める体験をできるだけたくさんしてほしい。評価軸を外に置くと判断ってできなくなるので、「自分はこう思う」をど真ん中に置いて。

4:書いたものを自己評価する

さて、できあがった要約文をどう見るか。わたしはまず、「これでまとめきれてる感じする?」と書いた子ども自身に尋ねることが多い。自分の書いたものについて自己評価できるようになってほしいのです。

大人からみてどうであれ、本人が満足していればそれでおしまい。「ちょっと足りない感じがする」ということであれば、やる気がありそうならばもう一度トライしてみるのもいいし、なさそうなら「そうか」で終わったっていい。こちらからの評価とかアドバイスは、頼まれたのでない限り、しなくていいと思う。親は国語の先生じゃないし。

ちなみに家庭学習では、わたしはほとんど「評価」をしない。いろいろなやりかたでやってきてみたけど、学習する子どもに対する時、
共に学習する仲間」(一緒に学ぶ、一緒にやる)
または
子どもが先生」(子どもから親が教わる)
のどちらかの立ち位置でいる時がいちばん、学びが活性化するように思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?